阿久津仁愛、馬に乗る姿が まるで王子様のよう。主演映画 『美男ペコパンと悪魔』で二役に挑戦

阿久津仁愛、馬に乗る姿が まるで王子様のよう。主演映画 『美男ペコパンと悪魔』で二役に挑戦

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  • 更新日:2023/05/26

ジュノンボーイを経て、2.5次元舞台を中心に活躍している阿久津仁愛。ドラマ『未来への10カウント』では木村拓哉と共演した彼が、出世作となったミュージカル『テニスの王子様』や2023年6月2日(金)公開の二役を演じる初主演映画『美男ペコパンと悪魔』の思い出について振り返ります。

●いきなり「テニミュ」座長という大役に抜擢

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幼稚園の頃、アイドルになりたいと思ったことも。衣装協力:ロングシャツ/room.13、インナーシャツ/NEEDLES、パンツ/NEPHOLOGIST その他スタイリスト私物

――姉一人、妹二人の四人きょうだいで育ったそうですが、幼い頃の夢を教えてください。

男性アイドル好きな母の影響もあり、家族みんなでコンサートを観に行ったり、家でも音楽に合わせて踊ったりしていました。だから、幼稚園ぐらいまでは「僕もアイドルになりたいなぁ」と思ったことがありました。ただ、人前に出ることがそこまで好きではなかったんです。

――そんな家族の勧めにより、2015年に「第27回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」に応募され、準グランプリを受賞されます。

「雑誌のモデルオーディションに応募しない?」と聞かれたので、「いいよ」というぐらいの気持ちでした。そうしたら、あれよあれよと準グランプリに選んでいただいて、今の事務所(キューブ)に所属することになりました。とても厳しい世界ではありますが、いろいろな仕事ができる道を作っていただいたこともあり、ここで頑張ってみようと思いました。

――16年、『ミュージカル・テニスの王子様3rdシーズン』にて、主人公・越前リョーマ役に抜擢されます。人気キャラの9代目になったわけですが心境はいかがでしたか?

それまでも、いろんなオーディションを受けていたのですが、なかなか合格できず、焦っていたときだったので、「来た! ここからだ!!」と思いました。ただ、本格的に歌やダンスを習っていたわけではないので、急に座長という立場でやらせてもらうことは、かなりの不安やプレッシャーがありました。そんななか、スタッフやキャストの方、ファンのみなさんに支えていただきながら、ステージに立っていくうちに、どんどん自信へと繋がっていきました。

●自分が成長できるサポーターズクラブでの活動

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「テニミュ」がきっかけで栃木から上京することに。

――その後、4年にわたり、リョーマ役を演じられました。

長く続けていたので、どんどん役が自分の中に入るようなイメージがありましたし、過去作品を観返して、いろいろと改善するために研究しました。そんな「テニミュ」は、自分にとって転機となった作品です。高校1年のとき、オーディションに受かったことで、それまで東京まで通っていたのですが栃木の実家を出て一人暮らしを始めるきっかけになった作品でもありますし。

――その一方で、キューブ若手俳優サポーターズクラブ「C.I.A.」のメンバーにもなります。

周りのみんなをライバル視しているとか、バチバチしているというよりは、本当に仲が良くて、みんなで切磋琢磨して、高め合っているような感じです。僕たちのYouTubeチャンネルもあるんですが、自分で企画を提案したりして、スポーツやバラエティのノリのような、普通に仕事をしていたら体験できないような面白い企画に、いろいろ挑戦できることも楽しいです。そういう意味では、自分が成長できる場所だと思っています。

――19年、古田新太さん主演のドラマ『俺のスカート、どこ行った?』に出演。「テニミュ」と同じ学園モノではありますが、舞台とは異なる映像の仕事はいかがでしたか?

ドラマの現場は舞台と違って稽古がないですし、(前のシーンとの)繋がりを注意しなければいけないため、役としての気持ちの作り方が難しいと思っていましたが、等身大の高校生の役なので、素直にお芝居したり、リアクションをしたりすることを心がけました。あとは、事務所の先輩である古田さんから何かを学びたい、という気持ちで現場にいました。そして、表情の作り方やお芝居のテンポなどを近くで学ばせてもらいました。

