熱海のラーメン店を支える製麺所が営業再開 土石流被災をクラウドファンディングで乗り越え

熱海のラーメン店を支える製麺所が営業再開 土石流被災をクラウドファンディングで乗り越え

  • テレビ静岡NEWS
  • 更新日:2022/09/22
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コマツ屋製麺の中島社長

静岡県熱海市の土石流で被災した製麺所が、市内の別の地区で約1年ぶりに営業を再開した。熱海のラーメン店に頼りにされてきた製麺所は、クラウドファンディングで再建資金を集め、励ましの言葉に支えられた。次の目標は被災した場所に戻ることだ。

◆土石流に工場と仕事を奪われて

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コマツ屋製麺・中島秀人社長

製麺機から作り出されるラーメンの麺。熱海市多賀地区に2022年7月、新しい製麺工場がオープンした。オープンさせたのは、ラーメン店に卸す麺を製造している「コマツ屋製麺」だ。

コマツ屋製麺・中島秀人社長:

まだ(機械の操作に)慣れてないけど、しょうがない、これから毎日やって慣れていこうと思う

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自宅兼工場から撮影した土石流

コマツ屋製麺はもともと熱海市伊豆山地区の自宅を兼ねた工場で80年以上にわたり、麺を製造していた。しかし2021年7月3日、土石流が自宅兼工場を襲った。

中島社長:

(土石流の)3波目がきた時には(自宅より上流部の)家が全部なくなり見通しが良くなっていまい、もうこの後は自分たちの家が流されてしまうから逃げなければまずいと思い逃げた

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被災した自宅兼工場

工場の入口の屋根は曲がり配達用の軽自動車は流され、駐車場も土砂に埋まった。建物に大きな被害はなかったが、警戒区域に指定されたことで工場への立ち入りが制限されることになった。それは仕事ができないことを意味した。

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警戒区域となり立ち入り制限

中島社長:

自宅と工場が一緒というのが一番問題で、工場と仕事を奪われてしまった。行政が悪いわけではないが、法律や条例に(現地での再建を)阻まれてきた

◆再建費用をクラウドファンディングで

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中島さんの娘たちが作成したHP

自分の仕事を取り戻したい。経営する中島さんは、新しい工場を建てることを決意した。

後押しとなったのは、中島さんの2人の娘たちが始めたクラウドファンディング、そして支援してくれた人たちの温かい言葉だ。

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HPへの応援メッセージ

(クラウドファンディングに寄せられた励まし)

「日本の麺文化を守ってください、再建を応援します」

「行楽で熱海に行った時に、気になっていたラーメン屋さんがいくつもありました。肝となる麺を早く供給再開できるよう、応援させていただきます」

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次女・茉子さん「勇気が出た」

クラウドファンディングによって、全国の882人から目標を上回る900万円以上の寄付が集まった。

コマツ屋製麺・中島茉子さん(次女):

本当に絶望していたので、「これからどうしよう」とどん底にいるような気持だったので、(励ましの言葉に)勇気が出た。「私も頑張らなければ」という気持ちになりました

◆1年ぶり営業再開に納入先も安堵

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再建された製麺工場

家族が一丸となって取り組んだ工場の再建。

土石流から約1年となる7月1日、ようやく建物が完成した。以前の工場と比べ広さは3分の1程度で機械も減り、これまでと同じ量は製造できない。

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被災工場から持ち込んだ手洗い器

移設した消毒用の手洗い器には、土砂の一部が残されていた。

中島社長:

この手洗い器は伊豆山の工場から持ってきた。この辺まで泥が入っていたけど、使えるかもと思って持ってきた。(新品を)買うと高いから。この泥は土石流の泥

さらに、以前の工場から運び出され修理に出していた製麺機が、新しい工場に運ばれてきた。新工場での営業再開に向けた準備が着々と進められていた。

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納入先の注文にあわせ麺の太さを調節

そして7月18日に工場の営業を再開させた。

新しい工場に設置された数台の製麺機。移設したことで動きが悪い部分もあったが、今までの経験を生かし、お客さんの注文通りの麺に仕上げていく。太さを微妙に調整する。

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納入先「(営業再開で)ホッとした」

土石流災害から1年、市内のラーメン店もコマツ屋製麺の麺を待ち続けていた。

わんたんや・福井敏幸店主:

こちらがコマツ屋さんの麺。創業以来お付き合いしているので、ホッとしましたね、安心できる

◆次女も参加 目標は「伊豆山に戻る」

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次女も家業を手伝うことに

次女の茉子さんも会社を退職して家業に加わることを決めた。

次女の茉子さん:

何かしなければいけないけどできない状況が続いていた。やはり手伝わなければと思ったので転職して、今はコマツ屋を手伝おうという気持ちです

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中島社長「伊豆山に戻ることが大事」

新天地での再出発となったが、中島さんも娘の茉子さんも、またいずれは伊豆山に戻りたいと考えている。

コマツ屋製麺・中島秀人社長:

工場が建って復興ということではない。自分たちは(自宅兼工場のあった)伊豆山に戻ることが一番大事。伊豆山に戻らない限り復興ではない、以前の日常ではないです。伊豆山に戻って平和な暮らしができることが、自分たちの最終的な目的です

突然奪われた日常を取り戻すために、歩み始めたコマツ屋製麺。

伊豆山に戻り麺を作ること、その目標に向かって一歩ずつ前に進んでいる。

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