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【対談】DAISHI [Psycho le Cému] × RYUICHI [LUNA SEA]、「できないことをやろうとしている」

【対談】DAISHI [Psycho le Cému] × RYUICHI [LUNA SEA]、「できないことをやろうとしている」

  • BARKS
  • 更新日:2021/07/20
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かつては同系列の音楽事務所(Sweet Child / Sweet Heart)に所属していたLUNA SEAとPsycho le Cému。そのヴォーカリストにしてフロントマンのRYUICHI(河村隆一)とDAISHIの初対談が実現した。

◆Psycho le Cému × LUNA SEA 画像

今年結成32周年を迎え、コロナ禍で延期となっていた30周年記念ツアー<LUNA SEA 30th Anniversary Tour 2020 -CROSS THE UNIVERSE->を再開させているLUNA SEA。一方、結成22周年を迎え、やはりコロナ禍による紆余曲折を経て8月14日に地元・姫路での凱旋公演<理想郷旅行Z 〜二十年後の僕たちへ・・・〜>を行うPsycho le Cému。緊急事態宣言発出によるツアーやイベントの延期/中止といった難しい状況を乗り越えるべく、今も力強く歩みを進めている2バンドだ。

1990年代の系列事務所所属当時のトークは初出しの貴重なものばかり。互いにボーカリストとして大切にしていることとは何か? モニター論やマイクのチョイス、トレーニングによる身体づくり、そして、7月22日および23日に開催される“マイクを使わない”教会ライヴ<Ryuichi Kawamura No Mic,Two Speaker Concert at Gloria Chapel>、<Psycho le Cému 理想郷旅行Z ~二十年後の僕たちへ…~> 振替公演など、多岐にわたり語り合ってもらった。

◆   ◆   ◆

■だから俺らLUNA SEAになられへんねん!
■っていうメンバー全員の口癖があるんです

──かつては系列音楽事務所の先輩後輩という間柄だったお2人ですが、初対面はいつ、どんな形でした?

RYUICHI:たぶんライヴに来てもらった時に挨拶したとか、そんな感じだよね?

DAISHI:そうです。僕自身はもちろん昔からLUNA SEAさんを観ていますけど、お会いしたのは事務所に所属してからです。社長に「LUNA SEAのライヴ、観ていいよ」と言っていただいたので、メンバー全員で行って、楽屋打ち上げの時に少しご挨拶をさせていただいたと思います。

──その時のRYUICHIさんの第一印象はどうでしたか?

DAISHI:僕は高校生の時にLUNA SEAさんのコピーバンドをやっていて、人生で一番聴いたのは『EDEN』(1993年発表)なんじゃないかな?というぐらい。だから、いわゆる“芸能人の方にお会いした”というイメージでしたね。社長から初めて声を掛けていただいた時も、事務所に入ることを決めた時も“LUNA SEAさんがいるから間違いない”という想いがメンバーの中ですごく強かったし、とても大きな安心材料でした。

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▲RYUICHI / 河村隆一 (Vo / LUNA SEA)

RYUICHI:僕はPsycho le Cémuに対して、“上手いバンドだな”という印象がありましたね。

DAISHI:本当ですか!?

RYUICHI:うん。LUNA SEAのメンバーとも、「今度事務所に〇〇っていうバンドが入るらしいよ」という話は、結構楽屋で出るんですよ、そこまで深く話すことはなくてもね。「〇〇っバンドはこうだよね」みたいに。

DAISHI:ええっ!? うちのメンバー、それを知ったらすごく喜ぶと思います。

RYUICHI:僕らにとって“何が正義か?”と言うと、まずは、“どれだけ音楽に対して情熱を持っているか?”。例えば演奏が上手いとか、リズムがいいとか、歌が上手いとか、それって訓練しないとできないってことが、僕らは分かっているんだよ。つまり、上手くなるために何百時間、何千時間もずっとスタジオにこもってやっているんだろうな、という背景を感じるんですよ。“音楽がすごく好きなんだな、コイツらは”というのを感じた時に、「なかなか上手いね、あのバンド」という話になるし、それはLUNA SEAとして認めているということなんですね。

DAISHI:へ~!

RYUICHI:怖い先輩に対してもそうでしたから。仮に“あの人、ヤバイよね”とか“この人と音楽の話をすることはないだろうな” と思っていても、CDを聴いたり、実際にライヴに行った時に、“やっぱりこの人たちってすごいんだな”って安心するというのかな。理解できるノリしろを感じさせてくれるというか。打ち上げでただ暴れてるだけの先輩だったら、理解できないですよ(笑)。Psycho le Cémuを観ても、それはすごく思ってましたね。

DAISHI:僕らはこんな格好をしていますし、まだまだですけど、姫路時代からそういう教えを受けてきたんです。姫路バンドの多くは音がしっかりしていたので。

RYUICHI:そういう経験は大事だよね。

DAISHI:はい。いくら見た目が派手でも、ちゃんと音楽をやらないとダメ、と教えてくれた地元のライヴハウスの店長とかには本当に感謝ですね。叱られて、すごく練習した記憶があります。まず、歌は言葉がハッキリ聴こえることが大切とか。

RYUICHI:Psycho le Cémuはもう結成20年以上?

DAISHI:はい、今年で22年になります。

RYUICHI:長いですね。俺たちより10年ぐらい若くても、もうベテランですよ。表現の方向性やヴィジュアルの打ち出し方、音楽のあり方が少しずつ変化しても、やっぱり音楽好きっていうのが根っこにあって、だからこそ支持され続けているんだと僕は思いますけどね。ライヴを観て“えっ? これだったら観ないほうがよかった”となってしまったら、続かなかったと思うんですよ。

DAISHI:続けたくても、できない状況に陥ってしまいますよね。

RYUICHI:僕らの時代もそうだけど、特にヴィジュアル系と呼ばれるシーンはライヴハウスで対バンという形がメインだったでしょ。今でこそ大型音楽フェスがいっぱい存在しているけど、そこで問われるのもやはり実力ですよね。つまり、闘いに勝ち続けるということ。例えば海外アーティストが<SUMMER SONIC>や<FUJI ROCK FESTIVAL>に出演すると、ファンの皆さんは「あのバンド、ライヴは大したことなかったね」とか「やっぱあのバンドすごいわ」とか、そういう話を絶対にするじゃないですか。パフォーマンスやそこで出す音が肝になるし、そこでの評価が活動を支えるんだと思います。

DAISHI:僕ら、リハーサルとかレコーディングで失敗した時に「だから俺ら、LUNA SEAになられへんねん!」っていうメンバー全員の口癖があるんです(笑)。

RYUICHI:はははは! どういうこと?

