米議会乱入の暴徒は「テロリスト」 旅客機搭乗禁止を求める声

米議会乱入の暴徒は「テロリスト」 旅客機搭乗禁止を求める声

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2021/01/13
No image

先週、米連邦議会議事堂に突入した暴徒らは、米政府によって旅客機への搭乗を禁止される可能性があるが、それはジョー・バイデンの大統領就任後になりそうだ。

下院国土安全保障委員会の委員長を務める民主党のベニー・トンプソン下院議員(ミシシッピ州選出)は事件翌日の7日、運輸保安局(TSA)と連邦捜査局(FBI)に対し、議会に乱入した人々は国内テロの容疑者だとして、旅客機への搭乗を禁止する「ノー・フライ・リスト」に追加するよう要請した。

リストに名前が載った人は、米国内に離着陸する国内・国際便や、米国の上空を通過する便に搭乗できなくなる。FBIによると、対象となるのは「テロ活動への関与が知られていたり、合理的な疑いが持たれていたりする」人々だ。トンプソンは、同リストに議事堂への侵入者として特定されている人すべてを含めるべきだと主張。「この不法侵入により議員や職員の安全が脅かされ、米国が攻撃された」と指摘した。

リストはその詳細が不明であることで有名だが、これまでは国内ではなく海外のテロリストが対象とされてきた。ダイアン・ファインスタイン上院議員による2016年の発表では、リストに記載された約8万1000人のうち米国人は1000人のみで、全体の1%にも満たない。

米政府は近年、国内テロを国家に対する主な脅威とみなすようになった。国土安全保障省は3カ月前に発表した年次報告書「国土脅威評価(Homeland Threat Assessment)」で、暴力的な白人至上主義は「米国内で最も根強く致命的な脅威だ」と警鐘を鳴らした。

TSAは、これに合わせてリストの対象者も変わったかどうかについては公表を避けている。TSAのジャネル・グッドウィン報道官は電子メールで「TSAでは安全上の理由から詳細について言及できず、言えるのは常に複数層のセキュリティーを導入しているということのみだ」と述べた。

搭乗禁止リストに国内テロリストを載せることは、むしろ今後難しくなるかもしれない。共和党のジャスティン・アマッシュ下院議員(ミシガン州選出)が2019年に法案を提出した「No Fly for Terrorists Act(テロリスト搭乗禁止法)」では、国土安全保障省が米国の市民や合法居住者の旅客機搭乗を禁止できるのは「連邦法のテロ犯罪で有罪判決を受けている」人のみと定められた。これは、テロ関与が「知られていたり、合理的な疑いが持たれていたりする」だけで搭乗を禁止できるとする現在のFBIの基準よりもはるかに厳しいものだ。

また現時点でも、米議会に侵入した暴徒を国内テロリストとして搭乗禁止リストに載せる上で根本的な障壁がある。「愛国者法」の第802節では国内テロが定義されているが、それだけでは起訴や刑罰を科すことが可能な犯罪行為には相当しない。つまり、現在の連邦法では国内テロ犯罪は存在しないのだ。

これにより、米議会に乱入した暴徒らはテロリストとは認定されず、そのほかの罪で訴追されている。バイソンの角を身に付けた姿が話題を呼んだアリゾナ州在住の男は、不法侵入や治安びん乱行為の罪で訴追された。また、所有する車の中から火炎瓶11本が見つかったアラバマ州在住の男は、未登録の銃器所持や許可なしの拳銃所持の罪で訴追された。

これが次期政権下で変わることはほぼ間違いない。バイデンは7日、暴徒について「抗議者とは呼ぶな。彼らは暴徒であり、反乱者であり、国内テロリストだ」と断言した。

バイデンは以前、国内テロを取り締まる法律の成立を優先させる意向を表明していたほか、顧問らからは、特定のイデオロギーに基づき行動する暴力的な過激派への対策を指揮する役職をホワイトハウス内に新設するよう促されてきた。

ただグッドウィンはそれまでの当面の措置として、「TSAではもちろん、ノー・フライ・リストに関するFBIの要請や議会の権限付与に応じる用意が常にある」と説明した。

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加