社会人球界のエース、ドラフト1位右腕が東京ドームに登場。都市対抗野球 東海代表6チーム紹介

社会人球界のエース、ドラフト1位右腕が東京ドームに登場。都市対抗野球 東海代表6チーム紹介

  • J SPORTS
  • 更新日:2020/11/21

第91回都市対抗野球大会が、11月22日(日)に開幕する。今回は東海地区から出場する6チームを取り上げたい。東海2次予選は西濃運輸、王子、三菱重工名古屋など全国優勝経験のある名門が次々に敗れる波乱の展開だった。

東海第1代表は6年連続22回目の出場となるトヨタ自動車(豊田市)だ。2次予選の第1代表決定トーナメントは、準決勝ジェイプロジェクト戦を除くと危なさのない快勝で、すっきり4連勝で勝ち上がっている。

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右腕・栗林良吏が1回戦・東邦ガス戦、第1代表決定戦と大一番の先発を任された。1回戦は7回を零封し、決定戦も1失点で完投。非の打ち所がない内容で、エースの役割を果たした。

10月のプロ野球ドラフト会議では広島の1位指名も受けており、社会人球界のエースと言える存在でもある。177センチとそこまで大柄ではないが、社会人の2年間で身体が逞しくなり、制球やフォームも安定。150キロ超を記録する速球とフォーク、カットボールはいずれも一級品だ。

投手陣は星槎道都大学から加わった新人右腕・渕上佳輝、大卒3年目の大型右腕、嘉陽宗一郎などの人材もおり、さらに37歳の大ベテラン佐竹功年が控えている。王子から補強された近藤均も30歳のベテランで、2015年の都市対抗で2試合連続完封を記録した実力者だ。

打線は4番一塁手・沓掛祥和が昨年の社会人球界でベストナイン、最多本塁打、最多打点に輝いた右の強打者。東海2次予選も打率.474、2本塁打、8打点を記録している。前後を固めるサード樺澤健、ライト逢澤峻介も含めてかなり強力なクリーンアップだ。

ショートの和田佳大は中京大学から入社した新人で、大学時代には愛知学生野球連盟の連続試合安打記録も樹立したアベレージヒッターだ。167センチ・63キロの小兵で、2次予選は9番打者だったが、打率.429とラッキーボーイとなった。

東海第2代表は5年連続25回目の出場となるHonda鈴鹿(鈴鹿市)だ。今年は瀧中瞭太、柘植世那のバッテリーがプロ入りしたものの、底上げがそれを上回ったように見える。

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東海2次予選では至学館大学から入社して2年目の右スリークォーター井村勇介が、3試合に先発して23イニングで防御率1.57と好投。ジェイプロジェクトとの第2代表決定戦は、1失点完投勝利も挙げている。少し変則的なフォームから投げ込む速球は140キロ台前後だが、内野ゴロを誘う独特の「打ち難さ」がある。

大卒新人でもうひとり鮮烈な投球を見せたのが、天理大学から入社した八木玲於。177センチ・85キロの右上手投げで、速球は150キロ超がアベレージの本格派だ。彼も3試合を無失点に封じており、東京ドームでもクローザーとしての役割を果たすだろう。

他にもドラフト候補として名の挙がった高卒3年目の本格派右腕・松本竜也、2番手の先発を任された左腕・森田駿哉など、有力な投手が揃っている。

打線は國學院大出身の新人・貞光広登が3番・ショートで起用され、東海2次予選は3割台の打率を記録。松本桃太郎、畔上翔といった主力は、予選でやや精彩を欠いたが、人材自体は豊富だ。

また、西濃運輸からエース堀田晃ら3選手を補強しており、彼らも大きな戦力となるだろう。丸井健太郎監督を支えるコーチ陣には今久留主成幸氏、岡本克道氏、武藤孝司氏と元プロ3人が揃っており、こちらも強力だ。

東海第3代表は2年連続41回目の出場となるヤマハ(浜松市)だ。東海2次予選は初戦でHonda鈴鹿に3-4と敗れたものの、第3代表決定トーナメントに回り、そこから4連勝で出場権を得た。

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ヤマハのエースといえばやはりフェリペ・ナテル。ブラジル生まれで31歳のベテラン右腕は年を重ねるごとに粗さが取れ、無理の無いフォームに変わった。スライダーも、より小さく実戦的な球質となり、打たせて取る投球術も身につけつつある。第3代表決定戦の先発など、5試合中3試合の先発を彼が任された。

