今やトレンドの「J2経由J1入りの大卒選手」。今季ブレイクしそうな8人

今やトレンドの「J2経由J1入りの大卒選手」。今季ブレイクしそうな8人

  • Sportiva
  • 更新日:2021/02/23

『特集:Jリーグが好きだっ! 2021』
J2経由J1入りの大卒選手。今季のブレイク候補

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今回は、近年活躍選手が数多く出ているJ2経由でJ1入りを遂げた大卒選手にスポットを当て、今季J1入りしてブレイクしそうな選手たちを紹介する――。

昨季J1は、王者・川崎フロンターレの切り札となった三笘薫を筆頭に、大卒ルーキーの活躍が目立ったシーズンだった。すでに近年、Jリーグでは大卒選手の価値が次第に高まってはきていたが、その傾向がわかりやすい形ではっきりと表われたのが昨季である。

とはいえ、J1で活躍する大卒選手が皆、三笘のように大学から直接J1クラブ入りするわけではない。

古橋亨梧(中央大→FC岐阜→ヴィッセル神戸)、坂元達裕(東洋大→モンテディオ山形→セレッソ大阪)らのように、大卒選手がJ2クラブを経由してJ1へ"個人昇格"するケースも増えている。古橋に至っては日本代表にも選出されたのだから、J2経由の選手といえども侮れない。

そして今季もまた、昨季まで(J3以下のカテゴリーも含めて)J2クラブに所属していた大卒選手が数多くJ1クラブへの移籍を果たした。その数、実に20人超。"J2経由"はサッカー選手がJ1へたどり着くためのひとつのルートとしてもはや完全に確立され、貴重な人材供給源となっていると言っていいだろう。

ただし、彼らにとってJ1クラブに入ることがゴールではない。重要なのは、そこで活躍できるか否か、である。

だとすれば、J1入りしたあとの伸びしろを考えると、J2でのプレー年数は短いほうがいい。J2に長く埋もれることなく、早く才能を見出され、より高いレベルの環境に身を移すことで、さらなる成長を遂げる。そんな成長の仕方が理想的だ。

そこで古橋や坂元もそうであったように、J2でのプレー年数が2年以内の選手を中心に、今季活躍が期待される「J2経由J1入りの大卒選手」を見ていきたい。

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今季、ギラヴァンツ北九州から清水エスパルスへ移籍したディサロ燦シルヴァーノ

まず名前を挙げるべきは、ギラヴァンツ北九州から清水エスパルスへ移籍した左利きのストライカー、ディサロ燦シルヴァーノだろう。

三菱養和SCユースから法政大を経て一昨季、当時J3の北九州入りしたディサロは1年目に7ゴールを挙げ、チームとともにJ2昇格。昨季は自身初のJ2挑戦でありながら、ピーター・ウタカ(京都サンガ)の22ゴールに次ぐ得点ランク2位の18ゴールを叩き出した。もちろん、日本人選手トップの数字である。競り合いでの力強さとポジショニングの巧みさを兼ね備えた点取り屋は、チーム総得点59のうちおよそ3分の1をひとりで稼ぎ出した。

昇格1年目ながら5位へと躍進を遂げた北九州を最前線で引っ張る活躍は早くから注目を集め、ディサロは大卒3年目にして日本のトップリーグにたどり着いた。過去、J2でのブレイクをステップに、J1での活躍につなげたストライカーは多いだけに期待される選手である。

ディサロには及ばなかったものの得点ランク6位タイ(日本人選手4位タイ)という結果を残し、J1入りをつかんだのは、ツエーゲン金沢からセレッソ大阪へ移籍した加藤陸次樹である。

サンフレッチェ広島ユースから中央大を経て、昨季金沢入りした加藤は、ルーキーながらリーグ戦全試合に出場。背後への抜け出しを武器にチーム最多13ゴールを挙げた得点力もさることながら、前線から果敢に相手を追う守備力への評価も高い。

