ZOZOの「家族時短制度」は“働くこと”と“家族を大切にすること”の両立を可能にした

ZOZOの「家族時短制度」は“働くこと”と“家族を大切にすること”の両立を可能にした

  • CHANTO
  • 更新日:2020/11/20
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共働き時代に合った私らしい生き方・働き方を模索するCHANTO総研。

ZOZOでは、動物でも同居人でも、自分が家族と思っている人のサポートのために使える「家族時短」によって、家族を大切にしながら働くライフスタイルが可能になりました。前回記事「自分が『家族』と思えば動物や同居人も対象に。多様性に即したZOZOの『家族時短』とは」に続き、復職後に制度の構築に携わり、自身も家族時短制度によって助けられたという篠田さんにお話を聞いていきます。

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PROFILE 篠田ますみさん

株式会社ZOZO 人自本部(※)フレンドシップマネージメント部 フレンドシップマネージメントブロックブロック長。2007年入社。カスタマーサポート部門を経て広報を担当。2014年に第1子を出産後、2015年の復帰時に現部署に異動し、家族時短制度の構築に携わる。現在は1時間の時短勤務をしながら、来春小学校に入学する第1子と2歳の双子を子育て中。

※ZOZOでは、人事部のことを、“人事(ひとごと)”ではなく、スタッフ一人ひとりが他人の事も自分の事として考えるという意味と、「仕事(仕えること)」ではなく「自事(自然な事)」であるという意味を込めて、「人自部」と書く。

家族時短の活用で生まれたゆとりと笑顔

——篠田さんは、ご自身が育休から復帰された時にはまだ、家族時短制度がなかったのですよね。

篠田さん:

はい。2015年に復職した後は既存の育児時短制度を使っていましたが、子どもが3歳の誕生日を迎えると時短を使えなくなるので、2017年5月からはフルタイムで働いていました。

——お子さんが3歳でのフルタイム勤務は大変そうです。実際のところはどうでしたか?

篠田さん:

自分が大変というよりも、帰宅が遅くなるので子どもに負担がかかってしまっていたかなと振り返って思いますね。

もともと保育園も自宅も会社から30分圏内ですから、恵まれていたとは思います。でも、18時に仕事を終えて保育園に迎えにいくと、やっぱり帰宅は19時前になるんですよね。

夏でなければ、18時ごろにはあたりは真っ暗です。暗くなると子どもは寂しい気持ちが募るのか、ますます保育士さんに甘えていたと聞いて、申し訳ない気持ちになったり。自分だけではなく、これから復職してくる人たちもみんな大変だろうなと思いましたね。

——ご自身の経験や今後のことも考えて、制度をつくろうと思い立たれたわけですね。2018年6月に制度ができたということですが、その後さっそく活用されたのでしょうか。

篠田さん:

はい。1時間の家族時短を使い、17時に仕事を終えられるようにしました。

——1時間早く帰れると、きっとだいぶ違いますよね。

篠田さん:

1時間は大きかったですね、本当に。お風呂ひとつとっても、フルタイムのときはザブンと入れて一瞬で終わっていたのが湯船で遊んであげられたり、寝る前に本を読んであげられたりとか。気持ちの余裕と時間的余裕ができ、子どもを寝かせる時間も少し早めることができました。

——それはお子さんも喜ばれたでしょうね!

篠田さん:

真っ暗になる前に帰れたり、クラスのお友達と一緒に帰れるのが嬉しかったようです。他のママたちも17時台のお迎えが多かったので。友達と盛り上がってしまって、逆になかなか帰れなかったりもするんですけど、それはそれでよかったなと。

「いざという時も会社を辞めなくて大丈夫」制度がもたらす安心感

——これからもしばらく家族時短を活用する予定ですか?

