「結局、夫は守られなくって、佐川さんは守られた」公文書改ざん問題で赤木俊夫さんの妻・雅子さんの賠償請求が棄却

「結局、夫は守られなくって、佐川さんは守られた」公文書改ざん問題で赤木俊夫さんの妻・雅子さんの賠償請求が棄却

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  • 更新日:2022/11/25
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雅子さんの夫で、改ざんを強いられ自死した近畿財務局元職員の赤木俊夫さん。「私のことをすごく大事にしてくれ、面白くて優しい人でした」と雅子さん(赤木雅子さん提供)

「本当に残念です。夫が亡くなった理由を全然調べてくれることなく終わってしまったことは残念でならないです。本当に」

【写真】びっしり書き込まれた赤木さんの手帳赤木雅子さん(51)は悔しさをにじませる。

11月25日、学校法人「森友学園」(大阪市)に関する財務省の決裁文書改ざん問題を巡り、近畿財務局の元職員の赤木俊夫さん(当時54)が2018年3月に自死したのは改ざんを強制されたのが原因として、妻の雅子さんが20年3月、当時の財務省理財局長の佐川宣寿(のぶひさ)氏に対して1650万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が大阪地裁であり、雅子さん側の請求が棄却された。

雅子さんによれば、俊夫さんは、明るくまじめ。国家公務員倫理カードを自分の手帳に挟み、「僕の雇用主は国民なんだ」と言い、国民のために仕事ができることに誇りを持っていたという。

そんな夫がなぜ、自ら命を絶ったのか。

真実を知りたい――。

その一心で、雅子さんは裁判を闘った。

雅子さん側は、佐川氏本人への尋問を第一の目標に掲げたが、実施されないまま判決を迎えた。

裁判で最大の焦点となったのが、佐川氏個人の責任がどう判断されるか、だった。雅子さん側は「赤木俊夫さんは佐川氏の指示で自死に追いやられた」として、佐川氏の賠償責任を主張。

一方で佐川氏側は、国家公務員が職務で違法行為をした場合、国や自治体が賠償責任を負い公務員個人は賠償責任を負わないとする最高裁判例をもとに、個人の「責任はない」と反論していた。学説では、国や自治体が賠償責任を負うことで被害救済が図られ、個人に対する訴訟の乱発や業務の萎縮を避けるため、とされる。

この日の判決で、中尾彰裁判長は一連の改ざんに関する佐川氏の責任を検討。国家賠償法の「公務員が職務で他人に損害を加えた時は国が賠償責任を負う」との規定に基づき、個人である佐川氏は「賠償責任を負わない」と判断。雅子さん側が求めていた謝罪や経緯の説明についても「法的義務はない」と述べた。

雅子さんは言う。

「結局、夫は守られなくって、佐川さんは守られたという思いでいっぱいです」

雅子さんは当初、請求が退けられた場合、体力的にも精神的にもきついので、控訴するかどうか悩んでいた。だが、控訴する方針だと話す。

「ここまでたくさんの人に応援してもらってきて、やはり真実を知りたい。私の闘いは終わりません」

(文/編集部・野村昌二)

※AERAオンライン限定記事

野村昌二

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