感謝祭とか復活祭って、結局なんなの?日本人が知らない海外の年中行事

感謝祭とか復活祭って、結局なんなの?日本人が知らない海外の年中行事

  • TRiP EDiTOR
  • 更新日:2023/02/02
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海外テレビドラマなどを見ていると「サンクス・ギビング・デー(感謝祭)」や「イースター(復活祭)」など、日本では見慣れない習慣があります。これらの祝いの日に熱狂する外国人たちの姿を見て、異文化を感じることが少なからずあるのではないでしょうか。

ほかにもアジアの国々で祝われる「春節(旧正月)」やヨーロッパの「夏至祭」など、聞いたことがあるけど、実際に何をやっているのかわからない海外文化がいくつかあります。

そこで今回は、名前は聞くけど実態があまりわからない海外の儀式や文化を詳しく調べたので、ご紹介していきましょう。

※本記事は新型コロナウイルス感染拡大時のお出かけを推奨するものではありません。新型コロナウイルスの海外渡航・入国情報および各施設の公式情報を必ずご確認ください。

サンクス・ギビング・デー(感謝祭)

時期:毎年11月の第4木曜日

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image by: Hoover Tung / Shutterstock.com

少し前に終わってしまいましたが『This is us』というテレビドラマがアメリカで大変な人気になりました。

双子の男女の赤ちゃんを産んだ白人夫婦が(本当は三つ子の予定だった)、わが子の出産日当日に病院で保護された黒人の捨て子を養子として引き取り、3人兄妹として育てていく物語です。

そのドラマでは、アメリカにおける「サンクス・ギビング・デー(Thanksgiving Day)」、いわゆる感謝祭の存在の大きさが繰り返し描かれています。この感謝祭とは、アメリカ人にとってなんなのでしょうか。

『日本大百科全書』(小学館)を調べると、アメリカ合衆国の祝日とまず書かれています。具体的には11月の第4木曜日。

どんないわれのある日なのかといえば、ヨーロッパ大陸から新大陸であるアメリカに渡ったキリスト教徒(清教徒)の一団「ピルグリム・ファーザーズ」が、新大陸の荒野を開拓し、初めて収穫を得た日に当たるのだとか。

「七面鳥の日(Turkey Day)」とも呼ばれるようにこの日は、七面鳥の丸焼きにし、カボチャのパイを家族で食べる日とされています。

<3日間続いた祭典にはインディアンも招かれ,七面鳥や鹿肉のご馳走が出された>(平凡社『世界大百科事典』より引用)

その理由は、このような理由からきているみたいですね。1776年(安永5年)に独立したアメリカの大統領がワシントンだったころの1789年(天明9年)に全国的祝日と定められました。

ブラックフライデー

時期:11月の第4金曜日

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image by: Nelson Antoine / Shutterstock.com

その感謝祭の翌日、11月の第4金曜日を「ブラックフライデー(Black Friday)」と呼びます。通販サイトAmazon(アマゾン)の利用者は、一大セールが行われるこの単語を見聞きした経験があるのではないでしょうか。

このブラックフライデー、そもそもなんで「ブラック」なのでしょうか?小学館『日本大百科事典』を見るとこのようにありました。

<「ブラック」という呼称は、小売業者が売り上げ増によってもうかる(黒字になる)こと、道路や店舗がこみ合って黒山の人だかりとなる>(『日本大百科事典』より引用)

大量に物を買わされる「暗黒の日」だから「ブラックフライデー」と呼ぶ説もあるみたいですが、いずれにせよそれだけ多くの人が一気に買い物を楽しむ日なのですね。

米ニューヨークタイムズの記事によれば「ブラックフライデー」は、1960年代にアメリカのフィラデルフィアで生まれた言葉だとされています。

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感謝祭は、11月の「第4木曜日」です。フィラデルフィアでは、陸軍士官学校と海軍兵学校が戦う伝統のアメフト対抗戦「Army-Navy Game」が年に一度、11月の「第4土曜日」に開かれます。

その間に来る11月の「第4金曜日」は、フィラデルフィアの街が観光客であふれ、大勢押し寄せる観光客を見込んで販売合戦を小売店も繰り広げます。

いわば街中が大変な騒ぎになるわけです。地元の警察官も何かと大忙しになるタフな1日なので「ブラックなフライデー」と呼び始めました。その呼び方が全国的に定着したともいわれています。

