武庫川女子大学経営学部の学生が、1990年代後半~2010年代前半に生まれた「Z世代」の大学生を対象に調査した結果を兵庫県西宮市池開町の武庫川女子大で発表した。交流サイト(SNS)▽遊び▽食▽美容▽お金-の5テーマでまとめ、企業関係者ら約70人と意見を交わした。

Z世代の価値観などの調査結果を紹介した武庫川女子大学の学生=西宮市池開町
高橋千枝子教授(マーケティング)のゼミが主催。3年生20人、2年生12人が所属している。学生は22年度、テーマ別にインターネットで調査し、Z世代に「刺さる」商品やサービスを考え、結果をインスタグラムなどで発信した。
「SNS利用とデジタルデトックス(デジタル機器からあえて距離を置くこと)」がテーマの学生は、Z世代は利用目的ごとに複数のSNSを使い分けるためスマートフォンの利用時間が長くなり、7割が「疲れている」と指摘。朝から友達とピクニックに出かけると、スマホの操作が減り、まったりする「チル」が楽しめると提案した。しかし、流行は調査からわずか半年でサウナで多幸感を得る「ととのう」に変わったと付け加えた。
発表後は、来場者とゼミ生が意見交換。来場者はそれぞれのSNSの利用目的▽インスタグラム上のどのような情報を基準に店を選ぶのか▽洋服を買うときの予算は-などを積極的に尋ね、学生は率直な意見を述べていた。
ゼミ長の岡梨奈さん(22)は「自分は流行に疎い方なのでZ世代とひとくくりにできるか疑問もあったが、調査を通じて思った以上にSNSが自分たちの日常に染み込んでいると痛感した」と述べた。会社員の男性(51)は「(Z世代の人たちは)私たちの世代と比べて多様で切り口をたくさん持ち、SNSをうまく活用している。勉強になった」と話した。