池谷蒼大は高卒3年目で、174センチ・77キロの左腕。派手さのあるタイプではないが、初戦でリリーフ登板すると、その後の2試合は先発で好投。3試合で防御率1.59と好内容を見せた。140キロ台前半の速球と、チェンジアップやスライダーなどの「速くて切れる」変化球を持ち、制球も優れている。岡崎市民球場での好投もあって横浜DeNAの5位指名を受けた。

予選で活躍した打者は3番、4番を任された前野幹博。PL学園から入社した25歳で185センチの大型外野手は5試合で打率.455、1本塁打、8打点と素晴らしい結果を出している。

東海第4代表は4年連続14回目の代表となる東邦ガス(名古屋市)だ。チームの主戦格が辻本宙夢、水田裕の両腕。辻本は171センチ・81キロの右腕で、大卒新人だった昨季からフル回転を見せている。速球は140キロ代後半も計測するが、「動くボール」で打たせて取る技巧派だ。初戦のトヨタ戦で打ち崩されたものの、その後の2試合は好投した。

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水田は35歳のベテランで、東海2次予選では3試合に登板して防御率1.93と好投。第4代表決定戦でも勝ち投手となっている。

打線は1番打者の大島啓太が7試合で打率.321、8打点と活躍。大島洋平(中日ドラゴンズ)を兄に持つ外野手だ。亜細亜大学から入社した新人・比嘉龍寿は初戦こそ先発を外れていたが、そこから台頭して打率.440、6打点を記録する予選のラッキーボーイとなった。

東海第5代表は8年ぶり2回目の出場となるジェイプロジェクト(名古屋市)だ。大企業系のチームのような自前の練習場を持たず、チームはコロナ禍の影響で6月末まで3ヵ月に渡って野球ができない状況に追い込まれた。そのような中で各自の努力に寄ってコンディションを保ち、9月に開幕した東海2次予選を勝ち上がっている。

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4勝はすべて逆転勝ちで、そのうちサヨナラ勝ちが3試合、延長戦で勝ち越す展開が1試合。また、第1代表トーナメントの準決勝、第2代表決定戦、第4代表決定戦で敗れたものの、第5代表決定戦で踏みとどまった不屈のチームだ。

エースの白崎塁は兄・勇気さんが元JR東日本の投手で、いとこに白崎浩之(元オリックス)、サッカー選手・荒野拓馬(コンサドーレ札幌)がいるアスリート一家の出身。予選7試合中5試合に登板し、第5代表決定戦でも完投勝利を挙げている。さらに予選では静岡商業高校から入社して2年目の右腕・古屋悠翔が台頭し、4試合に登板。防御率1.84と好投した。

打線は打率4割台を記録した田中鳳真、2本塁打を記録した林田竜郎らが今回の予選で目立った。代打で登場する吉冨大輝は135キロの巨漢で、ウェイティングサークルに入るだけでどよめきが起こる人気者だ。

加えて補強選手として三菱重工名古屋から右サイドの西納敦史、本格派左腕・入倉京一郎が加わったことも心強い。三菱重工名古屋は今シーズン限りで事実上の廃部が決まっており、今大会はしっかり最後の勇姿を見せたい。

東海第6代表は2年連続12回目の出場となる三菱自動車岡崎(岡崎市)だ。東海2次予選では出場権獲得まであと1勝と迫りつつ、そこから第3代表決定戦、第5代表決定戦を落とした。背水の陣で迎えた第6代表決定戦で西濃運輸を2-1と下し、東京ドーム行きを決めている。

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第6代表決定戦で1失点完投勝利を挙げたエースが仲井洋平。30歳のベテランで、184センチの右腕だ。慶應義塾大学時代は無名だったが、社会人で開花した遅咲き。少し変則的なフォームから、140キロ台の速球を投じ、チェンジアップとのコンビネーションで相手打線を抑える。

加えて今回の予選では大卒2年目の技巧派左腕・秋山翔が台頭。22イニングで防御率0.41の快投を見せている。

野手の目玉はドラフトで阪神の6位指名を受けているショート中野拓夢。172センチと小柄だが、予選7試合で2本塁打、5打点とクリーンアップの役割を果たした。守備については社会人随一の名手だろう。

文:大島和人

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