今季のC大阪は若手の起用に積極的なレヴィー・クルピ監督が就任したこともあり、出場機会は巡ってきそうだ。

そのC大阪は坂元という成功体験があるからか、今季はJ2経由の大卒選手獲得に熱心だ。加藤の他にも、アルビレックス新潟の新井直人(新潟経営大出身。J2在籍2年)、ジェフユナイテッド千葉の鳥海晃司(明治大出身。同3年)と、ふたりのDFを獲得しているのが目を引く。

C大阪同様、複数の大卒選手をJ2クラブから獲得したのは、浦和レッズだ。

栃木SCから移籍の明本考浩はもともと栃木のアカデミー育ちで、国士舘大を経て、昨季古巣の栃木入り。登録はMFながら攻撃力に優れたレフティは、シーズン途中からは主に2トップの一角でプレーし、マルチロールぶりを披露した。結果としてチーム最多タイの7ゴールを挙げたことも、自らのアピールへとつながっただろう。

同じくFC琉球から移籍の小泉佳穂は、前橋育英高から青山学院大を経て、一昨季琉球入り。1年目は12試合の出場にとどまったが、昨季はトップ下やボランチを中心に38試合出場で6ゴールを記録。攻撃的なスタイルを志向する琉球にあって、ピッチ中央で攻撃にアクセントを加えるプレーぶりで存在感を際立たせた。

いずれもJ1初挑戦、しかも、J随一の人気クラブでプレーするとあってプレッシャーもあるだろうが、昨季は対戦相手として彼らを見ていたリカルド・ロドリゲス新監督が、個人昇格組の新戦力をどう生かすのかは楽しみだ。

また、変わったキャリアが目を引くのは、ザスパクサツ群馬からコンサドーレ札幌へ移籍した岡村大八である。

前橋育英高から立正大を経て、一昨季J3の群馬入りした岡村は、ほとんど出場機会に恵まれないまま、シーズン途中に当時JFLのテゲバジャーロ宮崎へ期限付き移籍。結局、1年目はJFL出場9試合、J3出場3試合というわずかな実績しか残せず、群馬の昇格とともに昨季のJ2初挑戦を迎えていた。

ところが、身長183cmというチーム屈指の大型CBは、昨季J2で突如覚醒。リーグ戦全試合フル出場の活躍で、群馬の最終ラインを支え続けた。わずか2年でJFLからJ1まで駆け上がった岡村が、日本最高峰の舞台でどんな活躍を見せてくれるのかは気になるところだ。

そして最後に、J2からの個人昇格組で比較的活躍しやすいタイプ、すなわち、テクニックのあるドリブラーをひとり挙げておきたい。それが、V・ファーレン長崎からベガルタ仙台へ移籍した氣田亮真である。

千葉U-18から専修大を経て、昨季長崎入りした氣田は、キレのいいドリブルが最大の武器。左右MFをこなすが、右利きとあって、やはりカットインから中央に切り込める左サイドでこそ威力を発揮する。昨季前半はまだプロの環境に適応できなかったのか、控えや途中出場が主だったが、終盤戦では先発メンバーに定着し、32試合出場4ゴールの記録を残している。

氣田にとっては自身初のJ1挑戦ではあるが、昨季長崎を率いた手倉森誠監督が今季から仙台の新監督に就任。自分の特長をよく知る指揮官の下でプレーできるのは、大きなメリットだろう。当然、指揮官としても計算できる戦力と考えているはずである。

以上、個人昇格組の中から8人の大卒選手の名前を挙げたが、もちろん、これ以外の選手が活躍したとしても何ら不思議はない。むしろ、こうして少し回り道をしてきた選手だからこそ、まだまだ底が見えていない意外な選手がブレイクするのかもしれない。

シーズンを重ねるごとに、Jリーグでの存在感を増している大学出身の選手たち。なかでもひそかなトレンドとなりつつあるJ2経由J1入りの大卒選手に、今季もまた注目である。

浅田真樹●文 text by Asada Masaki

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