SNSで集めた成城石井のおすすめ商品をつまみに隅田川でひとりパーティーしてわかったこと(パリッコ)

SNSで集めた成城石井のおすすめ商品をつまみに隅田川でひとりパーティーしてわかったこと(パリッコ)

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  • 更新日:2020/10/16
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『酒場っ子』、『天国酒場』、『晩酌わくわく!アイデアレシピ』などの著書を持つ、人気酒場ライター・パリッコさんが提案する「スーパーマーケット」の楽しみ方。

いつもスーパーの閉店間際の商品の割引率に一喜一憂している自分にとって、これまで縁がなかったと思っていた「未知」の高級スーパー・成城石井に初めて足を踏み入れる。SNSで集めた「おすすめ商品」メモを握りしめ、恐るおそる入った成城石井で初めて知ったこと。

わからないことは人に聞く!「未知」のスーパー・成城石井で買うべきものは?

恐れているスーパーがある。「成城石井」だ。

正直、同じ東京都内にあるとは知りながら、その詳しい位置すらぼんやりとしている「成城」という地名が入った店名の、自分とは縁のなさそうな感じ。そこに感じる、隠し切れぬ、いや、隠す気すらなさそうな高級感。それが証拠に、我が家から最寄りの成城石井は西武池袋線の「東久留米」という駅にある「成城石井 エミオ東久留米店」だが、本来なら「東久留米石井」と名乗るのが筋のところ、決してそうはしない。あくまで、「私は成城石井です。どんな街にあろうと決して流されない。染まらない。むしろ、私がいればどんな街でも成城になってしまう。それが私です」というスタンスを崩さない。普段、スーパーの閉店間際の商品の割引率に一喜一憂しているような自分にとっては、それが恐ろしい。実際、よそとは一線を画す、ちょっと高級志向の商品を多く扱っているスーパーだと伝え聞いている。僕のなかの「スーパーマーケット」のイメージと、その存在感が結びつかないのだ。

しかしだからこそ、興味もある。いずれは足を踏み入れてみなければと思っていた。スーパーにまつわる森羅万象のすべてを分け隔てなく受け止め、観察し、楽しむべくして始めたこの連載をきっかけに訪れるのが、流れとしてもベストなのではないか? 締め切りも迫ってることだし。うん。

が、予備知識は必要だ。僕は友達に連れられ、人生でたった一度だけしか「ラーメン二郎」に入ったことがない。何やら呪文のようなメニューを唱えなければ、待てど暮らせどラーメンが出てこないイメージのあるラーメン二郎に、今からひとりで行って来いと言われても、無理だ。

では、どうする? 人に聞くのが手っ取り早いことは間違いないだろう。そこで僕は、自分のSNSアカウントを通じて「成城石井でおすすめの商品があれば教えて欲しい」由の発信をした。するとまぁ、「一家言」というものにはどうも黙っていられない魔力のようなものがあるようで、おすすめの品が集まる集まる! ありがたくメモさせてもらい、僕は未知のスーパーへと向かったのだった。

「成城石井 日本橋浜町店」

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主人を待つワンちゃんが、自分よりいい服を着ていた

ちょうど「成城石井 日本橋浜町店」の近くで仕事が終わり、次の予定までたっぷりと時間のあるタイミングがあった。となれば、お気に入りのチェアリングスポットのひとつ、浜町公園に隣接する「隅田川テラス」でひとり成城石井パーティーチャンスだ。スマホのメモには、親切な人々の叡智が詰め込んである。このお守りさえあれば入店も怖くない! ありがとうインターネット!

