60代「住宅ローン残高&貯蓄額」平均・中央値はいくら?

60代「住宅ローン残高&貯蓄額」平均・中央値はいくら?

  • LIMO
  • 更新日:2021/09/15
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2021年4月、改正高年齢者雇用安定法が施行され、70歳までの就業機会を確保することが企業の努力義務になりました。

働き方も多様化していますので、長く仕事を続けることを前提にして、子どもの教育や住宅取得などのプランを立てているご家庭もあるでしょう。

今回は、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年調査結果」を頼りに、60代・還暦世代のお金事情を、住宅ローンと貯蓄額にフォーカスしてながめていきます。

60代で「住宅ローンが残る世帯」

住居費・教育費・老後資金を、人生の三大支出などといいますね。住宅購入の際に多くの世帯が利用する住宅ローンは、長い期間をかけて返済していきます。

平均…619万円(中央値:500万円)

50万円未満:1.8%

50万~100万円未満:0.9%

100万~200万円未満:4.4%

200万~300万円未満:1.8%

300万~500万円未満:8.8%

500万~700万円未満:6.2%

700万~1000万円未満:12.4%

1000万~1500万円未満:14.2%

1500万~2000万円未満:4.4%

2000万円以上:3.5%

無回答(ゼロも含む):41.6%

※平均は一部の大きな数値に引っ張られますので、より実感に近い「中央値」を参考にしていただくとよいでしょう。

60代で1000万円以上の住宅ローンが残る世帯は、全体の約2割。ひとくちで「60代世帯」といえど、リタイヤ前の現役世帯と、既に年金生活をスタートされている世帯がありますから、この割合を多いと捉えるか少ないと捉えるかは人それぞれでしょう。

中央値は500万円。定年退職金の受け取る予定がある場合は完済できるケースも多そうな気がします。次では、60代世帯の貯蓄事情を詳しく見ていきます。

【グラフ】60代世帯の貯蓄事情がまるわかり!

60代世帯の貯蓄「平均額と中央値」

引き続き60代・二人以上世帯の貯蓄事情についても触れていきます。

60代は定年退職金などの大型収入によって貯蓄額が引き上げられる家庭も多い時期です。一つ若い50代世帯との比較も含めて見ていきましょう。

50代&60代「二人以上世帯の金融資産保有額」

(金融資産非保有世帯を含む)

■50歳代■

平均・・・1684万円

中央値…800万円

■60歳代■

平均・・・1745万円

中央値…875万円

60代の金融資産保有額は、平均だけを見ると2000万円にあと少しで手が届きそう、という金額ですが、中央値は1000万円のラインにまだ届いていません。では、世帯差はどうでしょう。グラフをご覧ください。

60代世帯「シニア格差」の貯蓄事情

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60代・二人以上世帯「金融資産保有額」分布

金融資産非保有…18.3%・100万円未満…3.5%・100万~200万円未満…4.0%200万~300万円未満…4.0%・300万~400万円未満…3.3%・400万~500万円未満…4.0%500万~700万円未満…5.3%・700万~1000万円未満…7.5%・1000万~1500万円未満…7.5%1500万~2000万円未満…6.3%・2000万~3000万円未満…13.3%・3000万円以上…19.6%無回答…3.3%

グラフからは、「3000万円以上(19.6%)」と「金融資産非保有(=貯蓄ゼロ)(18.3%)」がそれぞれ同程度の割合で存在することが分かります。

「老老格差」などとも呼ばれるこの二極化は、平均額や中央値からは見えない部分ではありますが、看過できない点といえるでしょう。

60代の「ほんとうの貯蓄額」って、どのくらい?

貯蓄と負債はセットにして考える必要があります。そこで参考にしたいのが、貯蓄額から負債額を差し引いた「純貯蓄額(=ほんとうの貯蓄額)」です。

60代・二人以上世帯の「借入額」

同調査で、「借入金がある」と答えた60代・二人以上世帯は全体の31.2%、「借入金がない」と答えた世帯は67.3%、「無回答」が1.5%でした。そして、無回答以外の世帯の「借入金」は、平均額:205万円(中央値:0万円)でした。

60代・二人以上世帯「ほんとうの貯蓄額」

60代の金融資産額から借入額を差し引いた、「純貯蓄額=ほんとうの貯蓄額」の平均は以下の通りです。

1745万円-205万円=1540万円

60代は、住宅ローンや教育費といったコアな出費がいったん落ち着き、定年退職金が世帯の貯蓄額を引きあげるケースも多い時期です。この世代特有の状況が、60代で純貯蓄額がいっきに増える背景にあると考えてよさそうです。

60代「シニア格差」から考える「老後のお金」

今回は、60代世帯の貯蓄事情をながめてきました。

平均額でみた「純貯蓄額」の1540万円は、いわゆる老後2000万円問題の「あの金額」までにはまだ距離がありますね。

ただし、こちらはあくまでも平均値。一部のお金持ちや、贈与や相続で一時的に資産が増えたケースも含みます。みんながみんな同じ条件でコツコツと貯蓄をしてきた結果ではありません。

とはいえ、さきほど触れた「シニア格差」ともいえる二極化が起こる背景としては、現役時代の若いころからのお金に対する心構えが影響しているのかもしれませんね。

働き盛りの30代・40代のころは、教育費の準備や住宅ローンの返済といった目前の出費が家計を圧迫しがちな時期。老後の自分たちの暮らしまでイメージすることが難しくても不思議ではありません。

とはいえ、育児に仕事に大車輪!といった時期は、あっという間に過ぎていくのです。50代に入り、先輩たちのリタイヤ、親族の老いを身近で見るようになると、自分自身の老後についても考えざるを得なくなります。

家計管理の工夫、そして貯蓄を続ける根気は、生きていくうえの必須スキルといえるでしょう。加えて「お金を増やす視点」もぜひ持っていきたいものです。「預貯金+資産運用」をバランスよく組み合わせて持つことも有効な方法の一つでしょう。

ご参考

総務省の家計調査報告(貯蓄・負債編)の用語の解説によると、貯蓄とは、

ゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託等の有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいう。 なお,貯蓄は世帯全体の貯蓄であり,また,個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含める。

参考資料

厚生労働省「高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~」

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年調査結果」

熊谷 良子

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