「重たい爆弾が突然落ちてきたみたい」ゲイ公表の男性、LGBTQ+のパレードを開催...当事者の“可視化”で「多様な性受け入れる街に」

「重たい爆弾が突然落ちてきたみたい」ゲイ公表の男性、LGBTQ+のパレードを開催...当事者の“可視化”で「多様な性受け入れる街に」

  • MRO北陸放送
  • 更新日:2022/09/23

LGBTQ+などの性的マイノリティへの理解を広めようと、当事者らが18日、金沢市内をパレードしました。無理解と理解、当事者としてその両方を人生の中で感じながら世の中に発信をし続ける、主催者の男性の思いとは。

【写真】ゲイ公表の男性 言えなかった“過去”と言えるようになった“今”

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18日、金沢市内で開かれた「金沢プライドパレード」。LGBTQ+への理解の輪を広げようと、当事者や支援者など480人がカラフルな衣装を身にまとい、金沢市中心部を練り歩きました。

参加者
「日本でプライドパレードに参加したのは初めてだけど、エネルギーにあふれみんなが幸せそうだった」
「北陸でこういうイベントが開かれてみんなが楽しんでいるというのがうれしかった」

パレードを企画したのはLGBTQ+の啓発活動などに取り組む「金沢レインボープライド」。共同代表の松中権(まつなか・ごん)さんは、自身がゲイであることをカミングアウトしています。

松中権さん(あいさつ)
「1回きりのイベントにならないように、これが継続して続いていくということが本当に大切なので、この2歩目をみなさんと一緒に歩めたことを本当にうれしく思っています」

松中さんは金沢市出身の46歳。「自分が周りの人と違う」と感じたのは小学生のころでした。

松中さん
「保育園のころから男の子と遊ぶことが好きだったりとか、(誰かと)お気に入りの男の子が話していたりすると独占欲に近いような感覚があった。明確に好きだと気づき始めたのは小学校に入って、クラスのみんなが好きな人探しが始まって…『あれ?』と。自分が好きなのは男の子かなと気づいた」

中学生になり、自分は男性が好きな男性=ゲイであると気づいた松中さん。しかし当時は、性的マイノリティに対する正しい理解が広がっておらず、差別や偏見が今よりも強かったといいます。

松中さん
「テレビの番組であるキャラクターが登場して…男性同性愛者を小ばかにしたキャラクターで、ホモセクシャルの『ホモ』と呼ばれていて。ホモっていうのを(当時の)辞書で調べたら、そこに『同性愛』、『同性愛者』、『異常性愛』、『性倒錯』と書いてあって…本当にショックという言葉じゃないくらいの、重たい爆弾が突然自分の身体に落ちてきたみたいな」

自分がゲイであることを隠したまま高校を卒業し、東京の一橋大学に進学。4年生の時、オーストラリアのメルボルンに留学した松中さんは、多様性を尊重する文化に触れ、初めてのカミングアウトを体験します。

松中さん
「"I am gay."(私はゲイです)という短い単語だけど、全然自分ののどから出てこなくて。でも勇気出して言うしかない、と思って言ったら、ぽんと返ってきたのが、"I see."だったんです。『あ、そう』みたいな。そのあとに"Any boyfriend?"=『ちなみに彼氏は?』って。人生の中で初めての体験で。「ちなみに彼女は?」っていうのはこれまでに何万回も聞いてきて、何万回もごまかしてきたんだけど…こんなに自分自身で自分のことを偽りなく語っていいんだということをそこで体験をして。初めて深呼吸を大きくできたような感覚というか」

大学を卒業後、大手広告会社の電通に入社。職場でもカミングアウトをし、会社勤めをしながらNPO法人を設立して、性的マイノリティの権利向上に取り組み始めます。そんな松中さんが、「2足のわらじ」を辞めたのは、母校の一橋大学で起きたある事件がきっかけでした。

松中さん
「同じ人生を送るかもしれなかった25歳の学生さんが命を落としているというのがものすごいショックで」

2015年、一橋大学のロースクールで同級生にゲイだと暴露された男子学生が、心身ともにダメージを受け、校舎の6階から転落死した事件。遺族が同級生と大学を相手取り損害賠償を求める裁判を起こしたことで、本人の了承を得ず、他人に性的指向や性自認を暴露する「アウティング」が大きく取り上げられました。

松中さん
「これ自分だったんじゃないかなって感じた。僕も法学部のゲイで。自分の周りの人がだれかひとり違っていれば、自分が校舎の6階にいたかもしれない。何か自分自身もっとできることがあるはずなのにやっていないんじゃないかなって思って」

事件の翌年、電通を退社しNPO活動に専念するようになった松中さん。2017年には金沢でも一般社団法人「金沢レインボープライド」を立ち上げ、去年、初めてパレードを開催しました。

松中さん「要は可視化なんですよね。当事者が身近にいるってことを体感できるようなイベントなので。人間って目に見えないものとかよくわからないものって怖いし、攻撃するし、馬鹿にするし。でも知れば意外とそれはすごく距離が近まるのではないかなって。カミングアウトはマストではなく選択肢だし、強制するものではないけど、カミングアウトをしてもいいかなとか、したいなと思ったときにしやすい街はみんなで作っていけるんじゃないか」

2回目となる今年のテーマは「シェア・ザ・プライド」。1人1人がプライド=誇りを持って生きるだけでなく、色々な人とシェア=共有できる社会を目指します。

東京からの参加者
「この地元にずっといて普段カミングアウトできない人だったらもっとこれで力づけられるんだろうなと思ったし、絶対に仲間が本当はすごく近くにいると思うので繋がれることを祈ってます」

富山からの参加者
「深くわからなくても、人それぞれその人らしさというものを尊重できればそれで充分なのかなと」

松中さん
「この町を変えていくんだという仲間を増やしていくためには、誰かに伝えていったりとか、誰かに伝えた時に巻き込まれていく、そういうムーブメントを作ることが大事。今回は歩いている方だけでなく沿道にいらっしゃる方も本当に楽しそうだったので、これは金沢が変わっていくというのを多くの人が感じたと思うし、何か次にアクションを起こしたいなという動機付けにもなったのではないかと思う」

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