
近大の卒業式にゲストスピーカーとして登壇した本田圭佑(撮影・大澤謙一郎)
元日本代表のプロサッカー選手、MF本田圭佑(36)が18日、東大阪市で開かれた近大の卒業式にシークレットゲストとして登場した。
登壇した本田は「いつもそうなんです」と歩きながら話すスタイルでまず「もう将来の夢が決まっている方、手を挙げて」と学生に質問。「夢があっても日々挫折する。思ったより物事は進まない」と前置きした上で「最初に伝えたいことは欲望を解放しろ、と。限界を決めるなということ」と切り出した。
大学生は道徳心があってリスクを承知しているとし「その賢さ、知識、常識が夢を持つことへの足かせになることがある」と強調。
「子供の頃はコレになりたいとかあったはずなんですよ。芸能人になりたい、アメリカにいってハリウッドスターになりたいとか。でも、徐々に欲望を抑えつけているように今の若い人を見ていると感じる。自分の心に自分がどうなりたいのかをしっかり聞いてほしい」と語りかけた。
本田自身が夢を叶えるために「一番大事にしていること」として「ものすごく簡単だけど意外とやらない。環境にこだわれということ」と明かした。サッカー選手として世界一になりたければ、サッカーのレベルが上がる環境に身を置けばいい。「その当たり前のことをやるだけ。成果を出せない人は環境にこだわってないから。いい環境、習慣を身につけたら、回りからスゴイですね、何やってるんですかと言われても『エッ、当たり前のことですよね』ということになる。ここまでいくといい線いっていると思う」と続けた。
最後も本田流だった。
「そうはいっても毎日生きてるといろんなことがあるじゃないですか。つらいこともある、悩む。追い込まれたときに自分に言い聞かせている言葉を贈らせていただきます」。深呼吸してから「いつかは死ぬ。生きたいように生きろ-。僕がどんなに追い込まれても楽観的にポジティブにきょうこの日までなんとか楽しく生きている、すごく大事な考え方だと思っています。どうせ死にます。人は。どうせ死ぬんで、やりたいようにやってください。悩んだときはこの言葉に戻ってもらえると、しょうもない悩みが吹き飛びます。僕も飛行機ばっかり乗ってるから揺れるたびにビビってます」などと話して締めくくった。