腸への薬膳的アプローチで便秘解消、美肌、免疫アップも。

腸への薬膳的アプローチで便秘解消、美肌、免疫アップも。

  • クロワッサン オンライン
  • 更新日:2021/10/14

中医学的にみれば「便秘の原因は一つじゃない」と話す池田陽子さん。
しかも、便秘などの腸トラブルは、免疫力や美肌を司る肺のトラブルに直結してしまうというのです。

撮影◦岩本慶三 文◦葛山あかね

便秘には5つのタイプがあります

「便秘解消においてヨーグルトやバナナが万人に有効と思っているかもしれませんが、それは間違い」

そう話すのは薬膳アテンダントの池田陽子さんです。

「バナナが効果的に働く人もいれば、反対に便秘を悪化させてしまう場合もあるんです」

薬膳的におすすめしたいのは自分がどのタイプなのかを知り、それに合わせた食材を利用すること。便秘を解消することは腸を整えるために必要であり、さらに腸の健康は免疫や美肌、風邪予防などにも重要だと言います。

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池田陽子さん

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「というのも、中医学において大腸は肺と密接な関係にあります(イラスト参照)。
肺は呼吸器を司り、体内の汚れた気(目には見えないエネルギー)を排出し、綺麗な気を取り込むという働きがあります。
気が全身に充実していないと疲労や免疫力ダウン、花粉症などの不調や病気を招くことに。さらに肺は皮膚機能にも関係。肺機能が低下すれば肌が乾燥したり、シワができたりと肌トラブルを招くことになりかねないのです」

肺機能の低下によるさまざまなトラブルを避けるためには「腸内環境を整えることが必須条件」と池田さん。

そのためにはまず自分の便秘がどのタイプなのかを把握することから始めましょう。

肺機能が低下するとこんなトラブルが

⃝ 疲れやすくなる
⃝ 免疫力が低下する
⃝ 季節の変わり目に風邪をひきやすくなる
⃝ 鼻・のどなど気管支に不調が生じる
⃝ 花粉症などのアレルギー症状が出る
⃝ 肌の潤いが失われ、乾燥、シワの原因に

あなたはどのタイプ?

当てまる項目がいちばん多いのがあなたのタイプです。
チェックしたらつぎのページで、腸を整える食材を選びましょう。

(1) 熱づまりタイプ

▢ 便が硬く乾燥している
▢ 体がほてる、のぼせやすい
▢ 顔や目が赤い
▢ 尿の量が少ない、尿が黄色い
▢ 冷たい飲み物が好き
▢ 肉や揚げ物が好き
▢ 食べ過ぎる傾向がある

(2) 冷えづまりタイプ

▢ 冷えるとお腹が痛くなる
▢ トイレが近い
▢ 冷え症
▢ 冬になると生理痛がひどくなる
▢ 尿が白い
▢ 冷たい飲み物が苦手
▢ 舌が白い

(3)気不足タイプ

▢ 排便後に汗が出る
▢ 排便後に脱力感がある
▢ 疲れやすい
▢ 風邪をひきやすい
▢ 排便後に脱力感がある
▢ 朝なかなか起きられない
▢ 胃が弱い

(4) 気巡り不良タイプ

▢ お腹が張る
▢ げっぷがよく出る
▢ 生理前に便秘がひどくなる
▢ 便意があるのに出ない
▢ ガスがたまりやすい
▢ 旅行など場所が変わると便秘になる
▢ 生理前に胸が張る

(5) 血不足タイプ

▢ めまい、立ちくらみが多い
▢ 顔色が悪い
▢ 生理後に便秘になりがち。
▢ 髪、肌につやがない
▢ 便が乾燥してコロコロしている
▢ 不眠がち
▢ 目が疲れやすい