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▲LUNA SEA

──「だからLUNA SEAになられへんねん」というのは、何が足りないということなんでしょうね。LUNA SEAをLUNA SEAたらしめる魅力とは何だと思われますか?

DAISHI:個々の強烈な人間性がバチバチッ!ときてる感じ。メンバー間の人間力の闘いみたいなのを感じるんですよ。<VISUAL JAPAN SUMMIT>(YOSHIKIが旗振り役となったヴィジュアル系音楽フェス/2016年開催)では、LUNA SEAさんのステージを袖で観させていただく機会がありまして。その時、LUNA SEAさんはリハーサルをしなかったと思うんです。

RYUICHI:そうだったかもしれないね。

DAISHI:ステージに登場するなり、“ドチャーン!”と鳴らした最初の一発で、メンバーの皆さんがPAさんにジェスチャーで指示出し(※モニターバランス調整)してて。それ一発でバシッと音が決まるんですよ。あんなの僕らにはできないですもん。

RYUICHI:いやいや、決まってないんだけどね(笑)。本当は苦労してるんですよ。今のPAチームとは、すごく長く一緒にやっているので、あうんの呼吸があるかもしれないけどね。

DAISHI:合図を出すジェスチャーまで含めてステージングみたいで、すごくカッコ良かったんですよ。袖で観ててビックリしましたね。

RYUICHI:たまたま、いい時に観てもらっただけだよ(笑)。

──豪華出演アーティストが3ステージのタイムテーブルにひしめいて時間がない中、慌ただしく進んでいくフェスでした。DAISHIさんのおっしゃられるように、リハーサルがほぼできないフェスのステージで、いつもの音を出せるバンドってカッコいいし、経験と実績の成せる業なんでしょうね。

RYUICHI:きっとDAISHIもそうだと思うんだけど、満たすことができる場所とある程度の諦めが必要な場所と、その両方があるよね?

DAISHI:はい。僕はイベントにもよく出るので、そういうことはありますね。

RYUICHI:“この環境でやると腹を決めてライヴするしかない”みたいなところがイベントにはあって。細かく打合せても、最後まで上手くいかないまま終わっちゃうこともあるから。特にモニターのつくり方はね。僕はイヤモニをせずに、転がし(足元等に置くタイプのモニタースピーカー)でしか音を聴いてないので。

DAISHI:モニターには何の音を返してるんですか?

RYUICHI:必ずステレオでギターを返してもらって。それに対してドラムが小さければもっと上げてもらうとか、そういう感じ。自分の歌に関しては「もうちょっと硬く返して」って言うことがあるんですけど、そこについては予め「硬くする時は250Hzを下げよう」とか、エンジニアさんと僕とで幾つかの選択肢を用意してるんですよ。「今日は3kHzを上げるのはやめて、250Hzを切るだけにしよう」とか、「この会場は800Hzを切るだけにしよう」とか。そういう風に決めていくから、それで解消できなければ、あとはもうその環境でやるしかないっていう。

DAISHI:LUNA SEAさんを担当されていたPAの方に、Psycho le CémuのPAをやっていただいた時は、「RYUICHIさんがどういうモニターのつくり方をしているのか?」を質問攻めしたので、ある程度知っているんですよ。「オリーブオイルを浸したパンの欠片を喉に」……とかいう話も聞いたことがあるんですが、本当ですか?

RYUICHI:いや、それはあまりしないけどね(笑)。

DAISHI:あれ…? 間違った情報も入れられてるのかな(笑)。

RYUICHI:かもしれない(笑)。

DAISHI:「ステージで耳栓をしてる時がある」と聞いて、僕も試してみたりしたんですけど。

RYUICHI:それは以前やってましたね。当時担当してくださったPAさんが「ゴリッとさせるから」とか、あまり細かくないタイプの方だったので。今のチームは“何Hz”というところまで指定して詰めていくチームなので、また違うんですけどね。

DAISHI:たしかに、そのPAの方はモニターが爆音だったかもしれません。僕は回り込みの音が入ってくるのが苦手なので、あまりうまく音程を取れなくなったこともあって。

RYUICHI:モニターの調整が上手くいかないって、ヴォーカリストにとって一番のウィークポイントかもしれない。でね、失敗する瞬間って錯覚しているんだよ、絶対。モニターから返ってくる音を聴いて、その音程に合わせて歌うんだけど、その“合ってる”と思い込んでいるもの自体が、回り込みの音だったり、いろいろな要因を受けて化けている。それって聴感的には分からないんだよね。例えば、甘いと思って塩を振ってたら、“もうしょっぱいよ”ってなるところまで気付かないみたいなことが、ライヴではよくあるので。だからみんなイヤモニをするようになるんですよ。

DAISHI:これはもう、ヴォーカルにしか理解できない話かもしれないですね(笑)。僕はここ何年かでイヤモニに変えました。そのイヤモニもワイヤレスにしてみたり、ワイヤードにしてみたり、今、いろいろ試しているところで。

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■どこをどうやって届けるかっていうことを
■ヴォーカリストはいつも意識している

──RYUICHIさんがイヤモニを使用した時代もあったんでしょうか?

