ベルギー移籍を発表した斉藤光毅。“サッカー小僧”を象徴する久保建英へのライバル心と高校時代の驚愕エピソード

ベルギー移籍を発表した斉藤光毅。“サッカー小僧”を象徴する久保建英へのライバル心と高校時代の驚愕エピソード

  • サッカーダイジェストWeb
  • 更新日:2020/11/22
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U-19日本代表では主力として期待される斉藤。ベルギーでさらに飛躍できるか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

11月11日、横浜FCが2020年シーズン終了後にFW斉藤光毅がベルギー2部リーグのロンメルSKへ完全移籍することを発表した。その斉藤は、11月15日から同18日までの4日間で行なわれたU-19日本代表合宿に参加。最終日の水戸ホーリーホックとの練習試合では2ゴールを挙げて、その存在感を示した。

「今のA代表もヨーロッパ組だけなので、そうやってステップアップには早めに海外に出ることが必要。自分の目標に対してもそうですが、とにかく早く行って慣れることが大事だと思って決断をしました」

19歳3か月。すでに同年代の久保建英、菅原由勢、中村敬斗が海外でプレーをしている。自分も早くそれに続きたいという意志の強さがこのコメントから感じ取れた。

「環境の違いだったり、言葉の違いはあると思います。自分が代表で海外チームとやって感じることでもあるのですが、足が伸びてくるところ、潰してくるところが、より一層強度が高くなると思うので、そういう違いには手こずるかもしれません。でも、そこは行かないと分からないので自分と向き合いながら模索してやりたい」

期待と不安を抱えているだろうが、彼の目はしっかりと未来を見据えていた。

どこまでも負けず嫌いで、どこまでも“サッカー小僧”。常にピッチ上で楽しそうにプレーをする彼を見ていると、真っ直ぐな気持ちが伝わってくる。印象的だったのが、彼がまだ高校2年生の12月に行なわれたプリンスリーグ関東参入戦での出来事だ。横浜FC U-18はこの年の神奈川県リーグを制し、来季のプリンスリーグ関東昇格をかけてこの大会に臨んでいた。トーナメント方式で2回勝てば悲願達成の決戦で、チームは初戦を突破し、明秀日立との決定戦進出が決まっていた。

ちょうどその時、斉藤はU-19日本代表の一員としてブラジル遠征に参加をし、明秀日立戦の前日に帰国をしたばかりだった。
「俺、90分行けますよ!」

夕方の18時に成田空港に到着するなり、迎えにきたスタッフにこう告げると、そのまま翌日の試合にスタメン出場をした。しかも、この試合にコンディションを合わせるために長時間のフライトでは日本時間に合わせて計算して睡眠を取り、帰国してから日本時間に合わせてきちんと睡眠を取り、時差ぼけ対策も万全にした上での志願の出場だったのだ。

「途中で機内の灯りを落とされて暗くになった時は相当きつかったですが、寝るのを我慢して時差調整に務めました(笑)。全てはこの試合に出るため。ユースとしてプリンス昇格は何がなんでも目標だったので、そこは絶対に出たかったんです」

試合ではダメ押しの3点目を挙げるなど躍動し、3-0の勝利に貢献。見事にプリンス関東昇格を果たした。

ゴール直後、顔をくしゃくしゃにして全身で喜びを爆発させる姿からは、まさに『サッカー小僧』の趣がにじみ出ていた。彼の気持ちがチームをプリンスに押し上げ、意志を引き継いだチームは1年でプレミアリーグ昇格を掴み取った。

【U-19日本代表合宿PHOTO】西川、斉藤も躍動。アジア選手権に向け猛アピール「僕には同い年の久保建英という存在がいます。彼が結果を残したら危機感が生まれますし、『俺はこんなんしていていいのか?』『もっとやらないといけないんじゃないか?』という気持ちが湧いてくるので、それは前に進む原動力のひとつになっています。やっぱりこの年代から上の世代でプレーをすると、チヤホヤされる可能性はありますが、そこで調子に乗ったり、勘違いをすることはしないように僕は意識をしています」

明秀日立との一戦後、彼は引き締まった表情でこう口にしていた。あれから2年、斉藤はこの言葉そのままに地に足をつけ、常に自分にベクトルを向けながら思考とトライを重ねて成長し、海外へと旅立つ決心をした。

「まだJ1リーグで3点しか取れていないし、最近はゴールがない。それはすごく課題に感じているので、ゴールに近い場所で力を発揮することは徹底しています。まだまだ足りないと思うし、そこは自分で工夫しながら突き詰めてやりたい」

U-19日本代表合宿でこう口にしたように、まだ横浜FCの一員としての責務がある。チームをひとつでも上の順位に押し上げるべく、12節の清水エスパルス戦から遠ざかっているゴールを挙げ、有終の美を飾ってから自分の夢に向かって羽ばたいていく。

「日本では味わえない経験をして、自分で考えて、自分で乗り越えられるように、常に自分にベクトルを向けながらやっていけたら、いろんな場面で生きてくると思います。よりいっそう気を引き締めてというか、覚悟と誇りとプライドを持っていきたいと思います」

サッカー小僧はどの環境に行っても変わらない。これからも地に足をつけて彼はより険しい道を突き進もうとしている。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)

【U-19日本代表合宿PHOTO】西川、斉藤も躍動。アジア選手権に向け猛アピール

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