初対面で「推しいますか?」の質問を息苦しく感じる人たち 「類型化されるのが嫌」「新たな同調圧力では」

初対面で「推しいますか?」の質問を息苦しく感じる人たち 「類型化されるのが嫌」「新たな同調圧力では」

  • マネーポストWEB
  • 更新日:2023/11/21
No image

初対面での会話のきっかけに、「推し」が話題になるケースも珍しくないという(イメージ)

2020年代以降、急速に広まっている「推し」という言葉。自分が応援している対象を「推し」と呼び、そのファン活動を「推し活」という。「オタク活動」の略語である「オタ活」という言葉もあるが、最近ではよりライトな言葉として、一般的に「推し活」が使われる機会が増えている。

「推し」の話題を会話のきっかけにする人も珍しくないだろう。しかし、そんな風潮に違和感を覚えている人もいる。それが「推しがいない」人たちだ──。

美容室や合コンで「推し」を訊かれて困惑

都内の大手企業でシステムエンジニア(SE)をしている男性・Aさん(33歳)は、ことあるごとに「推し」を尋ねられることに不快感を覚えるという。

「僕はもともと趣味がない人間で、日々の楽しみも、強いていえばYouTubeで動画を見ることくらいです。美容室や合コンなど、初対面の人との会話のきっかけで『趣味は何ですか?』と訊かれるは昔からあると思いますが、『特にないですね~』で会話が終わってしまうんですよ。

でもここ最近は、趣味じゃなくて『推しいますか?』と訊かれることが増えました。そうすると、僕のような人間はますます困ってしまうんです」(Aさん)

趣味を尋ねられることよりも、なぜ「推し」について訊かれる方が困惑するのだろうか。

「趣味ならまだ適当に『ゴロゴロすること、動画を観ること』とか言えますが『推し』って困ります。とくに合コンとかになると、誰を答えるかが結構クリティカルじゃないですか? たとえば、好きな女優さんやアイドルの名前を挙げたら、『そういうのがタイプなんだ』と勝手に類型化されそうで……。実際、僕には積極的に推している芸能人なんていませんから、中途半端なことになって会話が進まないんです」(Aさん)

大学に入学してすぐに「推し」で出来上がるグループ

「推し」の話題で大学の友人グループが早々にできあがってしまう現状もあるという。都内の私立大学に通う男子学生のBさん(19歳)とCさん(19歳)は、このように話す。

「入学する前から、すでにX(旧ツイッター)で友人を作って、入学式の時点でグループになっている子たちがいました。その子たちはK-POPが好きとか、ジャニーズが好きとか、そういう『推し』の共通の話題で盛り上がっていたようです。

自分はとくに推している対象がないので、そのようなグループに初めから入れない空気があって、結局“余り物”みたいにポツンとしていたメンバーと一緒に行動するようになり、今に至ります」(Bさん)

Cさんは、入学後もグループワークや演習科目などでたびたび「推し」について訊かれることに辟易しているという。

「大学でグループになったり、自己紹介をする機会があるたびに、すぐ『推し』がいるか訊かれます。正直、自分は趣味もないしオタクでもないので、こういう質問をされると答えに困って苦痛です。この間、適当に『邦ロックバンドが好きです』と答えたら、『具体的にどんなバンド? ライブとか行くの?』などと追及されて困りました。適当にYouTubeなどで流し聴きしているだけの、ライトなリスナーなので……。

最近は推し活ブームのせいで、誰もが推しがいるかのような会話が広がります。もし推しがいたとしても、仲がいいわけでもない人や初対面の人に教えたくないです。会話やコミュニケーションのきっかけと思って訊いてくる人もいると思いますが、『推しがいないとダメ』という新たな同調圧力になっている気がして、あまり好きではありません」(Cさん)

最近は初対面での会話のきっかけとして、まず「推し」を尋ねる風潮があるという。「推しがいない」人にとって、こうした形式的な会話は少々苦痛に感じられているようだ。

マネーポストWEB

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加