SNSで集めた成城石井の美味しいものメモ

ちなみに、SNSで集めたメモの内容はこんな感じ。

「デコポンチューハイ / 乾き物のやみつき炙り鱈 / 落花生つくね / キクスイドーのポテトチップス / 飲むギリシャヨーグルト / ストロングバー / サンデマンのルビーポート / ガヴォットのガレット / 手巻き納豆 / アーティザングレイトブリテンのチーズクラッカー / ティラミスチョコ / LOSTEという一口サラミ / ルイボスミントティー / ドンペリのシャンパン・スパークリングワインくじ / でかいカンパリ / ベーコン / 3個でパック売りされてるプリン / グリーンカレー / オリーブときのこのマリネ / 生クリームメロンパン / 手まりみかん / 海老の生春巻きパクチー添え / オールフルーツスタイルのマーマレード / 蓬莱本館 豚まん / プレミアムハイボール / スコーン / トマトと鶏のしゅうまい / 生姜10倍ジンジャーエール / 東あられ本舗のおかきシリーズ パクチーおかき / ホタテ&チーズ / バニラアイスクリーム / チーズコレクションアソート / 焼売 / 和そばサラダひじき / 無選別ガーリックラスク / 納豆 中粒タイプ / カクテルシュリンプ / ガーリックライス単品 / 安穏芋の焼き芋 / アーモンド小魚 / 琉球レモンサワー / いちごバター / 4種のプレミアムチーズケーキアソート / クワトロフォルマッジのチーズケーキ / オリーブ&セミドライチェリートマトマリネ / 讃岐小豆島うす家の冷凍うどん / うずら卵燻製の塩味 / モーモーチャーチャー / ルンダン(レトルトカレー) / 雪割納豆 / オリジナル缶チューハイ / アイスランド産ヨーグルトのイーセイ・スキル / チャプチェ / フエなんとかっていう白サラミ / オリジナルアイス / キムチ / チャーシュー / 鹿児島黒豚チャーシュー / キンパ / マフィン / 豆の入ったサラダ / ティンカーベルのたまごパン / マーボードーフ / 1日分の緑黄色野菜が採れるサラダ / はちみつ&レモンスカッ酒 / ラクサ / ホットビスケット / トロピカルアイスティー / AHMADの紅茶(ペットボトル) / チーズケーキ / 淡路島産玉ねぎのスープ / 塩昆布 / カズチー / ピクルス / 豆のお惣菜 / ベンガリーマトンカレー」

すでに100回ほど復唱し、内容は完全に暗記している。どの商品も、店頭にあれば見つけることは容易だろう。とはいえ、これらすべてを購入すれば破産は目に見えているので、今日の気分で何品かをピックアップすることにしよう。

30分後、無事買い物を終え、隅田川テラスへとやって来た。まずは買ってきたものをベンチにずらりと並べてみる。

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普段見慣れないものばかり

上段左から、「ルイボスミントティー」(128円)「生姜10倍 EXTRA SPICY GINGER ALE」(250円)「手巻納豆」(1590円)「塩だれたまご」(690円)「職人の一品 手造りチャーシュー」(399円)。

下段左から、「BREWDOG PUNK IPA」(399円)「Originarl かぼすサワー」(249円)「1日分の緑黄色野菜が摂れるサラダ10%増量」(298円)「トマトとモッツァレラチーズの鶏焼売」(499円)。

以上に紙袋代15円+税が乗り、合計金額は4889円(価格は訪問時のもの)。普段よく利用しているスーパーである「ライフ」でこのくらいの量のものを買う場合、肌感で「3000円いったかな?」って感じなので、やはりだいぶ高級といえる。というか、「あった〜!」って感じであまり値段を確認せずに買った手巻納豆がすごい高くて、今改めてびっくりしている。逆に、普通にお手頃な商品もちらほらとあるな。

オリジナル「おつまみ成城石井弁当」完成

いよいよひとり成城石井パーティーの準備に取り掛かろう。が、その前に、ひとまず一杯やらせてください。

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「BREWDOG PUNK IPA」

このビール、実は唯一メモに入っていなかったものなんだけど、僕も記事を書かせてもらっている「デイリーポータルZ」というサイトで、ウェブマスターの林さんが「BREWDOG」というメーカーのビールはどれもうまいと言っていて気になっていたのだ。

隅田川の流れを間近に感じながら、遠く東京スカイツリーを眺めつつ、プシュッと開けてごくりと喉に流し込む。瞬時に広がる、パイナップルのような爽やかな香り。僕はホップをふんだんに使ったがゆえに苦味の強いIPAビールは苦手気味なんだけど、これはちょうどよい苦味がむしろいいアクセントになっている。うまいな〜、成城石井!

