一矢報いる東大に異色の道たどる外野手あり 赤門野手初のNPB入り目指す阿久津怜生/武田千怜のアナザーストーリー(23)

一矢報いる東大に異色の道たどる外野手あり 赤門野手初のNPB入り目指す阿久津怜生/武田千怜のアナザーストーリー(23)

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  • 更新日:2022/09/23

今秋の東大はひと味違う。東京六大学野球の秋季リーグ開幕戦(9月10日)で、春の王者、明大と引き分け(3-3)、17日の慶大1回戦では2021年秋の立大戦以来、2季ぶりの白星(4-3)を挙げた。エースの井沢駿介投手(4年)=札幌南=を援護する攻撃力が備わった。

元中日投手で東大OBの井手峻監督(78)が「攻撃でも対抗できるようになってきた」と手応えを示す打線。その中心にいるのが、プロ志望届を提出した阿久津怜生(れお)外野手(4年)だ。

1997年秋以来の最下位脱出を目標に掲げ、「チームの勝ち点につながる結果を残したい」と強い覚悟で臨む大学ラストシーズンは、主に「2番・右翼」で開幕から全5試合に出場し、リーグトップタイの2本塁打をマーク。打率はチームトップの・421(19打数8安打)で、4打点、4盗塁(9月21日現在)を記録する。

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東大・阿久津怜生(左)と井沢駿介

身長172センチと小柄ながら、爆発的なパワーとスピードを発揮する左打者は、異色の経歴の持ち主だ。栃木・清原中では陸上部に所属。短距離選手として実力を伸ばし、3年時には400メートルで全国優勝を果たした。栃木県内屈指の進学校である宇都宮高では、小学生時代にやっていた野球に打ち込んだ。

現役で東大経済学部 に合格。「神宮で勝ちたい」と〝学生野球の聖地〟に憧れを抱いていたものの、野球部には入らなかった。入学時は体重が60キロ。高校で使用する金属バットよりも芯が狭い木製バットで飛ばすだけのパワーに自信が持てなかったため、アメリカンフットボール部に入部した。50メートル走6秒1の快足を生かし、パスを受けて走るランニングバック(RB)を務めた。

アメリカンフットボール挑戦が大きな転機となった。ウエートトレーニングと1日7食をとる〝食トレ〟を行い、1年半で体重が15キロ増加した。体力に自信が持てるようになり、2年時の8月に野球部に転部。アメリカンフットボールで培ったスピードとパワーを最大限に発揮し、3年春にレギュラーに定着した。

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慶大1回戦で勝利し、仲間に右拳を掲げる東大・阿久津怜生(前列左)

今夏は例年以上にバットを振り込み、「実戦の中で逆方向に強い打球を打てるようになってきた」とミート力がアップ。ライバルに一矢報いる結果を残している。

過去に東大からプロ入りした選手は6人。全員が投手のため、野手でのNPB入りとなれば東大史上初となる。「やれるところまで自分を試したい」。運命のドラフト会議は10月20日。ヤクルトの安打製造機、青木宣親外野手に憧れる22歳が、秋の神宮でアピールを続ける。(サンケイスポーツ・アマチュア野球担当)

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