それでは次に、タイプ別の解決法と摂りたい食材を紹介します。

(タイプ1)熱づまりタイプは体の熱で便が乾燥

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豆腐、パイナップル、ヨーグルト、バナナ

バナナやヨーグルトは万人には効かないとお話ししましたが、これらが便秘解消に効果的に働いてくれるのがこのタイプです。

「熱づまりとは、体が熱をもっている、あるいは体内に熱が籠もっているタイプのこと。体が火照っているせいで便が乾燥して硬くなり、結果として出づらくなってしまうんです」

揚げ物など油っぽい物や辛い物、肉類が大好きで、お酒もよく飲み、野菜はあまり食べない人がこのタイプになりやすい。

「一言でいうなら昭和のおじさんタイプです(笑)。こういう食生活をしている人は基本的に暑がり。顔や目が赤かったり、汗かきでもありますね」

つまり、熱づまりタイプが便秘を解消するために摂りたいものは、火照った体を冷やしてくれる食材です。

「一番のおすすめはバナナとヨーグルトです。これらには体の熱を冷ます働きだけでなく、通便効果もあるから一石二鳥!」

ほかにもパイナップルや豆腐も熱をとる作用があるといいます。

「ポイントはこうした食材を朝イチで食べること。起きてすぐに摂ることで便が出やすくなるはず」

ちなみに体に熱を持たせる食材は避けたいところです。生姜やニラ、牛肉、香辛料など。スパイスの効いたカレーも控えめに。

(タイプ2)腸の動きが悪い冷えづまりタイプ

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かぼちゃ、えび、ニラ、ねぎ

冷えづまりとは、典型的な冷え症タイプの便秘です。

「体が冷えているため、腸の動きが鈍くなったり、悪くなってしまうパターンです。そんな方が熱づまりに良いとされるバナナやヨーグルトを摂ってしまえば、体はさらに冷えてより詰まることになってしまう……考えただけでも恐ろしい!(笑)」

冷え症にもかかわらず、ダイエットのために生野菜のサラダを積極的に食べている、あるいはフルーツを使ったスムージーを毎朝飲んでいるとしたら要注意。大変なことになりかねません。

大事なのは体を温めること。食材としてもっともおすすめなのはかぼちゃです。

「末端の血流に作用してお腹から全身を温めてくれる食材であり、便秘を解消する通便効果も兼ね備えています」

また、ねぎやニラ、えびなどの食材のほか、シナモンやフェンネルといったスパイス類、黒糖も体を温め、腸の動きを良くしてくれる強い味方だといいます。

「もっと手軽に体を温めたい場合は、たとえば体を温める紅茶にシナモンパウダーをふり入れるもよし、黒糖で甘味をつけたものを楽しむといいでしょう」

できれば朝起きてからすぐと、夜寝る前に。体が冷えがちなタイミングで摂るのがおすすめです。

(タイプ3)気不足タイプはいきむ力が足りません

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りんご、じゃがいも、くるみ、きのこ類、栗

中医学では、健康な体は「気・血・水」の3つによって構成されていると考えられていますが、そのうちの「気」が足りないことによる便秘がこのタイプです。

「気とは簡単にいえば、元気の素になるエネルギーのこと。これが不足していれば元気が出なかったり、疲れやすかったり。排便においては、いきむ力が足りないことになります」

溜まっている老廃物を出すにも「気」は必要。その気が不足しているため、出したいものが出せないというもどかしい状態に陥っているのだと池田さんは言います。

「気は、寝不足やハードワーク、加齢によっても失われます。それを日々補うためには食べ物で摂るしかありません」

気を補い、いきみ力をアップさせるために摂りたい筆頭食材は、いも類です。

「なかでも効果的なのはじゃがいも。気をチャージしながら、快便をうながしてくれるはず」

また、きのこ類もおすすめ。気を補いながら、胃の消化機能や新陳代謝も高める優れものです。

「フルーツを食べるならりんごを。また、栗やくるみには気を養うとともに腸に潤いを与えて、すべりを良くする働きも。甘栗やつまみのナッツ類は、コンビニでも手軽に買うことができますから上手に活用してくださいね」