RYUICHI:ありますよ。ただ、ステージ全編でイヤモニしてたことはないんです。僕には全く合わないから。イヤモニって外の音が完全に遮断されるので、ファンの人たちが「ワーッ!」と言っても、ほとんど何も聞こえてないんです。比率で言うと約30分の1くらいしか外の音が聞こえない。たとえ客席を煽ったとしても、その反応が静かな映画館にいるみたいに全くの無音状態で。だけど、今、ファンの声とか外の音を耳に届けるバルブ的システムのイヤモニも開発されているみたいですね。

DAISHI:それ試してみたいです。

RYUICHI:ヴォーカリストには耳を壊している人が実は多いんですよ。ヘッドフォンすると分かると思うんだけど、鼓膜が張り付くような感じがするでしょ? 空気がキュッと吸われた状態になるから。一方で転がしのモニターは絶対にそうならないけど、音が回り込んで、キーが分からなくなったりする。イヤモニも転がしも、それぞれ良いところも悪いところもあって。ピッチとリズムを第一に考えるんだったら、イヤモニが無敵だと思いますけどね。

DAISHI:でも、イヤモニだとライヴが楽しくないんですよね。

RYUICHI:そうそう!

DAISHI:ヴィジュアル的にあまりよくないし、やっぱり転がしで歌っているほうが気持ちいいし、それって客席にも伝わると思うんですよ。イヤモニで歌うと音程を当てにいくというか、置きにいくというか、レコーディングっぽくなっちゃう。もちろん、ライヴでもしっかり歌いたいけど、心のどこかで“CDとは別”という気持ちもあって、ライヴ感を大事にしたいですから。

RYUICHI:イヤモニだと吠えないよね。ライヴだとどこかで吠えてるというか、超える瞬間があるから。

DAISHI:はい。ブチッ!とスイッチが入る感じがイヤモニだとなかなか出にくいんですよね。

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▲DAISHI (Vo / Psycho le Cému)

──RYUICHIさんは近年、「レコーディング時もライヴのような心構えを大事にしている」とお話されていますが、つまりはライヴ感を重視されているということですか?

RYUICHI:レコーディングの話は、また別の要素があって。完璧な歌を記録しようと思うと、修正していかなければいけないんですよ。ある箇所を歌い直すとか、もう一回歌ってみるとか。でも、そういうことを繰り返すんじゃなくて、“これは生放送だ”と思って歌うということ。例えば、目の前にファンがいたとしたらやっぱり“自分の気持ちを伝えること”が一番重要じゃないですか。その次に、音程やリズムを当てにいくというか、正解を求めることが大事になってくる。レコーディングも一番大事なものを届けるために、やり直しはきかないと思って歌わないとね。まぁ、僕はレコーディングで3本も4本も歌うのが嫌だから、できたら1本歌って、ちょっと直して終わりにしたいみたいな(笑)。

DAISHI:1回でもやってみたいですよ、それ。憧れっす!

RYUICHI:あくまでも、“そういう気持ちで”という話ですけどね。DAISHIも絶対できると思うよ。可能ならリハーサルの日をつくって、レコーディング当日は、“今日は生配信だ”ぐらいのつもりで歌ってみるといい。ダメなところだけパンチインするぐらいのつもりでやれば、それが一番勢いのある歌になるはずから。

DAISHI:美空ひばりさんがそういう感じで録っていたという話を聞いたことがあります。けど、僕は楽器チーム以上に、一番歌録りの時間をもらってます(笑)。

RYUICHI:僕も美空さんのディレクターにディレクションしてもらったことがあって、いろいろな話をお聞きしたんだけど、やっぱり重要なのは「どこを切り取ってどこを出すか?」というジャッジなんですよ。神様みたいに“いつでも完璧に歌える”なんて人はいないわけだから。レコーディングとか収録となると、「もう一回ここだけやり直していいですか?」というのが当然ある。長く歌えばいいってわけでもないし、短ければいいってものでもない。何度も歌うにつれて声も変わっていくしね。

DAISHI:はい、変わりますね。

RYUICHI:1曲を3〜4本と歌っていくと、だんだん1本目と4〜5本目の声が違ってくるんですよ。そうすると繋がらないので、「違う日に歌い直しましょうか」となる。だから、数本で録り終えるという方向に、最終的にはいかざるを得ないんだよね。「MOON」(アルバム『LUNA SEA』収録曲/1991年発表)のレコーディングなんて、僕は8〜10時間だったかな? ずっと歌ってましたからね(笑)。アナログレコーディング時代だからパンチインもできなくて、もうずっとやり直してるみたいな(笑)。歌い直していくと、1stテイクからどんどん声が変わっていっちゃうでしょ。夜中まで歌録りを繰り返して本当に声が変わっちゃって、さすがに「やめよう」と言われて帰った記憶があります。録り終わったものをエンジニアさんが誤って全部消しちゃって、「また明日お願いします」となったときは……もう血の味がしました(笑)。そういう時代もありましたから。

DAISHI:僕、3枚目のシングルで米米CLUBの「浪漫飛行」をカバーさせていただいたんですけど、何本か歌ってレコーディングを終えた帰り道、むちゃくちゃ電話が鳴って。何だろうと思ったら「すみません……音が全部消えちゃったんです」というのが1回だけあったんですよ。レコーディングが終わったから、ちょっと飲んでたんですけど、酒の味がしなかったですね(笑)。その日は声がもう大変だったので帰りましたけど(笑)。

RYUICHI:それはキツいよね~。でもね、それが起こる世界なんですよ。LUNA SEAもヴォーカル以外でも、「ここのフレーズだけ消えちゃった」とかあるもん。

──ちなみに、DAISHIさんの最長ヴォーカルレコーディング記録は何時間ですか?

DAISHI:僕はそんなに長くはないですね。4時間ぐらい。僕らがデビューした時は、事務所の社長がOKのジャッジをしてまして。デビュー曲で「うん、うまいこと歌えた。いいよ! いいけど、もっといいのできるかもしれへんから」って3テイクぐらい録ったという。で、結局使ったのは1テイク目だったりするんですけどね(笑)。

RYUICHI:そうなんだよね(笑)。1日で、最高何曲録ったことある?

