10万円の入場券、55万円のカラオケ大会......“金”が飛び交うスピリチュアルイベント「シンデレラ・プロジェクト」潜入レポ

10万円の入場券、55万円のカラオケ大会......“金”が飛び交うスピリチュアルイベント「シンデレラ・プロジェクト」潜入レポ

  • サイゾーウーマン
  • 更新日:2020/10/29
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弱った心に入り込む、甘い言葉やラクに稼げそうな情報――。ネット上には、無責任な理論で集客しては人を食い物にするようなスピリチュアリスト、霊能者、民間資格カウンセラーなどがあふれています。彼らを信じ込んでしまえば、価値観や金銭感覚をゆがめられるのはあっという間。友人や家族を失ってからでは、もう遅い! 「スピリチュアルウォッチャー」黒猫ドラネコが、現代社会にのさばる怪しい“教祖様”を眼光鋭く分析します。

怪しいスピリチュアル界隈でその名を轟かせる、“スピ界の文化祭”的イベントこと「シンデレラ・プロジェクト」。自称スピリチュアリスト・happyが主宰し、今年の開催で3回目となりました。そんな今回は、10月6~7日の2日間、幕張メッセのイベントホールで盛大に開催。前回もお知らせした通り、このイベントに潜入してきましたので、現場の様子をお伝えしたいと思います。

【前編】小林麻耶も参加の一大スピリチュアルイベント「シンデレラ・プロジェクト」、幕張メッセで開催の危険度とは? 教祖様の正体に迫る

新型コロナ対策はバッチリだったけど……

まずは、このご時世なので、新型コロナウイルスの感染対策は大丈夫だったのか気になりますよね。しかし、そこはさすがの幕張メッセ。多数のスタッフが会場前に配置され、イベント参加者にマスクの着用やソーシャルディスタンスを呼びかけるなどの対応をしていました。入場前には、千葉市が運用する「コロナ追跡サービス」への登録と、検温やアルコール消毒などが義務付けられており、新型コロナ対策は万全だったといえるでしょう。

会場内に入ると、座席は隣のお客さんと2席分離されていて、アリーナ席の簡易椅子もきちんと距離が置かれていました。私の席は2階中央付近で、3階は出演者席という構成。ここまでしっかり幕張メッセ側の準備がされていたからこそ、イベント自体のずさんさが浮き彫りになります。

特に、時間にルーズ。タイムスケジュールは常に遅れ、2日目は「リハーサルの都合」とかで30分以上も開演を待たされました。その結果、両日とも終了が1時間以上も押すことに。入場料がかかる大規模イベントで、こんな事態は個人的に初めてでした。ただ、ほかの観客は気にする様子もなく、文字通り“時間を忘れて”楽しんだ様子。アリーナ席で1枚2万5,000円~10万円という高額なチケット代を払っていたので、「楽しまなきゃ損」と思っていたのかもしれませんが……。

さて、happyいわく5,000人(見た感じは2,000~3,000人)が会場に集まり、オンラインでも多数の人が見守る中、1日目のイベントがスタート。オープニングでは、happyがダンサーを従えてオリジナル曲を熱唱しながら、さっそうと登場します。その後、彼女が「私たちは瞑想集団」と口にすると、会場は暗転。突然、会場全体で“瞑想タイム”が始まったので焦りましたが、そういえばhappyは、インスタライブでよく「オンライン瞑想」を行っているので、彼女のファンは慣れっこなのでしょう。なんの違和感もなく、厳かなBGMが流れる真っ暗な会場の中で目を閉じる集団……「さすが、スピリチュアルイベント」とうなりました。

続けてhappyは、今回のテーマ「今この瞬間に全てを集め、魂たちよ狂い咲け」を高らかに宣言。「ファン参加型イベント」「あなたが主役」とうたっていることもあり、ステージには15歳から60代後半までの“happyファン”が登場し、一生懸命にモデルを演じたり、踊ったりしていました。その姿は、まさに「狂い咲き」という表現がぴったりです。

参加者が思い思いの格好で登場するファッションショーでは、出演する方々の「さえなかった頃の写真」がスクリーンに映し出されたあと、その本人がきらびやかな衣装をまとって登場する演出が特に印象的でした。さらには、がん患者の方、闘病中の方、手術を控えた方、不登校の学生、自殺願望のある若者といった具合に、つらい境遇にある人も続々と登場。司会を務めるhappyが「こんなことがあったのよね?」と苦しんだエピソードを出演者から引き出した後、華麗に変身した姿でランウェイを歩く……。2日間で何度もこういった流れがありました。つまりこれは、「私はこんなに変われたんだよ」のお披露目会。その言葉に続くのは、「happyちゃんに出会って」なのでしょう。