●アクションや乗馬などに挑戦した初主演映画

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役に入る前の準備は怠らずトレーニングに打ち込んだ。

――22年には、ドラマ『未来への10カウント』に出演。「俺スカ」と同じ学園ドラマですが、今度は木村拓哉さんがコーチを務めるボクシング部の部員でした。

本当に部活みたいな現場で、撮影前のトレーニングから全力でやりました。パンチを打つだけでも、身体が上下に動いてしまう自分のクセを消すのが難しかったのですが、ほかのキャストのみなさんが上達していくのを見ながら、「自分も負けていられないな」という気持ちで練習に臨んでいました。右胸がどんどん厚くなりましたね(笑)。今でも家でシャドー(ボクシング)をしたり、筋トレしたりしています。

――そして、ヴィクトル・ユーゴー原作のダーク・ファンタジーを映画化した『美男ペコパンと悪魔』に主演。劇中では、中世のヨーロッパで冒険の旅に出る主人公ペコパンと、現代日本で昏睡状態に陥る高校生・隼人の二役を演じています。

原作は知らなかったのですが、その世界観にとても驚きました。タイトルが可愛らしいうえに、原作にはない僕と(共演の)下尾みうちゃんがカップルの現代パートもあって、どんな作品になるのか、とても気になりました。

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中世のヨーロッパで旅をする二人。©2023映画「美男ペコパンと悪魔」製作委員会

アクションや乗馬など、今までなかなか触れられなかった新しいことにチャレンジでき、めちゃくちゃ勉強になりました。

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凛とした姿が美しい乗馬シーン。©2023映画「美男ペコパンと悪魔」製作委員会

ただ、乗馬に関しては、馬が優秀すぎて、むしろ僕が乗せてもらっている感じでした(笑)。現代パートは、どちらかというと等身大な感じで演じました。

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現代のシーンでは交通事故で意識不明になってしまう隼人役を演じた。©2023映画「美男ペコパンと悪魔」製作委員会

――異形の怪物(クリーチャー)を相手に戦うバトルシーンはいかがでしたか?

現代パートを先にまとめて撮って、その後に中世のパートを撮ったのですが、やはり見えない敵、特にカブトムシ人間の「タレブ」と戦うのは大変でした。しかも、猛暑のなか、毎日夕方から明け方にかけて撮ったのですが、なかなか過酷で、僕のリアルな表情が撮れているんじゃないかと。また、戦っているときの吐息などを後でアフレコ収録したことで、かなり臨場感があって迫力あるシーンになったと思います。青銅の巨人「ニムロデ」など、クオリティの高いCGクリーチャーも見てほしいです。

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カブトムシ人間のアイサブとタレブ。©2023映画「美男ペコパンと悪魔」製作委員会

●憧れはドラマ共演した木村拓哉

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さまざまなアクションに挑戦した本作。

――本作はどんな新しい阿久津さんが観られる作品になったと思いますか?

ワイヤーアクションでの身体の使い方や動き方も学ぶことができましたし、いろいろと頑張りました。あとは、ペコパンの衣装や髪形に助けられた部分はあると思いますが、今まで以上に男らしくてクールな表情をしているので、いつも応援してくださるファンの方が観たら、かなり新鮮に感じられるかなと思います。

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これまでになかった阿久津さんの表情が観られるという。

――今後の希望や展望を教えてください。

今までは2.5次元の舞台だったり、年齢的なものもあったりして、学生役が多かったので、今後は映像のお芝居で、もうちょっと大人な役柄も演じられるようになりたいです。例えば、自分の実年齢と同じぐらいの会社員や刑事とかを演じたいです。

――ちなみに、憧れの先輩を教えてください。

『未来への10カウント』で共演させていただいた木村拓哉さんは、とにかくスゴい方でした。僕はドラマの放送を見て、「この角度だったら、この表情の方が良かったかも?」といった反省をすることが多いんですが、木村さんはカメラに映っている自分の姿をすべて把握しているんです。今思い返しても、とても貴重な経験で、自分の出番がないときも楽屋のモニターで、ずっと木村さんのお芝居を見ながら「スゴい、スゴい」と言っていました。

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幼稚園の頃、アイドルになりたいと思ったことも。衣装協力:ロングシャツ/room.13、インナーシャツ/NEEDLES、パンツ/NEPHOLOGIST その他スタイリスト私物

阿久津仁愛(あくつ・にちか)

2000年12月23日生まれ。栃木県出身。2015年「第27回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」準グランプリ受賞。俳優デビュー後、16年から4年にわたり、ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンで主人公・越前リョーマ役を担当。『俺のスカート、どこ行った?』『マイルノビッチ』『未来への10カウント』『アトムの童』などの話題のドラマに出演するほか、21年には『ツナガレラジオ~僕らの雨降Days~』で映画初出演を果たした。

文=くれい響
写真=末永裕樹
ヘアメイク=伊藤里香
スタイリスト=東正晃

くれい 響

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