【球界ここだけの話(2351)】巨人・菅野を〝本気〟にさせた打率・000の9番打者

【球界ここだけの話(2351)】巨人・菅野を〝本気〟にさせた打率・000の9番打者

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  • 更新日:2021/06/12
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力投する日本ハム・伊藤大海

最初は苦笑いだった巨人・菅野智之投手(31)の表情が、徐々にこわばっていく。右肘違和感からの復帰登板となった6日の日本ハム戦(東京ドーム)。対峙(たいじ)していたのは日本ハムの9番打者、ドラフト1位ルーキー・伊藤大海投手(23)=苫小牧駒大=だった。

「打てる打てないは別ですけど、打席に入って菅野さんがどれだけのボールを投げているのかっていうのを自分の目で見て感じられるのは楽しみでした。(今後の)自分のプラスにしたかった」

そう振り返った伊藤。1球でも多く見るために、2ストライクまではバットを振らないと決めていた。三回。先頭で1打席目が回ってきた。これがプロ初打席。2ボール2ストライクからカーブ、直球、スライダー、直球を4球連続でファウル。そして9球目。投ゴロに倒れたが、「菅野さんの小さい変化球の出し入れを大学時代から参考にしていました」というカットボールを初めて引き出した。

五回の第2打席は1ボール2ストライクから「最後はフォークボールまで投げていただいて」と空振り三振。同戦の日本ハムの先発メンバーで菅野から最多となる計13球を堪能。〝病み上がり〟で80-90球の球数制限がある菅野にとって、投手相手に全球種を使っての13球は想定外だったに違いない。

もちろん、球界を代表する投手を向こうにここまで粘るには打撃センスは必要。その点、伊藤は駒大苫小牧高2年夏に右肘を疲労骨折し、秋の大会は背番号8の「1番・中堅」で本塁打も記録。指名打者制が導入されていた北海道六大学リーグの苫小牧駒大でも、リアル二刀流で出場する試合もあった。交流戦に備えた投手陣の打撃練習が5月11日のオリックス戦(東京ドーム)前に行われたが、スタンドインを連発。栗山監督が「(交流戦は)ビジターだけで登板させようと思うぐらいいいじゃん」と目を細める一方で、伊藤は「僕で詰まって入っちゃう。ということは、野手なら打ち損じでも入っちゃう。もし東京ドームで登板することがあれば、打っていて『逆に怖いな』と思っちゃいました」と首をすくめていた。

交流戦ならではのマッチアップ。今回は偶然の産物ではあったが、栗山監督は後日「投げ合いというのは、実はピッチャー同士は直接はあまり関係なかったりする。打席に立たないと分からないこともあるしね。例えば、(大谷)翔平の時とか、打席で何か感じると思ってマエケンやマー君のときにあえて打席に立たせてみたり。それはこっちが、その選手が将来大きくなるためにしていってあげるということでね」と話した。

菅野の13球。「コントロールが凄いっス。ギリギリのところに入ってくるし、こんなの今まで見たことがない。やっぱり違う」と興奮気味に回顧した伊藤にとって、かけがえのない財産となった。(東山貴実)

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