
アジア大会に向けた日本代表合宿で精力的に汗を流す川島
今春に福岡大大濠高を中退し、現在は米プロバスケットボールリーグNBAの若手養成機関グローバルアカデミーで腕を磨く18歳の期待のホープ、川島悠翔が来夏のパリ五輪出場へと意気込んだ。「自分も同じ舞台に立ち歴史をつくりたいと思う」と力を込めた。
23日に開幕する杭州アジア大会に臨むバスケットボールの男子日本代表に選出されており、18日は東京都内での公開練習で鋭い動きを披露した。過去に練習での参加はあったが「大会に出るのは初めて。せっかくいただいたチャンスなので、自分のものにしていきたい」と意欲を示す。
日本がパリ五輪出場権を獲得したワールドカップ(W杯)はアカデミーのあるオーストラリアから声援を送った。大逆転勝利を収めたフィンランド戦はインターネットの速報に見入り「スタッツだけでめっちゃ興奮しました」。オーストラリア戦は仲間とテレビ中継に釘付けとなったといい「完全にアウェーで応援してました」と笑った。
楽しんだと同時に、画面の向こうで世界の強豪と戦う、ともに22歳の河村勇輝(横浜BC)=福岡第一高出身=や富永啓生(米ネブラスカ大)らを見ながら、ふつふつと自らの心に燃えたぎるものがあった。「若い世代の方が活躍されている。自分もその舞台に立つ自覚が芽生えた。年齢は関係ないという気持ちでやりたい」と拳を握った。
アジア大会で結果を残せば、来夏のパリ五輪への道も開けてくる。同大会を率いるゲインズ・コーチは、ホーバス・ヘッドコーチとも常に連絡を取り合っているといい「アジア大会で結果を残した選手は、パリ五輪代表の選考過程に呼ばれる可能性がある。どの選手にも平等にチャンスがある」と言い切った。その上で川島の成長については「ゴールへのアタックが力強くなっているね」と高く評価もしている。
夢を追いかけて海を渡ることを決めた自身を、快く送り出してくれた母校の恩師や仲間に対する思いは何よりも強い。「アカデミーのことは大濠に入る前から知っていて、それを片峯先生に相談したところ『チャンスがあればいつでも行っていい』と言って下さった。本当に片峯先生のおかげですし、大濠のみんなには申し訳ない気持ちもあった。ただ自分の夢に向かって、しっかりやって、結果を出すことができれば少しでも恩返しになれるかなと思う。頑張っていきたい」。1年後の花の都で日の丸を背負うため、まずはアジアで誰よりも輝いてみせる。(山田孝人)
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