DAISHI:3曲です。

RYUICHI:俺はコーラスまで5曲録ったことがある。しかも歌詞を書きながら(笑)。ソロの時なんだけど、朝9時から夕方5時ぐらいまでに5曲書いて録りました。

──耐久レースみたいな過酷さですね。

RYUICHI:この話ってとにかく、ヴォーカリストは“どこを届けるか?”ということがすごく大事で。たとえば、配信にしてもライヴにしても、開演時間というスタートタイムが決まっていて、ドラムカウントと共に1曲目が始まるわけじゃないですか? それはもう誰にも操作できない。たとえ調子が悪くてもその第一声が全て届くわけですよね。一方で、毎日のようにツアーをしていても、「2日目がすごかった」ということって必ず生まれる。すべての日程を精一杯やっても、やっぱり声は生き物だし、歌ってそういうところがあるから。だからこそ、どうやってどこを届けるかっていうことをヴォーカリストはいつも意識していると思います。

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▲Psycho le Cému

──お2人は声を届けるマイクにもこだわりがありますか?

DAISHI:一時期、自分でワイヤレスマイクを買って使ってみたんですけど、“やっぱりワイヤードのほうが音がいいな”と思ったり。ただ、Psycho le Cémuは踊ったりお芝居もするので、ワイヤードは不向きなんですよ。そのせめぎ合いがあって難しいなと。

RYUICHI:分かる。ケーブルの長さの問題もあるし、絡むし。

DAISHI:はい。音響の方といろいろ話して、やっぱりワイヤレスマイクで、その中でもプロ仕様の高価なマイクが一番良かったので、今はそれにしています。

──RYUICHIさんは最もスタンダードなシュアー58を愛用されていますよね。どんな理由があるのでしょうか?

RYUICHI:一番ベタなマイクですよね。今、DAISHIが言ったように、俺もやっぱりワイヤードが一番いいと思っているんです。LUNA SEAのライヴではほとんど動き回らずにセンターにいるんですけど、実はこれにも理由があってね。LUNA SEAのライヴは曲中に、例えば上手のSUGIZO(G)、下手のJ(B)とINORAN(G)が、左右に行き交って翼のように広がるわけですよ。そこで僕が一緒に動くと、たまたま下手に4人が集まってしまったりする。そういうアンバランスな構図が生まれるときもあって。そうすると真ちゃん(真矢/Dr)だけがセンターに残ったような、変な画になってしまうんですよ。でも、僕がセンターのモニター周りにいれば、真ちゃんと僕が真ん中にいるから、みんなが左右に動いても画的にいいっていう。そんな話が当時、ビデオクルーとの会話で出たんです。で、“センターからほぼ動かないのであれば、音的にもワイヤードのほうがいい”と思ったんですよね。だから、さっきのDAISHIの話とは真逆。マイクはワイヤードだしモニターは転がしだから、センターから動かないというのはベストで。ただ、東京ドームのような会場で出ベソ(※アリーナから客席にせり出したサブステージ)へ行く時だけはワイヤレスで歌おうとか。

DAISHI:なるほど。

RYUICHI:シュアー58をなぜ愛用しているか?というところに話を戻すと、もちろん性能とかいろいろあるけど、やっぱり一番は慣れてるからで。14〜15歳の頃から、ライヴハウスに行こうが貸しスタジオに行こうが、シュアー58って必ず置いてあるんですよ。一口にシュアー58と言っても、メイド・イン・USA、メイド・イン・メキシコ、そして今はメイド・イン・チャイナと年代によって製造国が異なるんです。同じ年代でも個体差による音の違いもある。だから、10数本買って、“LUNA SEAではこれ” “ソロのショウの時には甘い感じのこれ”とか、それぞれ個体差とか、その特性に合わせて使い分けているんです。

DAISHI:音的にはどんな特性が好みなんですか?

RYUICHI:近接効果がすごく面白いと僕は思っていて。マイクに口を近付けた時、ちょうど100Hzぐらいの周波数帯が増えるんですよ。例えば“♪エッエッエッ(※喉を閉めたような歌唱)”って硬く歌っても、“♪ヘッヘッヘッ(※まろやかな感じで)”って柔らかく歌っても下のほうの声が太く聴こえるんだよね。「ROSIER」の平歌の歌い出しの時はマイクを近付けて歌うんだけど、そうすることであまり呼吸を使わなくてもラクに歌えるっていうのかな。あくまでも僕の場合ですけどね。ゼンハイザーとかテレフンケンとかノイマンとか、いろいろなマイクを使ったけど、ライヴでは上手くそれを使いきれなかった。シュアー58は、近づける/離すというマイクコントロールの時に、外す場所によって声がどう響くか、“このぐらいの角度でマイクを外して、芯をぶらすとこう聴こえる”とか、声を張った時にどうなるかを身体が覚えているんですよ。僕の声とシュアー58なら“ここのHzが邪魔”ということも経験的に分かっているから、結局は戻っちゃうんですよね。

DAISHI:僕はメンバーと闘ってワイヤードのシュアー58を使用してた時期もあったんですよ。転がしから聞こえる声がワイヤレスマイクではチープに感じるというか。

RYUICHI:ペラッとしてるよね。ワイヤードのほうがムチッとしてる。今、こうしてDAISHIがしゃべっている生の声を聴いているわけだけど、マイクを通すと、その先にあるヘッドアンプ、コンプ、そのEQ(イコライザー)が掛かるわけで、それらも重要なんです。僕はレコーディングでもLUNA SEAのツアーでも、1970年代のテルフンケン製ヘッドアンプとコンプを持ち歩いているんですよ。エンジニアさんによっては「イヤだ」という人もいるんですけどね。

DAISHI:ビンテージがイヤだということですか?

RYUICHI:やっぱりSN(※シグナルノイズ/音声信号に対するノイズ比率)が悪いと感じる人もいて。実際、SNはデジタルのほうがいいですよね。だけど声さえ張れれば、SNが悪いという聞こえ方にはライヴでも絶対にならないので。その機材を歌番組とかに持って行くと、「これ、シャーシャー言っていて使えない」って先方のエンジニアさんが言うことがあるんですよ。だけど、うちのエンジニアが「RYUICHIはこのゲインで行きますから。大丈夫ですから、リハーサルをやってみてください」と言うと、「えっ!? このゲインで本当に声が届くんですか?」って驚くんです。結局、「大丈夫でした」っていうことになるんですけど、そういうやり取りをいつもしているみたいですよ。

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■去年大晦日に腹筋9000回やったんです
■ステージへのモチベーションも上がる

──ヘッドアンプの問題以前に、それをRYUICHIさんの圧倒的な声量が解消できるからということでしょうね?

