クレーマーと保護団体に告ぐ!最凶ヒグマ「OSO18」ハンターの怒りの告白「人間とクマの共存は100%不可能だ」

クレーマーと保護団体に告ぐ!最凶ヒグマ「OSO18」ハンターの怒りの告白「人間とクマの共存は100%不可能だ」

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2023/11/21
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1000頭駆除しても被害は急増中

全国各地で出没が相次ぐクマ。人が襲われる被害も起きており、自治体は駆除など対策に追われているが、駆除をめぐり、自治体には「クマを殺すな」などと苦情が寄せられている。

前編記事『「夜道を歩くときは気をつけろ」「お前も死ね」最凶ヒグマ「OSO18」駆除ハンターが受けた「ヤバすぎる誹謗中傷」』でも紹介したように、執拗な抗議は自治体だけではなく、命をかけてクマに対峙するハンター個人にも向けられ、彼らを苦しめている。

北海道東部の標茶町などで牛66頭を襲ったヒグマ「OSO18」を追い続けてきた北海道猟友会標茶支部の後藤勲支部長は憤る。

「『クマを殺すな』と主張する人は、クマによる被害に苦しむ自治体に暮らして自分の目で実態を見てほしい」

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2021年度に駆除や狩猟などで捕獲されたヒグマの個体数は1056頭。記録が残っている1962年度以降、1000頭を超えるのは初めてだった。

「これだけ捕獲しても被害が続いているのが現状です。現在生息する個体数については、1990年に『春グマ駆除』が廃止されてから30年で約2倍になったと推定されており、2020年の推定値では1万1700頭となっています」(北海道庁ヒグマ対策室の担当者)

現場を知る後藤支部長は「人間とクマの共存はありえない」と断言する。

「クマの駆除に反対する保護団体の人たちは共存・共生という言葉を口にしますが、その方たちのいう共存・共生には疑問があります。人間は、はるか昔から狩猟し、植物を食べて生きてきました。これが本来の共存・共生だと思います。

命をかけたボランティア

すべてを生かすということはありえないし、共存共生は100%ないと考えています。クマの駆除はやむをえない。年間1000頭以上もクマを捕獲してもこれだけの被害が出ています。もし駆除しなければ、クマは町に出てきて、そのうち人間がやられてしまう。

被害が出たとき、誰が補償してくれるんですか。『クマを殺すな』と訴える保護団体の人は補償してくれるんですか。

保護団体の人は『クマを駆除するな』と繰り返すだけで、『じゃ、どうやって共存するのか?』と問われても具体的な解決案を示せない。それでは解決しません。私の意見に反論があるのであればぜひ討論したい」(後藤支部長)

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誹謗中傷を続けるクレーマーや、クマの保護を訴える団体に対し、後藤支部長が強いメッセージを発するのは、今後への懸念があるからだ。クマの生息数が増え続ける一方で、猟友会の多くは高齢化と担い手不足に直面している。

「そもそもクマの駆除対応についてはボランティアのようなものであり、決して義務ではありません。お金の話はしたくないが、標茶町の場合、クマの駆除の出動費は4時間以内であれば6000円です。これでは命をかけてパートに行くようなものです。しかも、弾薬は高額であり、猟銃を所持するには3年に一度、精神鑑定を受けて診断書を提出する義務もあります。

第二のOSO18が出現

これらに加え、有害なクマを駆除したにもかかわらず、誹謗中傷されてしまうのであれば、ハンターはどんどん辞めていくでしょうし、新たな担い手も出てこないでしょう。誰も鉄砲を持たなくなりますよ。私自身、『やってられるか』という思いがあります」

OSO18による被害でパニック状態が続いた標茶町だが、現在は一転して静かだという。しかし、「第二のOSO18」が出現する可能性はある。

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ありし日のOSO18(写真:標茶町提供)

「OSO18がいなくなってから不思議なくらいクマが出ていません。目撃情報がわずかにあるだけです。ただし、油断はできません。もうすぐ牛の放牧が終わりますが、それはクマが家の近くに来る可能性があるということを意味します。

OSO18より強いクマはいくらでもいますし、OSO18のDNAを持ったクマが現れる可能性もあります。被害がひとつでも出たらまた大騒ぎになるでしょう。

そのとき、ハンターがいなかったらどうなるのか。誹謗中傷を許していたら誰も鉄砲なんて持ちませんよ。それでいいんですか、という話です」

クマ対策の最前線にいるハンターの声は、遠く離れた場所から誹謗中傷する人に届くだろうか。

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さらに関連記事『【独自】頭部に命中した3発でようやく…最凶ヒグマ「OSO18」が絶命した“最期の瞬間”と、駆逐したハンターの「意外な正体」』では、OSO18駆除ハンターが仕留めた際の緊迫の状況を詳報しています。

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