いずれにせよ、比較的新しい言葉ですが、その定着ぶりはかなりのレベルです。「ブラック」という言葉の響きに好感を持たない人たちが「ビッグフライデー」と呼ぼうと試みたみたいですが、失敗したほど言葉は浸透しています。

祝日の感謝祭、週末の土日を挟むブラックフライデー(金曜日)を休みにする職場も少なくないくらい、アメリカ人にとっては年末商戦の幕開けを告げる「ビッグ」な1日なのですね。

イースターは結局なんなんだ?

イースター(復活祭)

時期:春分の日を過ぎた最初の満月の次の日曜日

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日本では、すっかりイベント化したハロウィン。そのハロウィンに次いで、「イースター(Easter)」通称・復活祭を新たなイベントの柱にしようという動きがありますよね。

例えば、東京ディズニーランドもイースターに注目してイベントを仕掛けています。このイースターという行事は一体何なのでしょうか。

このイースターは復活祭といわれていますが、要するに何かの祭りなのですね。では、何の祭りなのでしょう。『ブリタニカ国際大百科事典』を調べると、

<イエス・キリストの復活を祝うキリスト教最古,最大の祝日>(『ブリタニカ国際大百科事典』より引用)

と書かれています。平たくいえば、キリスト教徒にとって特別な祭りであり祝日がイースターなのですね。

イエス・キリストが死んで(3日目に)復活したという話は、キリスト教徒でなくてもどこかで耳にした経験があるのではないでしょうか。

この復活のエピソードは、人間が死への恐怖を乗り越えるために、とても重要な意味を持つのだとか。この極めて重大な奇跡を祝福するための祭りが復活祭で「春分の日を過ぎた最初の満月の次の日曜日(イースター・サンデー)」に毎年開催されます。

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では、「春分の日を過ぎた最初の満月の次の日曜日」とはいつごろでしょう。春分の日は、毎年3月20日ごろなので、イースター・サンデーはだいたい3月末~4月末くらいにやってきます。

ただ、何をするのかといえば、なかなか一概にいえないようです。同じキリスト教でも宗派によって定義が違ったり、使用する暦の関係から日付も変わったりするみたいです。

アメリカ在住経験も長い友人の熱心なクリスチャンに「何をするの?」と聞くと、「国や地域、宗派によっていろいろ異なるため一概にいえないし、よく分からない」との返答がありました。

ただ、アメリカにおける共通のルーティーンとしては、イースター礼拝(復活祭の日に教会に行く)があり、洗礼式があり、イースターエッグペイントやエッグハント、イースターディナーがあるそうです。

イースターエッグペイントは、イースター(復活祭)で用いられる卵を絵具で塗る子どもたちの楽しみです。そのペイントした卵を、教会の敷地内や家の庭などに隠して探す遊びがエッグハントです。最近では、本物ではなく、プラスチック製の卵を使う場合もあるとの話。

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イースターディナーとは礼拝後に、それぞれの家でディナーを振る舞う食事を意味するそう。

ヨーロッパではまた、ちょっと違う習慣があります。例えば、ドイツでは、カラフルな卵で木を飾り付けしたり、フランスでは、巨大なオムレツをつくったりするそう。

多産の象徴であるウサギが復活祭のモチーフに登場する場合もある様子。国によっては違う動物が指名されていて例えば、オーストラリアでは、絶滅危機にある固有の有袋類ビルビーが登場するそうです。

日本に導入しようと一部で働き掛けが起きている部分は、このゲーム性の強い部分やモチーフの部分に限られているみたいですね。

春節って結局、何なの?