RYUICHI:僕自身、声量の大きさについては後で気付いたことで。“誰よりも大きい”と思っているわけでもないというか、“数字上大きいんだな”ということでしかないんですね。僕の歌ってそんなに“ウワーッ!”というものでもないじゃないですか?

DAISHI:RYUICHIさんの声は身体から出ている感じがするんですよ。すごく優しい時もありますし、その抑揚がすごい。まだVHSの時代から僕は、LUNA SEAさんのライヴ映像を観て「身体で出してるようなこの声って、どうやってるん?」って思いながら勉強したんですよ。太い声になるように腹式呼吸を練習したり。でも当時はまだ学生だから、口先だけのペラい歌みたいになってしまって、自分で聴いても“なんか違うよな”と。

RYUICHI:恥ずかしいですけどね。VHSの頃の自分を観たら“下手だな。なんだコイツ?”って思うかもしれない(笑)。

DAISHI:いやいや。メンバーとLUNA SEAさんのライヴを観に行った帰り、ヴォーカルとしては僕、肩身が狭くなりますからね。本当ですよ? 圧倒的ですから。

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▲RYUICHI / 河村隆一 (Vo / LUNA SEA)

──お2人とも、日々ヴォーカリストとして研鑽を続けておられますが、ハードな肉体トレーニングもその一環なのでしょうか?

DAISHI:僕がトレーニングジム経営を始めたきっかけは、YOSHIKIさんの番組に出させてもらった時のことなんですよ。番組に出演させていただいた僕ら後輩バンドマン同士で「この後、飲みに行こうぜ」となって。YOSHIKさんをお誘いしたんですけど、「ごめん! 俺も一緒に飲みたかったけど、今日はこの後、パーソナルトレーナーとジムだから」と。僕たち後輩は、“YOSHIKIさんほどの方がこんなに努力されているのに、何を俺らは……”って。その時も酒の味がしなかったですもん(笑)。

RYUICHI:あはは! “これはマズいぞ”と。

DAISHI:はい。トップを走る大先輩が身体を鍛えてるんだから、せめてトレーニングだけは真似しようと思い立って、次の日にパーソナルトレーニングジムの門を叩いたんです。そこからドハマりしちゃって、今や自分でパーソナルトレーニングジムを経営するまでに至ったという。RYUICHIさんもすごくトレーニングをされていると聞いていますよ。

RYUICHI:それほどでもないけどね(笑)。LUNA SEA初期は、サーフィンとかボクシングをしていたんですよ。あとは、ロープで3分縄跳びをして30秒休み、また3分跳んで30秒休み…というのを5セットやってからステージに出るとか。朝サーフィンしてからライヴ会場に行くとかしてたんだけど。

DAISHI:すごい!

RYUICHI:要は身体に血が巡ってる状態にしたいんですよね。ヴォーカリストって寝起きじゃ声が出ないから。常に身体が動いている状態、汗ばんでいるぐらいでステージに出ていくとちょうどいいんですよ。あとね、ジムでは、今日100回できたのなら、明日はもっと重くして100回できるか?とか、もっと速いスピードで走れるか?とか、できないことをできるようにしていくんです。音楽って点数が出づらいじゃないですか。もちろん何万枚売れたみたいな数字はあるけども、そういう話ではなくて。今までの自分の数値を超えていくこと、それを見つけている感じなんです。何年もやっていると、どんどん変な数字になっていくんですけど(笑)。

──つまり、とてつもない数字になっていく、ということですよね?

RYUICHI:去年12月31日に僕、腹筋9000回やったんですけど、9000回って聞くと“馬鹿じゃん?”って思いますよね。でも、そこに至るまでには下積みがあって、50回でヒーヒーしていた自分が200回できるようになって、500回、1000回、そして3000回を毎日できるようになったら、“じゃあ年末は2時間ずっと腹筋やってみるか”っていうふうになっていく。スキルアップしているという自信が自分のなかにできて、ステージへのモチベーションも上がるという作用も絶対にあるもんね。DAISHIもそれに近いでしょ?

DAISHI:そうですそうです。負荷を少しずつ上げていくから、軽すぎるとやっていて気持ちよくないんです。僕は、ステージに上がった時、身体がカッコよくなってたらいいな、歌もよくなればいいな、という思いでやっていました。ただ、ジムの従業員がゴリゴリマッチョなので、一緒にトレーニングしているとちょっと行き過ぎちゃうというか、だんだん分からなくなってくる(笑)。

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▲DAISHI (Vo / Psycho le Cému)

──RYUICHIさんは先ほど、「音楽の世界は点数が出づらい」とおっしゃいましたけれども。数値化できない表現の世界で活躍なさっているお2人にとって、数値目標で達成感を得ていける身体づくりに挑むのは、メンタル面でのバランスを図れるからということもあるのでしょうか?

RYUICHI:うーん…僕の場合は、年齢もあるかもしれないけどね。やはり51歳になって、体力がただ下っていくんじゃなくて、51歳だけど“何かできないことをやろうとしてる自分がいる”ということが、自分にとってすごくいいと思ってて。

DAISHI:そうですよね。30代の頃より40代の僕のほうが、全然身体がカッコいいと思ってますもん。歌もよくなったと思いますし。

──年齢を重ねるにつれて何かを失っていくのではなくて、手に入れていくことができるというか。

RYUICHI:うちのジムに…84〜85歳になられるのかな? 操上(和美)さんという、LUNA SEAのアーティスト写真を撮ってくださったカメラマンの方がいらっしゃっているんですよ。トレーナーの皆さんが言うには、80歳になろうが90歳になろうが筋肉はちゃんと応えてくれる、と。

DAISHI:筋肉は裏切らない(笑)!

