
技術革新と存在意義を具現化したEVフラッグシップセダン
ゼネラルモーターズは、ハンドクラフトによる未来のEVフラッグシップセダンの誕生を予感させる、技術革新と存在意義を具現化したキャデラック「セレスティック」のショーカーを初公開した。

このキャデラックの全車電動化の未来をリードするために構想され、同ブランド120年の伝統からインスピレーションを受けた「セレスティック」は、生産に向けて開発を続けるデザイン・エンジニアリングチームにとって一つの試金石となっている。
キャデラック・アドバンスド・デザインのマネージャーであるマガリー・デベリス氏は、以下のように述べている。
「『セレスティック』ショーカーは、キャデラックを最も純粋に表現したモデルです。キャデラックの歴史の中で、統合されたデザインとイノベーションを表現し、真のキャデラックのフラッグシップを特徴づけるステートメントとなっています」

キャデラックの伝統を革新的な生産方法と新しいテクノロジーによって蘇らせた
このショーカーの開発にあたり、デザインとエンジニアリングチームは、戦前のV16エンジンを搭載した特注のセダンであるコーチや、1957年にハンドビルドされたコンセプトカー「エルドラド ブロアム」など、初期のキャデラックセダンを特徴付けた職人たちの技術とカスタマイズの確認に重点を置いた。そして「セレスティック」は、キャデラックの伝統を、革新的な生産方法と新しいテクノロジーによって蘇らせた集大成となる。
チーフエンジニアのトニー・ローマ氏は、次のように語った。
「これらのモデルは、それぞれの時代においてラグジュアリーの頂点を極め、キャデラックを世界のスタンダードにすることに貢献しました。『セレスティック』ショーカーは、最高のラグジュアリー体験を提供するスーパーセダンであり、その血統に基づいて、過去のモデルが表現した新生の精神を受け継いでいます」

またデザイナーチームは、建築家エーロ・サーリネン氏のミッドセンチュリーの傑作をはじめとするクラシック建築や、時代を超えて今なお愛され続けているアメリカを代表するアイコニックなデザインからも、さらなるインスピレーションを得た。
これらの要素を認識し、新型バッテリー「アルティウム」ベースのEVアーキテクチャに反映させることで、「セレスティック」ショーカーを完璧に表現することができた。その結果、人を惹きつける第一印象で、人と人とのつながりを大事にする車に仕上がった。
キャデラック・カラー&トリムのクリエイティブデザイナーであるレティシア・ロペス氏は、以下のようにコメントしている。
「私たちは機能美と造形美を融合させました。最高級の純正素材、卓越したディテール、先進技術を通じてお客様の五感すべてを刺激し、車とのつながりを創り出すために、私たちはあらゆる角度から再考する必要がありました」

ハンズフリー運転支援技術のウルトラクルーズ1など業界初の機能を搭載
このショーカーでは、キャデラックの未来へのビジョンを表現するための素材、革新的な技術、細部までこだわったハンドクラフトによる仕上がりとなっている。
ハイライトとしては、対角55インチのLEDディスプレイを含む5つの高解像度のLEDインタラクティブ・ディスプレイ、可変透過型のスマートガラスルーフ、そしてキャデラックが「セレスティック」に採用する予定のGMのさらに進化したハンズフリー運転支援技術のウルトラクルーズ1など、業界初の機能を搭載している。

スマートガラスルーフは、座席位置に合わせた4つのゾーンで照明を別々に変えることができるSPD(Suspended Particle Device/浮遊粒子デバイス)技術を採用。乗員はそれぞれパーソナライズした快適性と視界などの車内体験を微調整することが可能となっている。

さらに、対角55インチのアドバンストLEDディスプレイは、アクティブプライバシー技術である電子デジタルブラインドを備えたパッセンジャーディスプレイが導入され、ドライバーからは見えないよう工夫されつつ、乗員が映像コンテンツを楽しむことができるよう設計されている。
今回のショーカーで公開されたこれら多くのテクノロジーは、「セレスティック」をキャデラック史上最も先進的なモデルに仕上げている。なお同モデルの量産車については、後日発表となる予定となっている。
GMは、エーロ・サーリネンが設計した象徴的なキャンパスであり、GMのエンジニアリングとデザインの中心であるグローバル・テクニカル・センターでの組み立てを支援するため、8100万ドルを投資。そして「セレスティック」は1956年5月に設立された同センターで生産される初の量産車となる。
関連情報:https://www.cadillacjapan.com/
構成/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)