関西を中心に活躍する男性ボーカル・ユニット「スキマジカン」が、神戸をテーマにした「BE KOBE・Good-Luck!!」をリリースした。海をイメージさせるさわやかなメロディーと歌詞で、5月の神戸まつりでも披露する。2人は新型コロナウイルス禍で一時、にぎわいを失った街を再び活気づけたいと願う。「街中でこの歌が口ずさまれ、人々の胸に夢と希望を届けたい」と抱負を口にしている。

「神戸中で流れる歌に育てたい」と話すスキマジカンの上地賢人さん(右)と中野佑哉さん=神戸市中央区
ともに26歳の神戸市須磨区出身の上地賢人(かみじまさと)さん、芦屋市に住んだことのある中野佑哉さん。音楽を通じ18歳で出会い、20歳で他のメンバーを加えた4人組のダンス・ボーカルグループとして、関西のライブハウスなどで活動を始めた。
だが新型コロナの影響でライブハウスが休館となり、舞台を奪われた。グループも解散。それでも歌が好きだった2人は2021年にユニットを結成し、路上ライブなどで地道に歌声を響かせた。「スキマジカン」の名前は、仕事の隙間を生かして夢を追う自分たちの姿を表す。
それがラジオ関西の番組関係者の目に留まり「BE KOBE-」を歌わないかと誘われた。
作詞は同局の番組「SAXYラジオ」(日曜午後9時)のパーソナリティーで、作詞家の横井秀仁さん(66)。過去に神戸をモチーフにした作品を創作し、今は番組で流れる高校生の恋愛ドラマ「神戸からのラブソング」の脚本も手がける。スタッフから阪神・淡路大震災から28年になるのを機に、神戸をアピールする作品をつくってほしいとの要望があり、引き受けた。
横井さんは尼崎出身で、震災当時、銭湯を営んでいて被災。直後は傷んだ浴槽で湯を沸かし、市民に風呂を開放した。仕事でラジオ関西のスタジオから神戸の街をながめるたび、「あのどん底からよく復興した」と感慨にふけるという。そこで思いついたのが「街にかかる希望の虹」。歌詞に、その強い思いが伝わる。
♪街の息吹きに飛び立つ水鳥/西の暁にまだ残る星は/夢追う人の明日のそのために♪
作曲は上地さんで、須磨の水平線を見ながら浮かべた透明感ある旋律で彩った。「復興した街からコロナ禍の世界へ希望の明かりを広げる歌になれば」と上地さん。中野さんは「大きなテーマの作品をいただき貴重なチャンス。スキマジカンを知ってもらえる機会になれば」と話している。
ユーチューブのスキマジカンのチャンネルで配信中。