RYUICHI:そう、筋肉がついて骨密度とかいろんな数値も上がっていく。ということは、ミック・ジャガーじゃないけど、70歳でも80歳でも、きっと走り続ければ5kmとか10kmとか走れちゃうんだよね。そういう体力がなくなって、立ち上がる時に“よいっしょ”ってなってるようでは、70歳とか80歳で「ROSIER」を歌えないと思っているんです。

DAISHI:LUNA SEAさんの曲は歌詞が詰まっていて、カラオケで歌ってても、ブレスも、メロディーの上下もしんどいですから(笑)。

RYUICHI:結構ハードだもんね。仮にキーを半音とか全音落とせば済むという問題じゃなくて、体力的に厳しくなると思うんです。でも今、備えていればあまり衰えずに、その年代なりの良さというのを出せると思うし。

──LUNA SEAの場合、1990年代の曲だけでなく、最新アルバム『CROSS』収録曲も高カロリー消費の曲が多くないですか?

RYUICHI:まずキーが高いですよね(笑)。

DAISHI:鍛え続けたいですね、ステージに立つ以上。

RYUICHI:例えば、その時の調子もあって、いつもと違う感じとか、その時の自分に足りないものって自覚できちゃうっていうこともあるじゃない? ステージ上で声が枯れたり、うまくいかないこともあるけど、その瞬間に何かを失うわけではない。たぶん僕もDAISHIも、調子が良ければ1日2ステージでもできるんだけど、いつでも調子がいいというのはやはり無理なので。1年に1回とか2年に1回とか、必ず谷はやってくるから。でも、そういうことばかり考えて、エンターテインメントとしてのライヴをつまらなくしたくはないよね。その逆境というか、いかに調子の悪い時でも存在感を示して立ち続けることができるか。そこは常に試されているような気がしてて。

DAISHI:調子のいい時は3DAYSでもいけるんですけど、体調の調整もできているのに、良くないというか苦しい時があるんですよ。

RYUICHI:ヴォーカリストはみんな、その苦しみを何度も味わっているよね。ライヴ前日もお利口さんな生活をして、早く寝る。完璧な準備をしてステージに上がるわけだけど、“あれ、ダメじゃん! どうする? まだ2曲目だけど……”みたいな時もある。だけど、やっぱりファンがライヴに来てくれている以上、納得のいくものを残したいから。自分の納得というものを、歌の精度だけに求めないように、という切り替えは大事だと思うんだよね。そうすることで、歌の精度が復活してくることもある。怖くなっちゃうとどんどん後ろ向きの考え方しかできなくなっちゃうから。

──なるほど。お2人の場合、母体となるバンドとソロ活動は、それぞれどのような影響を与え合っていますか?

DAISHI:今年1月に解散しちゃったんですけど、僕はSiXXというバンドをやっていて。サックスプレイヤーがいる5ピースで、全然ヴィジュアル系じゃないからメイクもしないし、もちろん多少のステージングはするんですけど、Psycho le Cémuをやっている僕からしたら全然エンターテインメントじゃないんです。やっぱり音だけの世界で勝負してみたいという想いがあったので、化粧をしていない人たちとの対バン経験は、Psycho le Cémuとしてシーンに戻って来た時、すごくタメになりました。そのバンドでは、ソロのRYUICHIさん(河村隆一)とライヴをご一緒させていただいたことがありまして。袖からRYUICHIさんの歌を聴いたんですけど、途中からオフマイクで歌われたり、LUNA SEAでのRYUICHIさんとはまた違って、すごく感動しました。

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■“近いけど遠い”──本物とはそういう存在
■この後のツアーでは動かないようにしよう(笑)

──RYUICHIさんは近年、LUNA SEAとしてもソロとしても活動が盛んですが、プロジェクト間の相互作用はありますか?

RYUICHI:今はコロナがあって、そこまで忙しくできていないですけど、以前はLUNA SEAとソロを合わせて年間80本ぐらいライヴをやっていたんですよね。文字通りマイクを使わないノーマイクライヴとか、いろんなことを。たぶん僕は、自分を飽きさせないように、いつも何かを試しているような気がするんです。古舘伊知郎さんが一人しゃべり(※『古舘伊知郎のトーキングブルース』シリーズ)だけで1〜2時間の公演を実施されていたように、僕とピアノの2人だけのライヴもできるんじゃないかって。マイクを使わない怖さと闘うノーマイクの自分もそうだし、やっぱり活動の全部にロックの魂はありますね。もしかしたら、教会で優しい歌を歌っているように聴こえるかもしれないけど、武器が次便の生声しかないわけだから、全てを削ぎ落したところで闘わなきゃいけない、自分を出さなきゃいけない。

DAISHI:丸腰の状態ですよね。

RYUICHI:この大変な時期にLUNA SEAでここまでできたから、それがソロに還元できて。ソロで新たなチャレンジができたから、LUNA SEAに自信を持って行けるという……その繰り返しです。だから僕は、8時間45分のマラソンライヴ(※ソロ20周年を記念した<RK 20th Anniversary グランドフィナーレ“無限の生命”~果てしなき旅、その先という名の道を目指して~>/2018年開催/全158曲連続披露)みたいなことをやるんですよ。できないことをやろうとしてるというか、できないという考え自体を取り払わないとダメなんだなって。やり始めたからにはやり続けるしかないですから。

──LUNA SEAのツアーの間を縫うように、ソロの河村隆一としてマイクを使わない教会ライヴ<Ryuichi Kawamura No Mic,Two Speaker Concert at Gloria Chapel>が7月22日(木・祝)および23日(金・祝)に開催されます。そこに向けて、今、どんなモードですか?

