Twitch、BlizzCon配信でメタリカのライブ演奏を民謡風BGMに差し替え。米著作権法懸念か

Twitch、BlizzCon配信でメタリカのライブ演奏を民謡風BGMに差し替え。米著作権法懸念か

  • Engadget
  • 更新日:2021/02/21
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Jim Bennett/Getty Images

2月19日にゲームメーカーBlizzard Entertainmentがオンラインで開催、Twitchで配信していたイベント「BlizzCon」で、ゲストとして登場したヘヴィメタルバンド”メタリカ”のライブ演奏がほんわかしたフォーク/トラッド風のBGMに差し替えられる珍事が発生しました。

メタリカのジェイムズ・ヘットフィールドによる短いスピーチの後に始まったのは、メタリカの楽曲の中でも特に不穏な雰囲気を盛り上げていくイントロが秀逸な「For Whom the Bell Tolls」。しかしあろうことかそのイントロのまっ最中に配信では音声が陽気なトラッドミュージックに差し替えられてしまいました。おそらくいまごろは、Twitchの所業を知ったジェイムズはあたりに唾を吐きまくっていることでしょう。

I can take the risk so people see it, it's hilarious pic.twitter.com/pDLb2PDSmj
— Moy (@moyetes)
February 20, 2021
from Twitter

メタリカの映像にフォーク/トラッドミュージックはさすがに悪いジョークにしか思えませんが、なんとなく曲調が近いものを選んだようにも思えなくはありません。それでも汗を飛ばしながら苦悶の表情でゴリゴリとベースを弾くロバート・トゥルージロとの食い合わせの悪さは印象に残った人が多かったのではないでしょうか。

the current state of Twitch: the official Twitch Gaming channel cut off the live Metallica concert to play 8bit folk music to avoid DMCA pic.twitter.com/sCn56So8Ee
— Rod Breslau (@Slasher)
February 19, 2021
from Twitter

なお、YouTubeでは音声はそのまま配信されていたところをみると、どうやら差し替えはTwitchサイドで独自に行われた模様。Twitchは昨年、新型コロナウイルスのパンデミックでライブコンサートができなくなった音楽アーティストが仮想ライブイベントをTwitch上で開催する機会が急増しました。

しかしその結果として、2020年10月には配信の中の音楽の使用に関して米著作権団体RIAAやその他業界団体から猛烈な非難とDMCA(デジタルミレニアム著作権法)適用による削除要請を受けていたことから、メタリカの楽曲に関してもクレームが付くことを恐れて配信の音声を差し替えたと考えられます。

メタリカはかつてP2Pファイル共有ソフトNapsterによる音楽の違法コピーに対して著作権を掲げて対抗し、それがDMCA施行へのきっかけのひとつにもなりました。いまやメタリカもYouTubeで自身のライブ映像などを積極的に公開しているものの、かつての活動がいま、自身のライブパフォーマンスの音声を差し替えさせるきっかけになるとは思ってもみなかったはずです。

なお音声が差し替えられる前の映像は、記事執筆時点ではYouTubeを検索すれば観ることができます。「For Whom the Bell Tolls」はこれまで30年以上、ライブでの定番として演奏されてきた楽曲ではあるものの、すべてのバージョンを見逃すわけには行かないという熱狂的ファンの方々はそちらをご覧ください。

ちなみに、Twitchは音楽に関する使用料を踏み倒しているわけではなく、ASCAP、BMI、SESAC、GMRなどの演奏権団体に使用料を支払い、Twitchにおける作品やプロジェクトで音楽を使用するためにレーベルや出版社にライセンス料を支払っているとしています。またDMCA要求にも迅速に対応すると述べています。

Source:Metal Injection

Munenori Taniguchi

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