
"東京電力福島第一原発。敷地内に「処理水」を保管するタンクが並んでいる=2023年3月5日午後3時6分、嶋田達也撮影"
18、19日に実施した朝日新聞の世論調査で、政府が今夏までに始める方針を示している東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出について賛否を聞くと、「賛成」51%が「反対」41%を上回った。21年5月と22年2月に質問した際には賛否が拮抗(きっこう)していたが、今回初めて賛否に差がついた。男女別では、男性は「賛成」が60%で「反対」34%を上回ったが、女性は「反対」48%が「賛成」42%をやや上回った。
【グラフ】福島第一原発の処理水、海洋放出の方針に賛成?反対? 回答結果
また政府は2月末に、運転開始から60年を超えて原発を運転できるようにするための法案を閣議決定した。原発を60年を超えて運転できるようにすることについて聞くと、「賛成」45%、「反対」43%と拮抗した。高齢層で「反対」が多く、60代の52%、70歳以上の50%が「反対」と答えた。40代以下では「賛成」が多く、18~29歳の53%、30代の57%が「賛成」と答えた。男女別では男性が「賛成」54%と多めだった。(石本登志男)
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調査方法 コンピューターで無作為に電話番号を作成し、固定電話と携帯電話に調査員が電話をかけるRDD方式で、18、19の両日に全国の有権者を対象に調査した。固定は有権者がいると判明した981世帯から506人(回答率52%)、携帯は有権者につながった2178件のうち798人(同37%)、計1304人の有効回答を得た。