iPhoneの最新モデルはいくらで発売されるのか?

iPhoneの最新モデルはいくらで発売されるのか?

  • @DIME
  • 更新日:2022/08/07
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■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は、円安、物価高を背景にスマートフォン業界はどのような動きをするのか、話し合っていきます。

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値上げの舞台裏を考察!

房野氏:アップルがiPhoneをはじめ、現行製品を値上げしました。円安が続いていますし、次のiPhoneの価格が気になりますね。

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房野氏

法林氏:値上げした価格で想定されている為替レートは、120円くらいの計算なんでしょ?

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法林氏

石野氏:そうなんですよ。今後、さらに価格が上昇する可能性もあります。

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石野氏

法林氏:これから為替レートがどうなるかわからないけど、2022年7月下旬で135円から137円でしょ。仮に140円くらいを上限と見立てて考えたとすれば、まだあと2割くらい、アップル製品の販売価格が上がるかもしれない。

石野氏:今回の値上げを色々分析してみると、「iPhone 13 mini」のように元々価格が安めに設定されている端末は、それほど値上げしていないんですよ。上昇率を抑えているというか、為替レートを適切に反映していないというか。やっぱりアップルも結構悩んでいることがうかがえます。為替レートを素直に適用すると日本で売れなくなることが目に見えているので、売れ筋モデルほど値上げを抑え目にしていたりはする。

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「iPhone 13」(左)、「iPhone 13 mini」(右)

石川氏:「iPhone 13 Pro Max」とか、「欲しい人ならどんな価格でも買うでしょ?」っていうようなモデルは大きく値上げしているから、新型iPhoneのPro Maxは27万円とかになったりして(苦笑)。

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「iPhone 13 Pro Max」(左)、「iPhone 13 Pro」(右)

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石川氏

石野氏:そんなに台数が売れないモデルの価格は高く設定しておいて、たくさん売れるモデルは価格を抑えめにするというパターンになっている感じ。miniとかノーマルモデルの補填をPro Maxでしているような感じ(笑)

石川氏:新品の価格が上がったことで、中古品の価格も上がっている。中古イコール安いっていう常識も通用しなくなってきている。困ったものだなと。

石野氏:中古iPhoneの買取価格が高くなっているので、以前の価格で買ったiPhoneを持っている人は、中古として高く買い取ってもらい、次のiPhoneを買う時に補填すれば、意外と値上げの影響を受けないことになりそうですよ(笑)

房野氏:手持ちのiPhoneを売却するのは、新製品の発表前がいいんでしたっけ?

石野氏:いや、発表後でも大丈夫ですよ。

石川氏:10月ぐらいまでは全体的に市場が動くので、買取価格も上がりがちになっていますね。今日、とある中古ショップに行ったら、「iPhone13が足りません、高値で買います!」みたいな宣伝をしていて、「自分のを売っちゃおうかな……」って一瞬心が揺れました(笑)

石野氏:高くなっていますよね。

石川氏:iPhoneを売って、もう「Pixel 6a」に買い換えちゃおうかな(笑)。

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「Pixel 6a」

円安はすべての企業にマイナス影響ではない

房野氏:現状、Google Pixel 6aはすごく安い価格で販売されていますね。かなり前に価格の交渉をしたのではないかという話でしたが、iPhoneはそれほど早くから価格交渉をしないんですね。

法林氏:ギリギリまで最終価格は決まらないんじゃないかな。本当かどうかわからないけれど、原価率でいうとiPhoneはそれほど高級端末ではない。元値が安いというか、利ざやが大きいと言われている。

石野氏:大量生産しているおかげもありますよね。

法林氏:かつ、価格統制をかなり強くやっている。本当は価格を下げられる余地はあるんでしょうけど、ブランド価値を下げたくないという考えもあるだろうし。

房野氏:そうですね。

石野氏:ただ、値上げはiPhoneだけじゃないです。円安ドル高なので、基本的に外貨ベースで生計を立てているメーカーの製品は今後も高くなると思った方がいいです。日本メーカーだって、生産拠点が海外にあったり部材を海外から輸入したりすればコストは上がる。「AQUOS R7」とか「Xperia 1 IV」を見ればわかるように、今のハイエンドスマホの価格は20万円くらいが相場になっちゃっている。“スマートフォン大値上げ時代”といっても過言ではない感じがします。

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「AQUOS R7」

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「Xperia 1 IV」

法林氏:別の見方もあって、日本の企業の中でも、昔からよく言われているようにデバイスを持っているメーカーさんとか、輸出が多いメーカーさん……言ってしまえばトヨタは儲かっているわけです。と考えると、部品屋さんはやっぱり儲かっている。村田製作所とかTDKとか……

石野氏:京セラとか。

法林氏:そういう儲かっている企業はある。そこから部品を買って作っているメーカーさん、あるいはシャープのように自前でパネルを製造しているメーカーもある。ソニーなんて、自前でイメージセンサーを作ってる。そこに強みがあるんだから、本当はもうちょっと価格を下げられるのかなと。でも、「キャリアさんはそうではないですよね」ってことで、僕は、実はキャリア側が価格を盛っているんじゃないかと思っています。

