W不倫からの再婚...「修羅場女」とアヤしい仲の夫が放った衝撃的な一言

W不倫からの再婚...「修羅場女」とアヤしい仲の夫が放った衝撃的な一言

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  • 更新日:2022/09/23
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結婚2年目。周りに羨ましがられるくらいの仲良し夫婦。ただ少し、最近不満を感じている。

主人公の真琴は、度々女性と2人きりで飲みに出かけるようになった夫の康介にモヤモヤとしていた。「飲みに行かないで」と伝えた真琴に対し、夫の回答とは…。

第1話:「W不倫」の経験がある女性と飲みに行く夫

登場人物

私:この物語の主人公

康介:「私」の夫

リコ:康介の職場の先輩

小野寺:康介の職場の後輩

理解ある妻になりたくて

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画像はイメージです。image by:Shutterstock

向かいの坂から中学生たちが楽しそうに歩いてくる。おろしたての制服は、少し大きくて初々しい。子どもを自転車の背に乗せた母親は、汗をかきながら楽しそうに歌っている。

2年前、「子どもが産まれたときに、育てやすそうだから」とここに引っ越してきた。家族連れが多いこの街で、いつか自分たちもするであろう子育てを想像する。我が子を連れて買い物に行くのだろうか、たくさんの友達とああやって笑いあいながら帰ってくるのだろうか。

30歳まで夫婦2人の時間を楽しもう。そんな約束をしたあの日から、もう2年。30歳まで残り3年に迫っていた。

結婚を機にはじめたフリーのデザイナーの仕事は徐々に軌道に乗り始めている。子どもができるまでにある程度の基盤を築いて、安定を手に入れておきたい。そんな自分の願いもそろそろ叶えられそうだった。

それもすべて、夫である康介との関係が順調だったから。周囲に「本当に仲良しだよね」と羨ましがられるくらい、夫婦関係は最高にベストな状態だった。ただ、最近少し不満を感じている。

「ごめん、きょうも飲んでくるかも」

朝、康介に言われた言葉を思い出す。スーツ姿の彼を玄関で見送りながら「大丈夫だよ」と口にする。私の本心に康介は気づいていない。大丈夫という言葉をうのみにして、「ありがとう」と笑顔で答える。

康介が飲みに行くのは一向にかまわない。ひとりで仕事をしている私とは違って、会社での人付き合いもあるのだろうから。夫の会社の人間関係に妻が口出しするのは図々しすぎると思っていたから。

でも、そろそろ我慢の限界かもしれない。

「きょうも、リコさん?」
「うん。大丈夫、ちょっと飲んだら帰ってくるよ」
「わかった…本当、仲良しだよね」
「そんなんじゃないよ、会社の先輩と後輩ってだけ」

康介が飲みに行っているのは、職場の先輩である女性、リコさん。女性と2人きりで飲みに行くのに最初は抵抗があったが、浮気するんじゃないかという不安を康介には伝えられなかった。康介を信じているからこそ、不安を伝えて誤解されるのが嫌だった。

「あしたも仕事なんだから、ほどほどにね」
「うん、ありがとう。行ってきます」

康介の笑顔を思い出しながら、夕焼けに向かって歩いていく。ひとりきりで食べる夕飯の材料を小脇に抱え、誰にも気づかれないようにため息をついた。

夫を信じるのが妻の務め。そう自分に言い聞かせながら。

→next page>> 明らかになるリコの正体。妻が不安になった理由とは…

怪しい女性の正体とは…

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image by:Shutterstock

私の不安が大きくなったのは、それから1週間後のことだった。相変わらず康介とリコさんの飲み会は3日に1回のペースで開催されている。

いつものようにパソコンに向かって仕事をしていた午前中、康介から電話がかかってきた。会社で必要だったUSBを自宅に置いてきてしまったのだという。

「USB、あったよ」
「よかった…申し訳ないんだけど、持ってきてもらえるかな」
「わかった。いまから出るから…道が混んでなければ20分くらいで着くと思う」
「ありがとう、本当に助かるよ」

パソコンを閉じ、USBをバッグにしまって車のキーを手に持つ。普段ならめんどくさいなと感じることも、きょうはめんどくさくなかった。リコさんの顔を見てみたいという好奇心が勝っていたからだ。

「こんにちは、小林の妻ですが…夫の忘れ物を持ってきました」

康介の職場につき、受付に声をかける。「お待ちください」の声と同時に、後ろから若い男性の声がした。

「先輩の奥さん!ご無沙汰してます!」

清潔感のある短い黒髪。スラリと伸びた身長、焼けた肌、少し高いひょうきんな声。

「小野寺くん」
「先輩に用事ですか?」
「うん、忘れ物したんだって」
「俺渡しときましょうか?」
「ううん、大事なものみたいだから私が渡すよ」

小野寺くん、康介の後輩だ。明るい性格で誰とでも仲良くなれる陽気なタイプ。人懐っこい彼のことを、康介はかなり好いていた。

教育係として彼の面倒を見ていたようだったが、教育が終わった後も2人の関係は続いていたし、プライベートで出かけることも多かった。小野寺くんの彼女と一緒に4人でデイキャンプに出掛けたこともある。