(タイプ4)ストレスが多い人は気巡り不良タイプに

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オレンジ、グレープフルーツ、ハーブ類、そば、大根

上で紹介したタイプ3の気不足タイプが、気が足りないことが問題なのに対し、気巡り不良タイプは、気は充分にあるにもかかわらず、滞ってうまく巡っていないために生じる便秘です。

「便意はあるんだけど出ない、出したいのに出せず、トイレにひきこもりがちになるのがこのタイプ。その原因はストレスにあります」

気が巡らない人の特徴は「張り」だと言います。たとえばガスが溜まってお腹が張る、生理前に胸が張る、張ることで痛みを伴う肩凝りもまた気がうまく巡っていないことで起こるとか。

このタイプは、気をスムーズに流してくれる食材を摂ること。

「おすすめは香りのある食材です。たとえばグレープフルーツやオレンジなどの柑橘系。爽やかな香りが気の滞りを和らげ、ストレスによって緊張した気持ちをリラックスさせるためにも有効。なかでもオレンジはお腹の張りやのどのつかえにも効果的に働きます」

また香り野菜であるパクチーやバジルなどのハーブ類も有効。

「私自身、仕事などでストレスが多いときには、気巡り不良予防として、こまめに香り野菜を摂るようにしています」

さらに大根やかぶも気をスムーズに流してくれる食材。さらには、そばもまた気の流れを改善するためにおすすめです。

(タイプ5)コロコロ便なら血不足タイプに

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黒きくらげ、ピーナツ、プルーン、ほうれん草、にんじん

気・血・水において「血」が足りないのがこのタイプ。

「中医学において血とは血液としての意味だけでなく、全身に流れて体の隅々に栄養や潤いを与えてくれる液体のこと。これが不足することで腸内の潤いが足りずに乾燥し、便秘になることに。コロコロとしたうさぎのフンのような便の人や、生理後に便秘がひどくなるという人は間違いなくこのタイプです」

とくに女性は毎月のように血を失うもの。便秘だけでなく、顔色が悪い、肌につやがない、髪の毛がパサつくといった悲しい不調も招くことになります。

そこで積極的に補いたいのは血の材料となる食材。

「おすすめは血増加パワーいっぱいのほうれん草やにんじん。とくにほうれん草は血を補い、腸に潤いを与えてくれるのでこのタイプの便秘解消にはうってつけ」

ピーナツには補血とともに通便効果あり。血をチャージするだけでなく、便をスムーズに出す働きがあるといいます。

またプルーンやレーズン、クコの実もお通じを良くするドライフルーツとして有効です。さらに黒きくらげは血を増やして巡らせてくれる効果大。アンチエイジング効果も高いのでぜひ。

ちなみに睡眠不足や目の酷使も血を激減させます。気をつけて。

バナナとヨーグルトが万人に良いわけではない

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5つのタイプすべてに共通して良い食材もあり。「アボカド」「はちみつ」「黒ごま」です。いずれも潤腸通便効果があります。自分に有効なタイプの食材と組み合わせても、3つを混ぜて味わうのもおすすめです。

また秋になると肺が乾燥しがち。肺が乾燥すれば腸にも悪影響が。そんなときは白い食べ物を。体が潤い、秋特有の便秘解消にも一役買ってくれるはず。

すべての人が摂ると良い食材

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アボカド、はちみつ、黒ごま

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すべてをまぜて食べるのもよし

乾燥する季節に体を潤す食材(白い食べ物)

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長芋、白ごま、かきorホタテ、豆乳

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池田陽子さん(いけだ・ようこ)
薬膳アテンダント

国際中医薬膳師資格を取得。日常生活のなかで手軽に取り入れられる〝ゆる薬膳〟を提案。『ゆる薬膳。365日』など著書多数。鯖を愛する〝サバジェンヌ〟としても活躍中です。

※プロフィールは取材時のものです。

『Dr.クロワッサン 免疫力アップの決め手、腸内環境を強くする』(2020年7月30日発行)より。

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