
新型コロナウイルス感染症について厚労省は先月、各都道府県が確保できている病床の割合を公表しました。福岡県は全国で最も低い1.8%です。
新型コロナウイルス感染症について厚労省は先月、各都道府県が確保できている病床の割合を公表しました。福岡県は全国で最も低い1.8%です。
最初の緊急事態宣言から1年。第4波も懸念される中、病床の確保が喫緊の課題となっています。
安倍前首相(当時)
「医療提供体制をしっかり整えていく。そのための緊急事態宣言であります」
「医療提供体制を整える」としていた最初の緊急事態宣言からきょうで1年。
大阪府・吉村知事
「変異株の影響というのは間違いなく生じていると思っています」
大阪ではきょう新たな感染者が800人台後半と過去最多を更新する見通しです。病床の使用率も再び上昇していて、大阪府は医療非常事態を宣言しました。
「第4波」への懸念が持ち上がる中、病床の確保が喫緊の課題となっています。国は先月、各都道府県がすべての病床に対して確保できているコロナ病床の割合を発表しました。東京は全国で2番目に高く6.2%。大阪や愛知は3.0%。福岡県が全国で最も低く1.8%という結果でした。
街の人は…
70代
「増やしてもらいたいですね。かかった場合は入院しないと怖い」
50代
「緊急事態宣言が解除されてから大阪のように気の緩みが出てくると思うので、厳しい状況だと思うが増やしていただけると我々としてはありがたい」
福岡県が想定していた療養が必要な患者の合計は、ピーク時で1500人あまり。しかしこの冬は最大で3900人と推計の2.6倍に達しました。
確保した病床の使用率は8割を超え、最大で2800人以上が宿泊療養施設にも入れず自宅などでの待機を余儀なくされました。第4波に備えコロナ患者を受け入れる病床をさらに増やすことは可能なのでしょうか。
粕屋町の福岡青洲会病院。地域の基幹病院としてコロナ患者にも対応しながらも昨年度3000件を超える救急搬送を受け入れました。地域医療とのバランスを考えるとこれ以上、コロナ病床を増やすことは難しいと話します。
福岡青洲会・上田剛資院長
「(コロナ病床を増やすと)脳梗塞、心筋梗塞、外傷などこの地域で救急医療が必要な患者の受け入れができないので、感染症ばっかりに特化してベッドを増やしてくださいというのはちょっと厳しいところがあると思う」
国は先月、自治体に病床確保計画の見直しを求めました。この中では想定する1日の新規感染者は第3波のピーク時の2倍とされています。
福岡県では800人を超えることになります。福岡青洲会病院では救急対応できる病床は10床。現在はこのうち最大で7床をコロナ病床に割り当てていますが…
Q単純に2倍だと14床だが現実的に可能なのか?
福岡青洲会・上田剛資院長
「いや無理ですね。14床をうちの規模でやるのは人も足りないと思うし機材も足りないし医療資源も足りない。やはり無理なことは無理なんですね」
確保病床の割合が全国最低とされた福岡県。担当者は―
福岡県保健医療介護部・佐野正医監
「いくら病床確保したと言っても、いつでもその病床で入院患者を受け入れられるかというと必ずしもそうではない。局所的には厳しい病床使用率だった医療機関もあったが、全体では70~80%でなんとかおさまってきた」
県内ではきのう39日ぶりに感染者が50人を上回りました。第4波への備えは待ったなしの状況です。
福岡県保健医療介護部・佐野正医監
「やはり次の波はこれまで経験した波よりも大きくなることを想定して今よりも病床の確保が必要になると思います。どういった形が最もふさわしいか、コロナ対応に加えて一般医療の確保も同時に大事ですから、そういった点から協議していきたい」
県は今後、新たな病床の確保を進めた上で来月末までに確保計画を策定するとしています。