帝国ホテル・杉本東京料理長が伝授!魚の頭や骨も無駄にしない、出汁の取り方&アレンジレシピ【サステナブルチャレンジ】

帝国ホテル・杉本東京料理長が伝授!魚の頭や骨も無駄にしない、出汁の取り方&アレンジレシピ【サステナブルチャレンジ】

  • OZmall(オズモール)
  • 更新日:2021/05/02
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オズモールとはじめる、SDGsアクション。小さな“サステナブルチャレンジ”から挑戦してみませんか? 今回は、長年サステナブルな活動に取り組む日本を代表する名門ホテル「帝国ホテル」の東京料理長・杉本雄さんが教える、魚の頭や骨から取った出汁を使ったレシピをご紹介。日頃、捨てられてしまいがちな頭や骨は、旨みの宝庫! ひと手間かけて取った万能出汁を使って、簡単フレンチレシピに挑戦してみよう。

今回のサステナブルチャレンジは“魚の頭や骨を使って万能な出汁を取ること”

魚の旨みがギュッと凝縮された出汁は、さまざまな料理のベースに

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魚といえば、日本の食文化に欠かせない食材。といっても、身だけを食べるものがほとんどで、頭や骨などの“アラ”はおいしさが詰まっている場所にもかかわらず、捨てられてしまうことが多いそう。
そこで今回は、日本を代表するホテルのひとつ、帝国ホテルで腕を振るう杉本雄東京料理長に、おうちでも実践できるサステナブルな出汁の取り方を教えてもらいました。

まず教えてくれたのは、頭や骨を使った基本的な出汁であるフュメ・ド・ポワソン。
「基本的なフランス料理の考え方としては、お魚を使った料理を作るときは、そのお魚で取った出汁を使います。このフュメ・ド・ポワソンは、魚のアラを香味野菜やハーブなどと一緒にゆっくり煮出して作ります。魚の旨みが凝縮されているので、このまま飲んでもおいしいですし、スープやソースのベースにもなります。魚をおろすことに抵抗がある人は、魚屋さんやスーパーのお魚コーナーで「出汁を取りたいので、はらわただけ抜いて、頭と骨もください」とオーダーすれば、あとの調理も簡単です」

【材料】(500ml分)
・鯛のアラ 800g
・たまねぎ 160g
・にんじん 100g
・セロリ 80g
・タイム 1本
・ニンニク 1片
・白ワイン 400ml
・水 1L

【作り方】
1 たまねぎ、にんじん、セロリ、ニンニクは薄切りにしておく
2 鯛のアラ、水、白ワインを鍋に入れて火にかける。沸騰してきたら丁寧にアクを取り除き、1を加えて30~45分ほど弱火でゆっくり煮る
3 漉し器で静かに漉し、一度冷やしてから表面に浮かんだ油分を取り除く

杉本シェフからのワンポイントアドバイス
・鯛の骨は細かく切るほど早く出汁が出ます。キッチンバサミでも簡単に切ることができます。
・鯛のアラに付いた血合いなどはきれいに取り除いておきましょう。
・アクは余分な油分や魚特有の臭みのもとになるので、しっかり取り除きましょう。
・野菜も短時間で旨みが出やすいよう、薄切りにします。野菜そのものを使う代わりに、皮を厚めにむいて使うのもサステナブルです。

フライパンひとつで作れるフランス料理「鯛のロースト ソース・ヴァン・ブラン」

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フュメ・ド・ポワソンを使ったレシピの1つ目は、「鯛のロースト ソース・ヴァン・ブラン」。
ソース・ヴァン・ブランとはフランス語で白ワインソースのこと。鯛の旨みたっぷりのフュメ・ド・ポワソンに生クリームやバターを合わせた濃厚ソースが絶妙!
「フライパンで魚を焼くときのポイントは2つ。まずは皮目から焼くこと。もう1つは、フライパンに魚を乗せたときに、少し持ち上げてオリーブオイルを皮の中心にも滑り込ませます。こうすると皮が生焼けにならず、全体がパリッと香ばしく仕上がります」

