進学の夢を諦めさせない...フードバンク団体が奨学金プロジェクトを開始 「貧困の連鎖を解消したい」《新潟》

進学の夢を諦めさせない...フードバンク団体が奨学金プロジェクトを開始 「貧困の連鎖を解消したい」《新潟》

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  • 更新日:2022/09/23
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進学の夢を諦めさせない…フードバンク団体が奨学金プロジェクトを開始 「貧困の連鎖を解消したい」《新潟》

経済的に厳しい家庭の子どもたちが進学の夢を諦めることのないよう新たな取り組みが始まっています。

ことし4月、あるプロジェクトが立ち上がりました。

〈一般社団法人「未来応援奨学金にいがた」 高井盛雄理事長〉

「“未来応援奨学金”。文字通り、子供のこれからの将来をつくっていくということで、いま私たちができることをやっていこうと」

『未来応援奨学金にいがた』。返済の必要がない“給付型奨学金”を支給するプロジェクトです。

発起人の土田雅穂さん。「フードバンクしばた」の副代表として食料品を届け、無料塾を開くなどして経済的に厳しい家庭を支えてきました。活動をする中で、進学をあきらめる子どもたちがいることを知り給付型奨学金の必要性を感じたといいます。

〈フードバンクしばた 土田雅雄さん〉

「貧困の連鎖・貧困の格差を将来的に解消するためには、これだけじゃダメなんですよ。努力すれば高校だって大学だって行けるんだっていう、そういう社会がどうしても必要。(フードバンクの活動を)やっていけばやっていくほど感じますね」

奨学金は高校生に月5000円、大学生等に月3万円を支給。資金はすべて寄付金でまかないます。家族や本人が県内在住であることが条件で、世帯所得や作文などの書類審査のほか選考委員会による面接で支給対象者を決定します。

県内の大学や高校、社会福祉協議会などを通じで募集をかけると、わずか3週間ほどで400通ほどの申請書が寄せられました。

〈フードバンクしばた 土田雅雄さん〉

「『わたしの家庭は母子家庭です。私は現在、塾講師のアルバイトをしながら生活をしています。今後、資格所得などでより学業に専念したいと思っているため、これ以上勤務時間を増やす事は難しい状況です』…お母さんが月収11万円だってさ」

申請書には切実な思いがつづられていました。

奨学金を申し込んだひとり、タケルさん(仮名)です。関東の私立大学で経営学を学んでいます。父親の経営していた会社が倒産し、家族は現在生活保護を受けています。

このまま大学を続けられるのかわからない状況です。

〈関東の私立大学に通う タケルさん(仮名)〉

「毎日休みなく知り合いの所とか日払いとかで働いてお金貯めて。大学にもお願いして『(学費の)納期遅れます』といって、いまも3か月か4か月遅れて払うんですけど、払ったら次の納期の手紙がすぐきて…その繰り返し。(思っていたのとは)全然違う生活になってしまって、どうしたらいいのかわからない。でも働かないといけないし。家族に学費を頼ることができないので。勉強はしたいし、途中でやめたくはない」

〈関東の私立大学に通う タケルさん(仮名)〉

現在借りている奨学金は月10万円ほど。この奨学金と日雇いの仕事でなんとか学費と生活費をまかなっています。低所得世帯にはおととしから授業料などが免除になる“無償化制度”が始まりましたが、学費や生活費を稼ぐことに必死で成績の要件を満たすことができませんでした。

〈関東の私立大学に通う タケルさん(仮名)〉

「とりあえず授業聞いて、終わったら急いで帰って準備して仕事にいって。勉強する時間がないですね。勉強ができないのが悔しいですね、学びたいのに。」

進学率の調査結果によると、生活保護世帯は大学などへの進学率は約37%で全世帯の進学率を大きく下回っています。

長年、公務員として生活保護の受給などに携わってきた新潟大学の中村健准教授です。世帯収入と進学率の関係について次のように指摘します。

〈新潟大学腔生命福祉学科 中村健准教授〉

「日本は先進国の中で教育費が高いと言われていますし、家計に占める教育費の割合も多いといわれています。その反面、公的支出が 先進国の中で低いということで、どうしても子供に十分な教育を受けさせるにはお金がかかる。それは家庭の財力に影響を受ける」

さらに、生活保護世帯にはある問題も潜んでいるといいます。

〈新潟大学腔生命福祉学科 中村健准教授〉

「生活保護制度は子供が大学に進学したいとなると“世帯分離”といって大学や専門学校にいく子供を生活保護の対象から外すんですよね。健康保険料も年金保険料も医療費も自分で払わなきゃいけない。となると大学・専門学校にいくと経済的な負担がかかる」

この日、土田さんは地元の企業を訪ねていました。

寄付金を集めるため県内を飛び回り活動に賛同してくれる企業を探しています。

長年、フードバンクの活動を支援してくれている地元の酒蔵・菊水酒造。奨学金のプロジェクトにも賛同してくれました。

〈菊水酒造 高澤大介社長〉

「子どもにそういう思いをさせちゃいけないでしょ。普通に食べて 普通に学校にいける、最低限そうしてあげなきゃいけないよね。“子供は宝”どいうけど、まさにそうですよね。日本の未来の話なんですよ。日本の未来の芽をつむようなことになってはいけない」

活動に賛同する企業や団体が徐々に増えてきている一方、希望する学生が想定より多く資金が足りていないのが現状です。

ひとりでも多くの学生を支援できるよう、今後はクラウドファンディングでも資金を集める予定だといいます。

〈フードバンクしばた 土田雅雄さん〉

「未来に希望がもてる、頑張ればできる大学にいける、そういう希望がもてる社会にどうしてもしたい」

庭環境に左右されることなく、高校や大学に進学できるように…。子どもの貧困をなくそうという活動はまだ始まったばかりです。

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