もちろん、ステージに立つ方々の笑顔は素敵でした。ただ、どこかさめた見方をしてしまうのは、出演者は“自らお金を払ってそこに立っている”という事実です。6人限定で出演できる「富豪カラオケ」というカラオケ大会が行われたのですが、参加者の中には、55万円を支払って出場権を買ったという猛者もいて、ステージで気持ちよさそうに歌っていました。決して安くない対価を払い、出番が終わればみんな号泣、感無量……。「夢がかなった!」「happyちゃんありがとう!」といった言葉がステージ上を飛び交い、観客も目頭を押さえて嗚咽をこらえながら、温かい拍手を送る。さすがにこの光景には、違和感を覚えます。

なお、2日間ともイベントの終盤にはhappyに近しい関係者や、本人がプロデュースした商品などの宣伝、いわゆる「協賛ステージ」が組み込まれていました。2日目は、happyが初めてプロデュースしたという洋服ブランドのファッションショーが行われ、ここだけ“本物のモデル”が登場。ファンがランウェイを歩いていた時とは、どう見ても全然違うステージになっていました。会場後方には、試着ブースまで設けられていて、休憩時間は大混雑。happyが新たに立ち上げた化粧品ブランドの紹介ステージも、わざわざスライドを使ってその効果を解説するなど、まるでセミナーのよう。このイベントは「あなたが主役」では決してなく、主役は絶対的に「happy」であり、彼女の「商品宣伝の場」がメインだったというわけです。

そして、「シンデレラ・プロジェクト」最大の見どころが、2日目の終盤に登場した、子宮系女子の開祖である元・子宮委員長の八木さや。派手な白いドレスをまとい、自身をイメージしたオリジナルの民謡(?)を低い声で歌い上げました。happyもピンクのドレスに着替えて登場し、2人で歌いながら見つめ合って涙ぐむと、客席も涙、涙(なんで……?)。歌い終わると、2人は「やばかったね! ぶわーってなった!」などと、キャッキャと大はしゃぎしていました。

今年8月に離婚を発表した八木さやは、愛人とも死別、前々夫には縁を切られたとのこと。しかし、このイベントで前々夫が育てている自身の子どもと再会を果たしたのです。客席から元気に手を振る6歳の息子さんがスクリーンに映ると、会場は大盛り上がり。その流れで、「重大発表があるんです」とhappyが切りだし、八木さやは「壱岐島の男性と入籍に向けて準備を進めている」と公表。つまり、実子が見つめるステージ上で、再婚の話を堂々としたわけです。happyと八木さやは「『シンデレラ・プロジェクト』のたびに結婚と離婚を繰り返している」などと言って笑い、客席も大歓声。2日間を通して最も盛り上がった場面でしたが、私には理解しがたい世界としか言いようがありません。

happyと八木さやのトークでは、お互い「相当嫌われている」などと言いつつ、「風当たりが強くなるほど丈夫な窓ができる」(happy)「守ってくれる人たちも分厚くなってくれる。それを経験してほしい」(八木)などと、持論を展開。自身に批判が飛んでいることを自覚した上で、会場に来たファンに向けて「守ってほしい」と呼びかけているだけでは? と感じざるを得ません。そこはもう、立派な自己啓発セミナーでした。

潜入取材でわかった、「シンデレラ・プロジェクト」の目的

ちなみに、今回のイベントで一番カオスだったのは、2日目のフィナーレ。全出演者がステージに登場し、なぜか槇原敬之の「僕が一番欲しかったもの」(2004年)を大合唱。その後、激しい曲調の洋楽が流れ始めたかと思うと、数百人がぎゅうぎゅう詰めでランウェイに立って激しく踊ったり、抱擁をしたりと大忙しで、興奮したアリーナ席の客も手を伸ばし、自撮りをし、叫びながら踊り……。happyは「世界一元気な場所じゃないですか!」なんてご満悦でしたが、そこはただの「密」な場所でしかありません。幕張メッセ側の感染予防対策が、最後の最後ですべてムダに。悪いのは当然、この演出でゴーサインを出した主宰者・happyです。

このフィナーレで、happyは締めの言葉として、観客や裏方スタッフに感謝を述べつつ、「最後まで走り抜けた自分にありがとうを言いたい」とコメント。やはり、「シンデレラ・プロジェクト」はhappyが主役となった、「信者ビジネスの祭典」でしかありませんでした。この感想が、私から消えることは一生ないでしょう。

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