RYUICHI:声帯の使い方自体が違うし、体調によっても違ったものになるんだけど、マイクを使わないライヴは、DAISHIがさっき言ってくれた、身体を鳴らすということがすごく大事なんです。無理して歌うとあっという間に声が潰れちゃう。だけど、背中を鳴らしたりすることで、その空間に僕の声が充満するというか。すべてを埋め尽くすみたいなことができると、次にマイクを持ってステージに上がった時には「あれができたんだから、マイクを持ったら絶対負けない」という気持ちで、またステージに上がることができるんです。だから、リセットポイントっていうのかな。

DAISHI:国際フォーラム ホールAでRYUICHIさんが、マイクを外してアカペラで歌われた時、僕は結構後ろのほうの席で観てたんですけど、生声が届いて、ホンマ、ヤバかったですよ! アンコールの時だったと思うんですけど、最後はファンの人も前のほうへ押し寄せて、ライヴハウスみたいな盛り上がり。思っていたライヴと違うギャップもあって、すごく楽しかったですね。

──では、この機会にDAISHIさんからRYUICHIさんへ訊きたいことってありますか?

DAISHI:さっきRYUICHIさんが「センターから動かない」という話をされたじゃないですか。ヴォーカルって、動かずに歌うほうが絶対に難しいんですよ。ドシッとして歌えるようになるまでには、すごく経験と時間が必要なんです。何かしておかないと、向き合うのが怖い。ヴィジュアル系の若い子のライヴを観ると、たいていヴォーカルがずっと動き回ってますから(笑)。歌で勝負できないと分かってるから、動いたり煽ったりしちゃうんですよ。僕も未だになかなかできないですけど、RYUICHIさんの映像を観て、ドシッと歌える練習を何回したことか。

RYUICHI:ははは。

DAISHI:本当に歌の上手い大御所の演歌歌手のステージングって、ほとんど動かないですよね。ヴォーカルっていろいろやっているほうが間が持つというか。そのほうが恥ずかしくないし、マイクだけスッと上げて歌うのって、結構怖いんですよ。

RYUICHI:そういう考えもあるんだね。今、いいこと言ってもらえた。だって、“RYUICHI、ステージ上で全然動かないな”と思われている可能性もあるわけだから(笑)。さっきのワイヤレスの話じゃないけど、たまにファンの方から、「歌ってない時でいいので、上手と下手に1回ずつぐらい来てもらえたらうれしいです」みたいなことを言われましたもん。僕としても「だよね~」みたいな(笑)。

DAISHI:近くで観たいというファン心理はあるでしょうけど、近くに来ないからまた、ヴォーカルのカリスマ性が出てくるんですよ。

RYUICHI:それは以前、どこかのライヴハウスの人に言われたことがある。ライヴハウスって客席とステージの距離が近いから、手を伸ばせば顔とか髪に触れられるんだけど、「絶対に触られないのがカリスマ性だ」って。「お客さんに引っ張り込まれるようでは、それは本物のヴォーカリストじゃない」みたいな。“近いけど遠い”──そういうことなんだろうね。あぁ良かった。この後のツアーでは動かないようにしよう(笑)。

DAISHI:あはは! たまに動いてくれると、よりうれしいですけどね。LUNA SEAさんを観ていて、そういうところも勉強されているんだろうなと思います。

──Psycho le Cémuは8月14日(土)、姫路市文化センター大ホールでの20周年記念公演<Psycho le Cému 理想郷旅行Z ~二十年後の僕たちへ・・・~>を控えています。

RYUICHI:地元だよね。

DAISHI:はい。結成22周年で、やっと地元の一番大きいホールでライヴできることになりました。僕たちにとって一つの夢だったので、長い時間が掛かりましたけど、楽しみで。

──今年5月3日の結成記念日にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催予定だったライヴが、姫路に会場を移して8月に開催されるんですよね。5月の時もコロナの影響で直前までどうなるか分からない状況で、結果、緊急事態宣言発出を受ける形で開催見送りとなりましたが、気持ちの切り替えは難しくなかったですか?

DAISHI:延期になったことは良くないんですけど、メンバー的には地元姫路で出来る喜びがあるんです。元々は2020年5月3日に姫路で開催する予定だった20周年記念の最終章がコロナで延期になって、さらに今年5月3日に渋公で予定していた延期公演が再度延期になってしまった。この再延期公演は結成記念日ではないですけど、会場を姫路に戻すことができたので。

RYUICHI:最初は姫路の予定だったんだ? 渋公のチケットを買った人たちも振替で参加できるの?

DAISHI:はい。コロナの影響で、まだどうなるか分からない部分もあるんですが、“これはご縁かな”とも思ってるんです。というのも、姫路市文化センター大ホールが今年でなくなっちゃうので。

RYUICHI:え、そうなの? じゃあもう何があってもやるしかないね。

DAISHI:そうなんですよ、ギリギリ滑り込みなんです(笑)。僕たちは当時、姫路のバンドとして地元のライヴハウスに所属していたんですけど、そこから東京に進出したので、以降なかなか姫路でライヴする機会がなくて。“姫路でライヴをするなら一番大きなホールでやりたい。そうなれるまで頑張る”という気持ちが強かったんです。

RYUICHI:分かるよ。

──まだまだ先が見えないコロナ禍ではありますが、ライヴが無事に開催されることを祈りつつ、最後にお互いに期待することなどお聞かせください。

DAISHI:<VISUAL JAPAN SUMMIT>のメインステージで、僕らがトップバッターとして出演させていただいて、自分らの中ではLUNA SEAさんと一緒のステージに立つことができたと思っているんです。またいつか、何かの機会で同じステージ立てるよう頑張ります。

RYUICHI:ぜひぜひ。DAISHIはソロとかやったらいいよ。いろいろ楽しめば、プラスになることもいっぱい見えてくるだろうし。今は世の中が新型コロナに翻弄されて、なかなかやりたいこともできない状況でもあるから、まずは、姫路凱旋公演を成功させて。その先でまた一緒に何かできたら。そのときはぜひよろしくお願いします。

DAISHI:はい、ありがとうございます! よろしくお願いします!!