石野氏:シャープはそうでもないけど、ソニーだと、もう完全に海外生産になっちゃっているから、そこの人件費がどんどん上がっている。

石川氏:今こそ富士通(FCNT)じゃないですか? もしくはSnapdragonを日本で作らせるとか。それくらいしないと、安くならないなと思ってしまう(笑)

法林氏:業界として、「円安だから困る」とか、原材料費など色々コスト高な話はあるけれど、日本の企業にとってはプラスになっているところもある。海外で事業をやると金利が違うので、お金を借りられるところもあったりするし。

石野氏:攻めに行くチャンスではあるかな。

法林氏:うん、本当はね。

石野氏:Xperiaは元々海外で売れていたので、もう1回、香港、台湾で売れるチャンスっていう面もある。

法林氏:去年、「AQUOS R6」が出た時に、まだデモ機がないのに、海外のYouTuberから山のように紹介された。それ、全部ニセモノでしょっていうことがあった(笑)。

まぁ、でも、そういうことをされるぐらい海外ユーザーも気にしている状況をみると、国内端末メーカーがアジアをはじめ海外へ進出するのも一考に値する。もちろん、海外に出たからといってすぐ売れるわけじゃない。販路も作らなきゃいけないし、そんなに簡単ではないけれど、キャリアと組んでやるというビジネスも含めて、もう少し上手にできるといいなと感じるところですね。

石川氏:「Xperia PRO-I」は、香港が一番売れたって話ですよね。

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「Xperia PRO-I」

石野氏:そうですね。

石川氏:やっぱりソニーのブランド力は強い。中国や香港はデジタルカメラの「α」シリースの人気が高いので、結果、スマートフォンも売れたみたいです。

法林氏:円安だからダメなのではなくて、円安だからプラスの方向になる会社はあるし、生かしようもあるので、本当はプラスマイナスゼロか、「言うほど全面アウトって話でもないんじゃないの?」っていうことは少し感じますね。

石川氏:海外のメディアから仕事をもらいたいなぁ(笑)。ドル建てで原稿料をもらいたい。

石野氏:確かに(笑)

キャリアの購入プログラムの内容を把握して活用を!

房野氏:円安で儲けている企業もありますが、高くなったiPhoneを買わなきゃいけない庶民は大変です。

石野氏:まぁ、買うんだったら安く買う方法もあるので。

房野氏:ユーザーは安く買う方法が、たくさんではないけれど一応あるので、そういうものを活用して安く買いましょうと。キャリアさんの購入補助プログラムを使って買えば、実質、半額近くになりますね。

石野氏:現在一般的になっている購入プログラムの仕組みが始まったのは去年からなので、一般のスマホユーザーが3年、4年使い続けることを考えると、アップグレードプログラムみたいな設定を知らない人が、まだいっぱいいると思うんですよ。

法林氏:なんかね、半額になるからとかいう話があるけれど、一般のユーザーはそういう考えではないと思う。「月にいくらまでだったら端末代として払えますか?」っていう質問をすると、月額2000円ぐらいじゃないかなと思うんですよ。

房野氏:私は「Galaxy S22 Ultra」の割賦を月に5000円近く払っています。高いですかね。

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「Galaxy S22 Ultra」

法林氏:うーん、普通のご家庭にとって、端末代だけだったらひとり当たり2000円くらいが限界かなと思うな。そう考えると、36回払いの24回分が実質価格になるとすると、4万8000円くらいが端末の妥当な価格になる。36回全部払ったら7万2000円、それくらいの価格が、スマホの適正価格の限界値かなって思う。

房野氏:そうですかね……。

法林氏:それでも結構高いと思いますよ。「端末代、いくらが適切ですか?」って話をすると、「10万円を超えたらダメです」とか「18万円とかあり得ない」っていうけれど、そうじゃなくて、ほとんどの人が残価設定型で買っているから、ひと月に払える金額で計算した方がいいと思う。聞くと、だいたいみんな2000円くらいがいいって言う

石野氏:ひと月1000円で4年間だと4万8000円。残価が半額だとして2万4000円。そう考えると「Pixel 6a」はいい価格ですね(2022年7月末現在、auでは5万3270円、「スマホトクするプログラム」で購入した場合、実質2万7830円。ソフトバンクでは6万7680円、「新トクするサポート」で購入した場合、実質3万3840円)。

法林氏:それくらいの価格がちょうどいい価格なんだろうなと。

石野氏:いいですね。ひと月1000円ならいいな。

法林氏:房野さんは分割で支払っているの?

房野氏:私は、S22 Ultraは分割です。

石野氏:自分も「Galaxy Z Fold3」は分割で買いました。

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「Galaxy Z Fold3」

石川氏:自分は一括で買って、すぐに売る(笑)

房野氏:携帯電話料金をしっかり理解するには、一括で払った方がわかりやすい時期がありましたね。

石野氏:昔は「月々サポート」でいくら引かれてとか、複雑だったのでわかりにくかった。今は単純に、通信料金があって、端末代があってという形なので、まぁまぁ、わかりやすくはなったと思いますけどね。

……続く!

次回は、大規模通信障害について会議する予定です。ご期待ください。

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法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。

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石川 温(いしかわ・つつむ)
日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。

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石野純也(いしの・じゅんや)
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

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房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。

構成/中馬幹弘
文/房野麻子

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