未来の中心選手がこの中に...ホークス今季の育成選手たちがすごい!

未来の中心選手がこの中に...ホークス今季の育成選手たちがすごい!

  • 文春オンライン
  • 更新日:2022/08/06

大混戦模様のパ・リーグ。ペナント終盤に差し掛かっていくほど面白味を増していくだろう。だが一方で、檜舞台の一軍と別世界のファームの場合は、シーズンが進むほど全く逆の雰囲気となっていく。

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特に8月の「彼ら」には、どんな声掛けで取材しようかと頭を悩ませてしまう。

その彼らとは3桁背番号の育成選手だ。

プロ野球はシーズン中のトレードや新規選手契約可能期間が定められており、近年は東京五輪やコロナ禍の影響で後ろ倒しとなっていたが、今シーズンは従来の7月31日に線引きがなされていた。

つまり、もう今シーズン中は、育成選手が支配下登録される可能性はなくなってしまったのだ。

ここ数年の中でも飛びぬけてハイレベルなホークス育成選手

今年のホークスは近い将来の四軍制を見据え、その準備段階として今シーズンは三軍を拡充した。そのため昨秋のドラフト会議では育成ドラフト史上最多となる14位指名まで行い育成選手の保有数を大幅に増やした。前年の2021年春季キャンプイン時点での育成選手は22名だったのが、今季は育成ドラフトに加えて中南米から10代プロスペクトも獲得するなどしたため育成38名でスタートを切っていた。

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今季ルーキーの集合写真(球団代表撮影)

そんな中から今年、支配下登録を勝ち取ったのは藤井皓哉(3月22日移行)、田上奏大(4月7日移行)、中村亮太(7月2日移行)、黒瀬健太(7月28日移行)の4名だった。

なかでも大出世を遂げたのが藤井だ。投げるたびに信頼が集まるようになり必勝リレーに欠かせない立場を自らの右腕で築き上げた。ほかの3選手も一軍でプレーし、7年目の黒瀬は7月31日の西武戦(PayPayドーム)でプロ初打点を挙げてお立ち台デビューを果たし、8月3日の日本ハム戦(札幌ドーム)ではプロ初安打も放ったのは、黒瀬本人はもちろんのこと苦労している中でも応援してきたファンもまた感慨深いものがあったに違いない。

結果的に、上記4名の支配下登録に加えて7月19日に秋吉亮を独立の日本海オセアンリーグ・福井ネクサスエレファンツから獲得したことで、ホークスの支配下登録は上限いっぱいの70名となった。

それが本当にもどかしく思った。一介のライター目線だが、今年の育成選手のレベルはここ数年の中でも飛びぬけて高く映るのだ。もちろん、過去には千賀滉大、牧原大成、甲斐拓也が同期入団してしのぎを削った時代もあって取材もしていたが、今年の場合は全体的にハイレベルに感じる。また、あくまで成長途上の選手のため長期間の安定した活躍は難しいかもしれないが、数週間なり1、2か月という単位で見れば一軍クラスというよりも一軍で勝利に貢献する戦力に組み込めそうな選手がかなり多いと感じている。

岡本、中道、佐藤宏…好素材が多い育成左腕

たとえば、キャンプ時に藤井と競い合って共に注目を集めたのが同じ右腕の重田倫明(4年目/国士舘大)だった。今季も「背番号138」からの卒業はならなかったが、ここまでウエスタン・リーグではチーム最多の35試合に登板して4勝3敗4セーブ、防御率2.66と好成績を収めている。リリーフ登板が基本線だが、8月3日のオリックス戦(タマスタ筑後)では先発して5回2失点と幅のある起用に応えたことで、評価はさらに高くなるだろう。ただ、重田にとって不運だったのは、藤井も田上も中村亮も同じ右ピッチャーだったこと。今年に関してはライバルたちが強力過ぎた。

重田と同学年の岡本直也(4年目/東農大北海道オホーツク)も19試合4勝0敗、防御率1.08と文句なしの成績。昨年までの3年間は故障で公式戦登板がなかったが、今季ようやく実力を発揮した。彼の場合は左腕だ。チーム全体としても左腕の台頭は待たれているが、これほどの成績を残しても支配下登録が叶わなかった。

この岡本をはじめ、育成左腕には好素材が多い。変則的なフォームから140キロ台後半を投げ込む中道佑哉(2年目/八戸学院大)やドラフト直前にトミー・ジョン手術を受ける異例のプロ入りもかつて上位候補と評判だった佐藤宏樹(2年目/慶應義塾大)、ルーキー左腕でも三浦瑞樹(1年目/東北福祉大)は「杉内2世」のオーラを身にまとい、F1レーサーと同姓同名の佐藤琢磨(1年目/新潟医療福祉大)も春先は見どころある投球を見せていた。

特徴のある選手が多い育成ルーキー野手陣

考えてみると、14名も入団してきた育成ルーキーたちは左腕に限らず、特徴のある選手が多い。育成1位の藤野恵音(戸畑高)は右打ち大型内野手で、球団関係者も「育成でよく獲れた。将来有望」と口にする。同2位の川村友斗(仙台大)と同9位の山本恵大(明星大)は左打ちの大型外野手でパンチ力が光る。

同12位の三代祥貴(大分商高)もパワー自慢で育成下位の高卒新人ながら三軍では4番を任されることもあった。指名順位では最下位、12球団全体でも最後の128番目指名だった同14位の仲田慶介(福岡大)は最近では珍しい泥臭さを厭わないガッツマン。小久保裕紀二軍監督からの評価も高く、二軍での出場を増やしている。

ホークスはどういうわけか、ドラフト上位よりも育成出身がすくすく育つ土壌がここ最近は出来上がっている。上記の中から来年の今頃には一軍で中心選手となっている選手が現れていても、全く不思議ではない。過去にそんな例はいくらでもあった。

自分はあの時から目をつけていた――とちょっと胸を張ってみたいファンの方、今年のタマスタの夏は例年以上にアツいですよ。

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(田尻 耕太郎)

田尻 耕太郎

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