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おもむろにかばんからこいつを取り出す

今日のために秘密兵器を持ってきた。密閉性が高いことでおなじみの弁当箱「フードマン」だ。このフードマン、自分には容量が大きすぎ、かつ最近は弁当を持ち歩くような生活をしていないのであまり使っていないんだけど、花見やピクニックなどの際に大活躍してくれる。あれこれ買ったつまみを盛り合わせにするプレートとして優秀で、食べ切れなかった分はそのままフタをして持って帰れる。買ったパッケージのまま食べるよりも、見た目が華やかで楽しいのもまた良い。

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こういうことだ

というわけで、「おつまみ成城石井弁当」完成。ものすごくうまそうだ。つづいてドリンクの制作に取り掛かる。

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材料もぬかりなく用意した

ジンジャーエールとルイボスミントティーでオリジナルチューハイを作るため、コンビニでプラカップ入りのロックアイスと焼酎を買っておいた。こういうアイテムで成城石井を挟んでもいいのだろうか? と、謎の罪悪感がある。逆に、挟まれたふたつの成城石井には、がぜん親しみが感じられるようになった。

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まずはジンジャーエールから

カップに焼酎を注ぎ、噂の10倍ジンジャーエールで割ってみる。これがもう、商品名「ショウガのしぼり汁に甘みと炭酸足してみました」に変えたほうがいいんじゃないの? っていうショウガ感。酒なのに、飲めば飲むほどぐんぐん健康になっていくような気がして、いきなりびっくり。いや〜、いいものを教えてもらえたな。

「世界で唯一冷えた水よりも爽やかな飲み物」とは

あ、そういえば、今日はフードマンに加え、仕事用のノートPCもかばんに入っており、とてもチェアリング用の椅子まで持ってくる余裕はなかった。が、最近そんなときに重宝しているアイテムがある。

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本日のパーティー会場

100均で買った折りたたみ式の座布団だ。普段からかばんに放りこんでおいても気にならない重さながら、ベンチなどにこれを置いて座るだけで快適度が3倍アップする。街なかの何気ない段差にこの座布団を配置し、どう快適な椅子として利用できるかといった工夫も楽しい。

この行為を、チェアリングならぬ「ザブティング」と名づけたいところだけど、どう考えてもかっこ悪いのでそこは悩み中。

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完全に成城石井と「和解」した

「シールド乳酸菌」なるものが100億個入っているというサラダ。情報提供者によれば「なぜか異様に美味しい」とのことだったが、なるほど、なぜか異様に美味しい。特に発見だったのが、このサラダのカボチャを食べてからすぐに10倍ジンジャーハイを飲むと、両者のコク深さがなぜか異様に増幅され、感動的なうまさになる。まさにマリアージュ。謎多きサラダだな。

塩だれで味つけされたうずら玉子は、口にぽいと放り込んだ瞬間に感じるタレの味がすでにうますぎる。チャーシューもこれ、僕の知っている既製品のチャーシューとはステージが違う。まさに手作りの味だ。トマトとチーズのシュウマイもうまいな。シュウマイっていうかもはやイタリアンかフレンチの一品料理だよこれは。あ〜、楽しい。

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これぞ「手巻き」って見た目だった手巻納豆

驚くほど高級品だった手巻納豆。「ミニ手巻き寿司」って感じの見た目がかわいい。食べてみると、初めはお菓子のカプリコみたいな食感なんだけど、だんだん本物の納豆っぽくなっていくのがおもしろく、プレーン、チーズ、梅、どの味も絶妙にいいつまみになる。差し入れなんかにも重宝しそうだな。

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つづいてルイボスミントティーハイ

情報提供者曰く「世界で唯一冷えた水よりも爽やかな飲み物」らしいルイボスミントティー。なるほど、世界で唯一冷えた水よりも爽やかな飲み物で間違いないわ、これは。最寄りのコンビニに置いて欲しい。焼酎を割ってももちろん最高。

それにしても印象的だったのは、どの商品も化学調味料的なとがったうま味や味の濃さで勝負せず、おだやかな味であること。ところがそれでも全然うまいし、むしろ体が喜んでいる気すらすること。普段の僕がいかに脂っこいものや味の濃いもので年甲斐もなく喜んでいるかを思い知らされた。

少々お高くてもこちらを選ぶ人々の気持ちが今ならわかる。僕も少しずつ、生活に成城石井を取り入れていけるよう、仕事、頑張らないとな……。

そんなことを考えていた次の瞬間、ルイボスミントティーハイの氷がからりと鳴った。僕はその音が成城石井からの「ようこそ」という挨拶に思えて仕方なかったんだ。

それにしてもスカイツリーがよく見えるなぁ。ということは向こうからもこっちがよく見えているんだろうか? だとしたら、僕よりはるか高い場所にいながら、さぞかし悔しがっていることに違いない。「ちくしょ〜、美味しそう〜!」って。

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君たちも行きなよ。成城石井へさ

パリッコのマイバスケット・イズ・スーパーマーケットは、毎月第3金曜日ごろ配信予定

パリッコ

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