取材・文◎大前多恵

■<Psycho le Cému 理想郷旅行Z ~二十年後の僕たちへ…~> 振替公演

2021年8月14日(土) 姫路市文化センター大ホール
open17:15 / start18:00
▼チケット
S席 ¥19,800 / A席 ¥9,800
一般発売:8月8日〜
Web先行受付:7月20日〜

■<Ryuichi Kawamura No Mic,Two Speaker Concert at Gloria Chapel>

7月22日(木・祝) 東京・キリスト品川教会 グローリア・チャペル
7月23日(金・祝) 東京・キリスト品川教会 グローリア・チャペル
・1st:open13:30 / start14:00 / 終演15:15(予定)
・2nd:open17:30 / start18:00 / 終演19:15(予定)
(問)キョードー東京 0570-550-799
http://www.kyodotokyo.com
▼会場チケット ※SOLD OUT
全席指定¥11,000 (税込)
一般発売日: 2021年7月11日(日)
※ご来場者全員にオリジナル教会ソング(1曲)プレゼント
※未就学児童のご入場はできません
※教会へのお問い合わせはご遠慮ください

▼配信チケット
ライブ配信:7月23日(金・祝)18:00~19:30
見逃し配信:ライブ配信終了後、 準備が整い次第~2021年8月10日(火)11:59
※配信開始時間は変更となる場合があります。
■ライブ配信視聴可能デバイス
・スマートフォン / タブレット(U-NEXTアプリ)
・パソコン(Google Chrome / Firefox / Microsoft Edge / Safari)
・テレビ(Android TV / Amazon FireTV / FireTV Stick / Chromecast / Chromecast with Google TV / U-NEXT TV / AirPlay)
※ライブ配信には1時間に最大約5.5GBの通信量を消費します。 当日はWi-Fi環境での視聴を推奨します。
https://www.video.unext.jp/lp/ryuichi_kawamura?rid=PR00590

▼河村隆一コメント
「今回の公演はマイクを使わずに歌う教会ライブです。 教会の箱自体がスピーカーになってくれるので、 大きな声を出して、 教会の箱をめいっぱい鳴らして、 皆さんに感動を与えられたら良いなと思っております。 配信ライブでも会場に響き渡る声を楽しんでいただきたいです。
もともと自分の声が響くとか大きいといった自覚は無かったのですが、 たくさんの人たちに色々なところで、 「隆ちゃんの声でかいよね」「響くよね」「通るよね」と言われて。 じゃあポップスやロック、 オペラなど、 マイクを使わないで歌ったらどうなるんだろうか?と思ったのがこのコンサートの始まりです。
人間の息吹というか人の声ってこんなに鳴るんだなって感じられるでしょうし、 皆さんの耳も能動的になって、 僕の声を取りに行くようなライブになると思います。 僕のチャレンジングなアートワークを感じる瞬間になると思うので、 ぜひ楽しんでいただきたいです」

■<LUNA SEA 30th Anniversary Tour 20202021 -CROSS THE UNIVERSE-> ※振替公演

▼福岡サンパレス ※延期
2020年3月21日(土)→振替日程:2021年6月12日(土) 開場17:00/開演18:00
2020年3月22日(日)→振替日程:2021年6月13日(日) 開場15:00/開演16:00
▼松山市民会館 大ホール ※延期
2020年4月11日(土)→振替日程:2021年6月26日(土) 開場17:00/開演18:00
2020年4月12日(日)→振替日程:2021年6月27日(日) 開場14:00/開演15:00
▼札幌文化芸術劇場 hitaru ※延期
2020年5月09日(土)→振替日程:2021年7月03日(土) 開場17:00/開演18:00
2020年5月10日(日)→振替日程:2021年7月04日(日) 開場15:00/開演16:00
▼名古屋国際会議場センチュリーホール ※再延期
2020年5月14日(木) →再延期・振替日程:2021年7月17日(土) 開場17:00/開演18:00
2020年5月15日(金) →再延期・振替日程:2021年7月18日(日) 開場15:00/開演16:00
▼南相馬市民文化会館ゆめはっと大ホール ※再延期
2020年3月14日(土)→再延期・振替日程:2021年7月31日(土) 開場17:00/開演18:00
2020年3月15日(日)→再延期・振替日程:2021年8月01日(日) 開場15:00/開演16:00
▼宇都宮市文化会館大ホール ※再延期
2020年2月27日(木)→再延期・振替日程:2021年9月01日(水) 開場17:30/開演18:30
2020年2月28日(金)→再延期・振替日程:2021年9月02日(木) 開場17:30/開演18:30
▼仙台サンプラザホール ※再延期
2020年4月25日(土)→再延期・振替日程:2021年10月02日(土) 開場17:00/開演18:00
2020年4月26日(日)→再延期・振替日程:2021年10月03日(日) 開場15:00/開演16:00
▼上野学園ホール(広島県立文化芸術ホール) ※再延期
2020年3月28日(土)→再延期・振替日程:2021年10月23日(土) 開場17:00/開演18:00
2020年3月29日(日)→再延期・振替日程:2021年10月24日(日) 開場15:00/開演16:00
▼大阪国際会議場メインホール ※再延期
2020年4月04日(土)→再延期・振替日程:2021年11月29日(月) 開場17:00/開演18:00
2020年4月05日(日)→再延期・振替日程:2021年11月30日(火) 開場17:00/開演18:00
▼本多の森ホール(旧石川厚生年金会館) ※再延期
2020年3月07日(土)→再延期・振替日程:2021年12月04日(土) 開場17:00/開演18:00
2020年3月08日(日)→再延期・振替日程:2021年12月05日(日) 開場15:00/開演16:00
▼神戸国際会館こくさいホール ※再延期
2020年5月02日(土)→再延期・振替日程:2021年12月20日(月) 開場17:00/開演18:00
2020年5月03日(日)→再延期・振替日程:2021年12月21日(火) 開場17:00/開演18:00
ツアー詳細: https://www.lunasea.jp/news/LUN_news_crosstour2021

関連リンク

◆Psycho le Cému オフィシャルサイト
◆Psycho le Cému オフィシャルTwitter
◆河村隆一 オフィシャルサイト
◆河村隆一 オフィシャルTwitter
◆LUNA SEA オフィシャルサイト
◆LUNA SEA オフィシャルTwitter

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