ガチ中華の次はガチ"タイ"だって!? 急増中のタイ式焼肉“ムーガタ”を食べてきた。

  • Marisol ONLINE
  • 更新日:2023/09/20

タイの若者に人気のグルメが、日本でもじわりと席巻中!食べねば!

かつて、私の敬愛するエッセイスト
東海林さだお師匠が、こう綴っておられました。

「すき焼き」は「焼き」がその名に付くのに
実際に肉を焼くのは、最初だけであり
以降は割り下(関東)や野菜の水分(関西)で
煮て食べる料理である。
料理名と実体の乖離を指摘せざるをえない。
最初の肉を焼く行為は、
「すき焼き」という名前を保持するための
いわば儀礼、免罪符に過ぎないのではないか。

(どの本だったか覚えていないので、
まあこういう感じだった、くらいでご容赦ください)

私はこの文章を読んで、
さすが師匠、本質を突いたご指摘!と激しく首肯し、
以来、すき焼きを食べるたびに
疑惑の視線を向けていたのですが
このたび、もしかしたらこの大いなる疑問に
ある答えを示すのかもしれない料理に出会いました。

ムーガタ(หมูกะทะ)

「ムー」は豚肉、「ガタ」は浅い鍋を意味し、
日本では「タイ式焼肉」と紹介されています。

コロナ中にタイで流行ったそうで、
最近、日本のタイ料理店でも
ムーガタを提供するお店が急増中の模様。

検索すると、都内に3店舗を展開するムーガタ専門店、
その名もMOOKATAがあるとのこと。
さっそく湯島本店に行ってきました。

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6時くらいに到着したら満席だったので、予約推奨です。

オーナーは日本人と聞いたのですが、
この日いらした店員さんは2人ともタイの方で
日本語がほとんど通じない!
そしてお客さんはほぼ全員タイ人と思しき若者。
いいわ~、ガチだわ~。

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屋内なのに、まるでバンコクの高架下のような雰囲気。

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ポスターや貼り紙も基本タイ語オンリー。

ムーガタはビュッフェ形式での提供で、2499円。
(毎週木は女性限定で1999円だそう)
人数分注文したら、食材をカウンターに取りに行きます。

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「ムー」は豚肉なので豚肉メインですが、エビやイカなどもあります。

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各種野菜。

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カウンター全景。食材はおかわり自由です。

食材を自分のテーブルで調理するのですが、
使う鍋は、ジンギスカン鍋のような
中央が盛り上がった形。
そして周りのフチに、スープを注いでおくのが
ムーガタ最大の特徴です。

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鍋が温まったら、肉類を上部で焼き、
同時に下部のスープで野菜類を煮つつ、
ひたすら食べます。

このあたりで聡明な読者諸君はすでに
あっ…(察し)
ってなってると思うのですが、
そうなのです、この食べ方だと
肉を焼く工程が途中でなくならないのです。
「焼く」と「煮る」が
食べ始めから終わりまで、同時進行なのです。

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焼き上がった肉はそのままタレにつけて食べてもよし、
ですが、焼いてから一度スープでしゃぶしゃぶすると、
焦げ目がついて香ばしいのに、
鍋料理のお肉の味がするという
ハイブリッドな新・味・覚!
余計な脂が落ちるからか、非常に美味しい。

「焼く」と「煮る」のいいとこどりをしたムーガタこそ
「すき焼き」の本質にもっとも近い料理ではないか、
と思ったのです!
いかがでしょう、東海林先生!

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スープが薄味なので、タレを付けて食べます。どちらも唐辛子たっぷりですが、赤い方がやや辛さ控えめ。

ちなみにタイスキという料理は昔からありますね。
あれは名前は日本のすき焼き由来なのに
肉を焼く「儀礼」すら無しで、
最初から具材を煮て食べる純然たる鍋料理ですが、
タイスキが忘れた「すき焼き」というルーツを
ムーガタが取り戻した、とも言えるんじゃないだろうか。
おお、なんと奥深きムーガタの世界……。

ところで私はバンコク出張の直後に
このお店に行ったのですが、
サイドに頼んだ一品料理(別料金)は
現地の味そのものでした!

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辛さと旨さと甘さと酸っぱさが束になって襲ってくるソムタム。

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グリルしたイカに、清涼感のある青唐辛子ソースをかけて。

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私が一番気に入った、甘辛いタレがかかったプリプリの肉団子。

デザート(ビュッフェに込み)は
タピオカココナッツミルクだったのですが
ここのはちょっと変わってた。

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上の写真の黄色と緑色の小さいボールの正体が
噛んでも味わっても全然わからなかったので
店員さんにこれは何ですか、と聞いたら
さっとGoogle翻訳に入力して見せてくれた画面に
「レンコン」と。

言われてみれば、
シャキシャキの歯ざわりはたしかにレンコン。
甘いココナッツミルクと、意外な相性の良さでした。

ちなみにお店は冷房ガンガンですが
なんせ焼くと煮るが同時進行のため
煙と湯気のダブルパンチで猛烈に暑いので、
個人的にはもう少し涼しくなってから
行くことをお勧めいたします。

食べログのリンクはこちら↓

【リンク】MOOKATA湯島本店

MOOKATAは他に新宿店と浅草店があります。
ここ以外にもムーガタを提供しているお店が複数あるので、
気になる方は検索してみてくださいね。

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No.132 はるか

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