「そうだ、小野寺くんに聞きたいことがあるんだけど」
「なんですか?」
「リコさんって、どんな人?」

受付から社内をキョロキョロ覗いてみても、誰がリコなのか私にはちっとも判断できなかった。

「あー…あの、茶髪でストレートヘアで、おでこ出してる女性わかります?いま黒縁の眼鏡かけてる…」
「えっと、角の席の人?」
「そうです、あの人がリコさん」

小野寺くんは小声でコソコソと私にリコの特徴を伝えてくる。

「リコさんがどうかしたんですか?」
「いや、最近夫の話によく出てくるからどんな人なのかなぁと思って」
「なるほど。リコさんは先輩のたしか…2つ上です。最近再婚したんじゃなかったかな」
「再婚?バツイチなの?」
「そうっす。離婚理由が、たしかリコさんの不倫で…あ、W不倫だったらしいっすよ」

ドクン、と心臓が跳ねた。

「俺はよく知らないんですけど、前の旦那さんが怒って会社に乗り込んできたとか。大変だったみたいですね」
「ええ…そうなんだ」
「仕事はできる人なんですけどね」

へへ、と笑う小野寺くんを見て私の不安が膨らんでいく。

「いまは、おちついてるのかな」
「何がですか?」
「その、男性関係っていうか…」
「…もしかして、先輩とリコさん、何かあったんですか」
「いや、うーん。仲良いみたいだから気になって」
「そうなんすね…これ言ったら余計不安になるだけだと思うんですけど、男性との距離はめっちゃ近いです。自然にそうなっちゃう人なんだと思います、だから勘違いしている男性社員は多いっすね」
「そう、なんだ」
「先輩に対してそんな様子だったことはないんで、大丈夫だとは思いますけど…」

小野寺くんが申し訳なさそうな顔で呟く。なんで君がそんな顔するのよと言いそうになったところで、康介がやってきた。そこで話はストップする。

モヤモヤとした不安を抱えたまま康介の顔を見た私は、なぜか咄嗟に思っていたことがそのまま口に出てしまった。

「ねえ、きょうリコさんと飲みに行かないよね?」
「えっ、なんで?」
「行かないでほしい」
「え?」

びっくりした康介の顔が、私の目に焼き付いた。「行かないよ、わかった」ってすぐに言ってよ、言えないの?

→next page>> 「行かないで」妻から告げられた言葉に夫の選択

「飲みに行かないで」と言われた夫は…

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その日、康介はリコと飲みに行かずに帰ってきた。さすがに会社の受付でそんな話をするわけにはいかないと気づき、私は「そういうことだから」とUSBだけ渡して帰ってきたのだ。

突然「飲みに行かないで」と言われた康介はとにかくびっくりしていたようだったが、お願い通りにその日は帰ってきた。

「ねぇ、リコさんと飲みに行かないでってどういうこと?」

帰ってくるなり、康介は私に話を振る。

「そのままの意味だよ」

夕食をテーブルに並べながら冷静に返事をした。

「なんで急に。いままでそんなこと言ってなかったじゃん、どうかしたの?」
「…リコさんって、W不倫経験があるんだよね?」
「誰に聞いたの?小野寺?」
「うん」

康介が小さくため息をついた。あの野郎、余計なことしやがって。そんな感情が伝わってくる気がした。

「過去の話だろ?いまのリコさんの話じゃない」
「でも、そういう経験がある人と自分の夫が2人きりで飲みに行っているって聞いて、安心できる妻はいないと思う」
「俺はそういう関係にならないよ、そう言っても信用できない?」
「リコさん、男性との距離が近いんでしょう?たとえそういう関係じゃなかったとしても、自分の夫にベッタリくっついてる知らない女性を想像するだけでこっちは不安になるよ」
「大丈夫だって、彼女はそんな人じゃない…。女性社員からもそういう理由で避けられてるんだ。男性に媚び売ってるって」

そりゃそうでしょうね、と言いたくなったのをグッとこらえる。

「だから俺しか相談に乗れないんだよ。いまは心を入れ替えて、真剣に働いている。真琴にはそれをわかってほしい」
「無理だよ…」
「どうして」
「妻がこんなにお願いしてるのに、どうして知らない女を優先するの?私が不安になることより、その女と飲みに行く方が大事なの?」

わかったよ、という康介の顔は不満に満ちあふれていた。結局康介は飲みに行くのをやめたが、納得いかなそうな表情に私の不安はさらに膨らんでいった。

それからさらに1カ月ほどたったころ。学生たちの制服が、半袖に代わった夏のはじまりに事件がおきた。

「酒くさい!飲みすぎだよ、もう…」

康介が久しぶりに会社の人と飲みに行った。リコさんはいないから、という言葉を信じて私も素直に送り出した。そもそも飲みに行くのは一向にかまわなくて、リコさんと2人きりなのが嫌なだけだったのだから。

その日、康介はめずらしく帰りが遅かった。終電ギリギリまでのみに行き、べろべろに酔っぱらって帰ってきたのだ。いつもは1次会で早々に帰ってきて、たまに2次会まで行ってほろ酔いで帰る程度の人なのに。

ソファーで酔いつぶれている康介を見て、ふぅとため息をつく。私の不安のせいで我慢させてしまっていたんだろうか。飲み会に行かないでというわけじゃなかったのに、誤解させていたのかもしれない。

反省しながらスーツを脱がすと、ポケットからスマホが転がり落ちてきた。

「危ない。画面われるかと思った…」

スマホを手に取ると、パッと画面が付いた。そこに表示されていたのは、リコからのメッセージ。

「帰れた?奥さんに怪しまれないように気をつけて~w」

ああ、リコと飲んでたんだ。そう気づいた瞬間、私のなかで彼への愛情が徐々に冷めていくのがわかった。

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※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。

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横山すじこ

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