春節(旧正月)

時期:1月下旬~2月中旬

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次は、アジアに目を向けてみましょう。日本にも影響が大きい「春節」についてです。春節とは、旧暦における正月(旧正月)だとはなんとなく知っていると思います。

ただ、中国人(中華圏の人)はこの春節をどのように迎え、具体的に何をして過ごすのでしょうか。

春節になると中国人が一斉に、海外旅行に出かけるイメージはありますが、もっと伝統的な過ごし方といえば、どのような形なのでしょう。

百科事典や各種の関連書籍を読むと、歴史が深く国土も広い中国でも、千差万別の習慣があると分かります。ただ、年中行事の中で最も重大であり、世界が死から生へと転じる晴れやかな日である点は都市も農村も変わりがないそうです。

<伝統的に家族と過ごすものとされており,先祖供養や,赤い封筒に入れた祝儀(利是〈ライシー〉)のやりとりなどを行なう>(『ブリタニカ国際大百科事典』より引用)

<家々では赤い提灯や灯籠を飾り、縁起の良い言葉が書かれた赤い短冊のような紙を貼る>(講談社『世界の祭り・イベントガイド』より引用)

<新しい衣服を着て、親戚や友人宅に挨拶回りをする。町中では花火や爆竹が派手に鳴らされる>(講談社『世界の祭り・イベントガイド』より引用)

<都市部に働きに出ている人の多くは帰省する>(講談社『世界の祭り・イベントガイド』より引用)

日本の正月をにぎやかにした感じでしょうか。中国人の豊かさが高まるにつれてこのタイミングで、海外旅行を楽しむ人もどんどん増えてきているのですね。

夏至祭

時期:スウェーデンでは夏至に最も近い土曜日とその前日

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最後は、北欧や北米を中心に盛んに見られる年中行事の「夏至祭」です。感謝祭や復活祭、春節などと比べてちょっと知名度が落ちるかもしれませんが、「ミッドサマー」と聞くと分かる人もいるかもしれません。

そもそも、毎年6月にやってくる夏至とは、北半球において日中の時間が1年の中で最も長くなる日です。冬が長い地域においては特に重要な意味を持つ祭りで、前夜祭を含め大変な盛り上がりを見せます。

『世界の祭り・イベントガイド』(講談社)でも紹介されているように、スウェーデン各地に夏至祭があり、同じ北欧のフィンランドでもノルウェーでもデンマークでも、緯度の高いロシアなどの一部でも夏至祭は見られ、北米大陸でも夏至祭が見られます。

地域的な違いを超えて多くの土地に見られる共通のイベントはたき火です。どうしてたき火をするのかといえば、夏至以降に弱くなる太陽に力を与えるために火をたくみたいですね。

そのたき火を眺めながら、食事をしたり、歌を歌ったり、踊ったり、恋愛を占ったりと、さまざまな行事が催されます。

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日本の場合は、梅雨の時期と夏至が重なるので、北海道を除いてピンとこない祭りだと思います。しかし、冬に備えて太陽を慈しみたくなる気持ちは、日本の中でも冬の長い地域に暮らす人からすると、よく分かるのではないでしょうか。

ちなみに、日本にもいくつか夏至祭は存在します。「夫婦(めおと)岩」で有名な三重県伊勢市の「二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)」で行われる夏至祭が代表例です。

夫婦岩の間から昇る夏至の日の出と共に、海の清い水につかり、体を洗いそそぐ(罪や汚れを払い清める)のだそう。

このように私たち日本人からすると、聞いた覚えはあるけれどよく実態が分からない世界の年中行事がたくさんあります。他にも気になる行事があればこの際、ぜひチェックしてみてくださいね。

参考

How Easter is Celebrated in Countries Around the World – Wycliffe

How Black Friday got its name. – The New York Times

【ニュースで学ぶ英語】海軍士官学校、愛国心溢れるフットボールのユニホーム – HUFFPOST

イースターって何をする日?意味や由来、楽しみ方を紹介 – Domani

豪固有の有袋類「ビルビー」、100年ぶりに野生で繁殖 – BBC

中国の春節消費が活発 海外旅行者は30%増 – 人民日報社

フィンランドの夏至祭とは? – Visit Finland

北欧流、短い夏の楽しみ方。「夏至祭」の風習と音楽 – ONTOMO

世界の車窓から – テレビ朝日

夏至の風習は地域ごとに異なる!意味や決め方、日本と世界の風習をご紹介 – Domani

夏至祭禊・鎮魂参加について-二見興玉神社

レファレンス事例詳細 – レファレンス共同データベース

image by:BILLY GRAHAM RAM/Shutterstock.com

※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。

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坂本正敬

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