篠田さん:

そうですね。下の双子がまだ2歳なので、以前の時短制度でも適用範囲ではあるのですが、小学6年生まで使えるというのはやはり安心感が違いますね。先輩ママからも「小学校に上がった後も低学年は帰りが早いし、学童も保育園とは違うから」という話を聞くので。

制度を検討しているときに、ZOZOよりも先に時短勤務制度の対象を小学6年生まで延長した企業にも話を聞いたんです。その企業では、小6まで広げても実際に使っている人はほとんどいないということでしたが、実際に使うスタッフがいるどうかは別として、子どもがいるスタッフに安心感を持ってもらうことが大事だよねという結論に達しました。利用する側としても、成長に伴って何があるかわからないのですごく安心です。

——セーフティーネットのような意味合いもあるということですね。

篠田さん:

そうです。家族のことで困ったときにも「会社を辞めなくてもいい。好きな仕事を続けられながらも自分の生活も守っていける」と思ってもらえる制度になったと思います。

——篠田さん以外の制度の利用者からはどんな声が聞かれますか。

篠田さん:

子どもが3歳になってフルタイム勤務に戻ることへの不安の声はよく聞いていたので、「制度化してくれてありがとう」といろんな人から感謝されました。「フルタイム勤務ができないから、会社を離れるしかない…」という考えに至るスタッフが出てしまうことを危惧していたのですが、そういった申し出もなくなりホッとしています。会社としては「できるだけみんなのライフスタイルに寄り添いたい」という想いがあったので。

——制度を活用することに対する周りのスタッフの理解はどうでしょうか。

篠田さん:

導入する際に管理職向けの説明会を開いて説明しました。利用者は上長を通して申請することになっていますが、今のところ、否定的な声は聞いていません。理解してもらえていると思っています。

“スタッフがハッとする”ような視点での制度づくりが理想

——私も育休からの復職後に時短勤務を経験していますが、なかなかの後めたさがありました。

篠田さん:

産休育休で1年ぐらいお休みをもらったうえに、復職してからもフルタイムで働けないことに対する申し訳なさは私もありました。

でも、時短で働いていくなかで、自分の会社に対する貢献度は時間だけでは測れない、と思うようになってきたというか。勤務時間が他の人より短くて申し訳なく感じるなら、他の人ができない何かを提案するとか、その分のパフォーマンスを発揮すればいいと、考え方が変わっていきました。

それに、限られた時間で働くと効率は意識しますよね。出社したらすぐに仕事に取りかかれるように、例えば通勤の途中にメールチェックしておくとか、事前準備をしっかりするようになりました。

——限られた時間で最大限のパフォーマンスを発揮できるのが一番ですよね。この制度について、ご家族の反応はいかがでしたか。

篠田さん:

フルタイムに戻った時は、子どもが寝る時間も遅くなってしまい、夫とは「大変だよね」とよく話していたんです。なので、改めて時短が使えるようになった時は夫も「ありがたいね」ととても喜んでいました。

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新しい制度も考えていきたいと語る篠田さん。

——男性スタッフで家族時短を活用している方はいらっしゃいますか。

篠田さん:

今のところはまだまだ少ないですが、育休をとる男性スタッフも少しずつ増えてきているので、もしかしたら復職する際に、時短を希望する人もいるかもしれません。社内結婚も多いので、男性が時短をとるケースは今後増えてくるのではないかと思います。

——ご自身の経験から家族時短の制度を構築したように、会社の制度や働き方について、今後着手したいことはありますか?

篠田さん:

家族時短のように、弊社ならではの制度をこれからも考えていくことはもちろんですが、同時に社会全体で関心が高まっているようなテーマについても弊社らしい形でしっかりと取り組んでいけたらいいなと常々考えています。

他社にはない視点、スタッフもハッとするような視点の取り組みだと、「うちの会社はそういうところをみてくれるんだ」と士気が高まることにもつながると思うので、引き続き考えていきたいです。

細かく規定せず、遊びと柔軟性を持たせた「家族時短制度」だからこそ、いざという時のセーフティーネットとして機能するのではないかと感じました。新たに生み出される未来を見据えた制度に今後も期待したいです。

取材・文/平地紘子(mugichocolate株式会社)

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