フランス料理というと難しそうなイメージがあるけれど、こちらはフライパンひとつで調理可能。自宅でもぜひ挑戦してみて。

【材料】(2人前)
・鯛の切り身 140g(70gのものを2切れ)
・オリーブオイル 大さじ1
・塩 少量
・玉ねぎ 100g
・白ワイン 100ml
・フュメ・ド・ポワソン 100ml
・生クリーム(乳脂肪分42%)20ml
・無塩バター 10g
・レモン汁 少々
・塩 少量

・みょうが 1本
・セロリ 1本
・スティックセニョール 2本

【作り方】
1 鯛はローストしたときに皮が縮まないよう、切れ目を入れ、塩を振る。玉ねぎは薄切りにしておく
2 フライパンにオリーブオイルを熱し、鯛を皮目からローストする
3 火が通ってきたら玉ねぎを加え、塩を振る
4 鯛から出た油とオリーブオイルを絡めるように、玉ねぎに火を通す
5 鯛に火が通ったらいったん取り出す
6 玉ねぎがしんなりしてきたら白ワインを加える
7 半量になるまで煮詰めたら、フュメ・ド・ポワソンを加えてさらに煮詰める
8 生クリームを加え、半量になるまで煮詰めたらバターを加えて溶かし込む。
9 香りづけに白ワイン、レモン汁を加える。塩で味を調える
10 フライパンに鯛を戻し入れ、少しだけ火を入れて温める
11 付け合わせのみょうがとセロリは薄くスライスし、ボウルに入れて塩、オリーブオイルで和える。スティックセニョールは塩ゆでにする
12 皿に11、10を盛り付ける

杉本シェフからのワンポイントアドバイス
・魚を焼くときは、フライパンの上で少し魚を持ち上げて、中心にも油を回るようにすると生焼けになりません。
・皮目からじっくり火を入れてから身を焼くと、しっとりとした仕上がりになります。
・皮目をパリッとこんがり焼いているので、ソースの入ったフライパンに戻すときは身を下にして入れてください。

白ワインとの相性抜群!「真鯛のカルパッチョ」

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フュメ・ド・ポワソンを使ったアレンジレシピの2つ目は「真鯛のカルパッチョ」。フュメ・ド・ポワソンを煮詰めたジュレをソースに使った一品で、いつものお刺身が、ワンランクアップ! 付け合わせの野菜は旬のものを取り入れたり、盛り付けにも工夫してみて。

【材料】(2人前)
・鯛(皮つき) 140g
・塩 少量
・胡椒 少量
・エキストラバージンオリーブオイル 少量
・七味唐辛子 少量
・あさつき 少量
・鰹節 少量
・レモンの皮 少量
〈鯛のジュレ〉
・フュメ・ド・ポワソン 500ml
・サフランパウダー 少量
・塩 少量
〈付け合わせ〉
・紅しぐれ大根 10g
・黒大根 10g
・ねぎ(青い部分) 5g
・ワサビの葉 2枚

【作り方】
1 鯛に軽く塩を振って5分間マリネする
2 皮目をバーナーで炙り、皮つきのまま2~3㎜の厚さに切る。バーナーがない場合は、皮目に布をかぶせてさっと熱湯にくぐらせてもOK
3 2を塩、胡椒、オリーブオイルで和えて味をととのえる
4 ジュレを作る。フュメ・ド・ポワソンを火にかけ、1/2量になるまで煮詰め、サフランパウダーを加えて溶かし、塩で味をととのえる。その後、一度冷やして油をしっかりと取り除く
5 皿に直径11㎝のセルクルを置き、鯛を並べる。表面にエキストラバージンオリーブオイルを塗り、鰹節、スライスしたレモンの皮、刻んだあさつき、七味唐辛子を振りかける
6 4のジュレを全体に乗せてセルクルを乗せる。仕上げに付け合わせの野菜を彩りよく飾って完成

