冨樫義博に藤本タツキ『ジャンプ』漫画の表紙に張られた作者の巧妙な伏線

冨樫義博に藤本タツキ『ジャンプ』漫画の表紙に張られた作者の巧妙な伏線

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  • 更新日:2022/06/23
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画像はジャンプコミックス『HUNTER×HUNTER』第30巻(集英社)

少年漫画の人気をけん引する『週刊少年ジャンプ』では、アニメ化され社会現象にまでなるほどの人気作品が数多く生まれてきた。

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7月25日発売号から最終章へ突入することが発表された『ONE PIECE』、作者である冨樫義博氏がツイッターアカウントを開設したことで連載再開が期待される『HUNTER×HUNTER』など、今後物語がどのような展開を迎えるか気になる作品ばかりだが、そんなジャンプ漫画ではコミックスの表紙で先の物語を暗示する伏線が張られていることも少なくはない。そこで今回は、作者の手腕や遊び心、かなり先の展開を見据えていた計画性が光る、表紙に隠された伏線の数々を紹介しよう。

※本稿では『HUNTER×HUNTER』『約束のネバーランド』『チェンソーマン』の一部内容を含んでおります。漫画およびアニメをご覧になっていない方、意図せぬネタバレが気になる方はご注意ください。

■立ち絵に込められた「内通者」の存在

まずは「連載再開時期は未定」とされながらも、連日のように執筆中と思われる画像がツイッターに投稿されている冨樫義博氏による『HUNTER×HUNTER』から。来るべき連載再開に向けて、刊行中のコミックスを読み返しているファンも多いと思われるが、コミックス第30巻の表紙が、言葉遊びとイラストをうまく使ったものだった。

30巻は「アリ編」がクライマックスを迎え「選挙編」がスタートとなる巻。表紙にはこの巻から登場したハンター協会の最高幹部「十二支ん」が描かれているが、この中に今後の展開で現れる“裏切り者”がすでに暗示されていたことが話題となった。

この巻の表紙はゴンの父親・ジンをはじめとする「十二支ん」12人が後ろを向いて立っているというものだったが、この中でジンと敵対するパリストンとサイユウの二人だけが手を後ろで組んで立っていた。つまり「裏で手を組んでいる」という意味合いが込められていたのだ。33巻のエピソードでクラピカの能力により「サイユウ」が内通者であることが暴かれるが、30巻の何気ない立ち絵からそのことに気がついた読者は誰もいなかったのではないだろうか。

冨樫氏による言葉遊びとイラストをうまく使った伏線回収。同作は現段階で3年以上にわたる休載が続いているが、刊行済みのコミックスを読み返し、何か他にも重大な秘密が隠されていないか目を凝らして探したくなってしまう。

■「出荷」される子どもが誰なのか示されていた『約ネバ』

似たような伏線回収は、原作・白井カイウ氏、作画・出水ぽすか氏の『約束のネバーランド』にもあった。

『約束のネバーランド』は孤児院で育った子どもたちが、自分たちが鬼の食料として育てられていたことに気づき、施設からの脱走を試み新たな世界を目指す物語だが、コミックスの表紙で「出荷」される子どもが誰なのかが暗示されていた。

これは、表紙に描かれたタイトルの「バ」の部分から3本の線が伸びており、その線がかかっているキャラはその巻で出荷されることを意味しているというもの。普段は右上に向かって線が伸びているが、1、4、7巻では左下に向かって線が伸びており、1巻ではコニーに、4巻では主要人物であるノーマンに線がかかっている。

そう考えると、この3本線はどこか食器のフォークを表しているようにも見えてくる。ちなみに、実際はこの三本線は上から順に「ノーマン・エマ・レイ」を表しているということを白井氏が公式回答しており、ノーマンが出荷された30話・31話が『ジャンプ』に掲載された際には「バ」から伸びる線も2本になっていた。

ちなみに1巻と最終巻である20巻の表紙を並べると、この三本線がぴったり繋がるようになっている。なんとも粋な演出だ。

■『チェンソーマン』第1話から張られた伏線も

最後はMAPPAによるテレビアニメ化が決定している藤本タツキ氏による『チェンソーマン』。『ジャンプ』での連載が開始した2019年1号の表紙ではチェンソーを持つ主人公のデンジと、その刃にヒロインのマキマが映る様子がスタイリッシュに描かれた。この表紙ではチェンソーの悪魔であり頭部をチェンソーに変えるデンジが本物のチェンソーを持っており、本編ではこれまで一度も本物のチェンソーで戦う描写はなかったことから、長年にわたって単にオシャレな演出かと思われていた。

しかし、まさかの最終決戦で、全く同じシチュエーションが登場しファンは心底驚くこととなる。デンジが本物のチェンソーでマキマの胸元を斬りつけるコマで、チェンソーにこのジャンプ表紙と同じく彼女の姿が映り込んでいたのだ。最終決戦の相手、そしてその倒し方の伏線が連載初回の時点からあったと考えると、改めて藤本氏の手腕に驚かされる。

このほかにも人気漫画のコミックスには、気づいた瞬間に鳥肌が立つような伏線が多く隠されている。そのエンタメ精神に圧倒させられるばかりだ。

■歴代ジャンプ漫画で「絵のうまさに感動した漫画家は?」1位から10位の結果

折田マカダミア

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