
記者会見を行うフィンランドのニーニスト大統領=首都ヘルシンキで2022年5月11日、ロイター
フィンランドのニーニスト大統領は14日、ロシアのプーチン大統領に電話し、北大西洋条約機構(NATO)への加盟を数日内に申請する方針を伝えた。大統領府が同日、発表した。
フィンランド大統領府の声明によると、プーチン氏との電話協議でニーニスト氏は、他国のNATO加盟を防ごうとする2021年のロシアの要求や、今年2月から始まったロシアのウクライナへの軍事侵攻によって「フィンランドの安全保障環境が根本から変わった」と、NATO加盟申請の理由を説明した。また、侵攻がウクライナにもたらした人的被害についても懸念を示した。
ニーニスト氏は「電話協議は直接的で率直なものであり、感情の悪化なく行われた。緊張を避けることが重要だと考えられた」とコメントした。
フィンランドは12日、ニーニスト氏とマリン首相の共同声明を通じ、NATO加盟を「速やかに申請」する方針を表明していた。フィンランドは西欧とロシアの間で伝統的に中立路線を維持してきたが、ロシアのウクライナ侵攻を受け、政策転換した。【畠山哲郎】
毎日新聞