杉本シェフからのワンポイントアドバイス
・煮詰めたフュメ・ド・ポワソンを冷蔵庫でしっかり冷やし固めることでジュレ状になります。余分な油を取り除くのも忘れないでください。

すべての食材を無駄にしないために。杉本シェフが考えるサステナブルチャレンジ

素材を余すことなく使い切るのは、フランス料理の基本

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「もともと、フランス料理そのものが“サステナブル”なんです」と杉本シェフ。フランス料理自体に定義はなく、アルザスやボルドー、ニースなどさまざまな地域で作られる郷土料理の集合体を総称してフランス料理と呼ばれている。
「フランスではその土地で獲れる食材の恵みを最大限に生かして、一つひとつの食材を無駄なく使い切るのが当たり前です。例えば、牛を育てている地域であればお肉はもちろん、乳製品も豊富なので、料理にその特色が出ます。牛の骨や筋は捨てずに、その土地で造られたワインと一緒に煮てソースを作って…というように、地域の中で完結されているものが本来のフランス料理の在り方だと思います」
そんなフランス料理の精神を大切にしている杉本シェフは、今回紹介したレシピのように、季節ごとの味覚を余すことなく使うために、日頃から常に「これは何かに使えないか…」とアイデアを練っているという。

そんなユニークな発想から生まれたものの一つが、「パンから生まれたパン」を使ったフレンチトースト。
「ホテルのベーカリーでは約40種類のパンを焼いているんですが、型に入れて成形する際にどうしても生地が余ってしまいます。以前はそれを一度焼いてから廃棄していたんですが、どうにか有効活用できないだろうかと考え、さまざまな種類の余った生地を新たなパンとして1つにまとめて焼き、フレンチトーストに活用しました」
ちなみに、フレンチトーストを表すフランス語「パン・ペルデュ」には「失われたパン」。固くなって、食べ頃を逃してしまったパンを最後まで食べきるために生まれたフランスのデザートだそう。

テクノロジーの進化によって実現した、新しいサステナブルのカタチ

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また、いま新たに取り組んでいるのが、紅茶に添えるレモンの皮や、栄養価が高いのに捨ててしまいがちな野菜の皮を使った塩づくり。
「出汁を取った魚の骨も、オーブンでパリパリになるまでローストして完全に水分を飛ばし、粉砕すれば最後まで余すことなく使うことができます。これは、伝統的なフランス料理の考え方に、現代のテクノロジーが加わることで生まれた新しいサステナブルの形です」

今後も、食育の観点から、味覚体験やフランス料理の調理法をテーマにしたイベントを行うなど、料理を通してSDGsについて考えるきっかけを提案したいと話す杉本シェフ。
「ホテルだからこそできる提案があると思っています。サステナブルな観点から生まれたものが商品化できたら、その売り上げの一部を寄付したりと、新しい循環を作ることができたら理想だと思います」

日本を代表するホテルとして、長年に渡ってサステナブルな活動に取り組む

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2001年より「環境委員会」を発足し、環境負荷を減らすためにさまざまな視点から取り組みを進めてきた帝国ホテルグループ。昨年4月からはさらにSDGsに積極的に取り組む「サステナビリティ推進委員会」に名称を改め、フードロス対策やプラスチックごみの削減、生ごみのリサイクルなどを担当する「3Rチーム」と、エネルギー使用量やCO2削減を目的とした「省エネルギーチーム」を設置。
太陽光など自然エネルギーから作られたグリーン電力を積極的に採用する、使用した紙パックや紙製コースターをリサイクルし、再度ホテルで購入するなど、多岐に渡ってプロジェクトを展開している。

こうした日々の取り組みが、環境を守り、社会を変えるきっかけに。私たちも身近なところから、はじめてみませんか?

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