【解説】送迎バスに「安全装置」設置義務化 国は6月末までの完了目指す

【解説】送迎バスに「安全装置」設置義務化 国は6月末までの完了目指す

  • TUFテレビユー福島
  • 更新日:2023/05/26

通園バスで置き去りを防ぐため、4月から安全装置の設置が義務付けられました。義務化を受け、福島県郡山市の幼稚園では、26日朝、安全装置を取り付けたバスで送迎が行われました。

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通園バスに、安全装置を取り付けたのは、郡山市の尚志幼稚園です。26日朝、子どもたちはそのバスを利用して幼稚園に通園しました。

去年9月、静岡県のこども園で3歳の女の子が送迎バスに置き去りにされ死亡した事件を受け、国は、4月から送迎用バスに置き去りを防ぐ安全装置の設置を義務づけました。

関根佑記者「こちらの幼稚園の送迎用バスにいま、安全装置が取り付けられています」

アナウンス「車内点検を行ってください。子どもは残っていませんか」

この装置は、バスのエンジンを停止すると車内の点検を促すアナウンスが流れる仕組みで、点検を終えた運転手などが最後に車内後方に設置された確認ボタンを押します。

ボタンを押さずに10分経つと車外に警告アナウンスが流れ、万が一の置き去りも防げます。

車外アナウンス「車内点検が完了していません。車内に取り残された人がいないか確認し、点検ボタンを押してください」

尚志幼稚園教務主任・金澤右子さん「今まで運転手と添乗の職員でダブルチェックはもちろんしていたが、さらに機械の方での安全安心というところで、さらに保護者の方にも安心につながるのではないかと思って期待しています」

幼稚園では、残る3台の送迎バスについても夏までに安全装置を取り付けることにしています。

国は「6月末まで」の設置働きかけ

改めて、送迎バスの安全装置設置の経緯を見ていきます。おととし7月、福岡県で送迎バスに5歳の男の子が置き去りにされ、熱中症で亡くなりました。さらに去年9月、同じ人為的なミスで、静岡県の3歳の女の子がバスに置き去りにされ、こちらも熱中症で亡くなりました。

この2つの事件を受け、子どもの送迎バスへの置き去りを防ぐため、国は今年4月から、園児の送迎バスに安全装置の設置を義務付け、来年3月まで1年間の経過措置が設けられています。

しかし、これからどんどん暑い時期になっていきます。熱中症などのリスクも高まるため、国は6月末までに設置するよう働きかけています。

今回の安全装置設置ですが、ガイドラインに適合した安全装置を取り付けた場合、国は、1台につき17万5000円を上限に補助することにしています。

気になる設置状況ですが、県によりますと、県内の安全装置の設置状況は現在調査中で、6月中には取りまとめる見込みだということです。

また、国は近いうちに全国の設置状況を調査、公表することにしています。痛ましい事件は、これ以上繰り返してはいけません。少しでも早い対応が求められます。

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