
2023年1月18日、観光庁が「訪日外国人消費動向調査」を行い、2022年10~12月期の全国調査結果(1次速報)の概要を公開。2022年10~12月期の訪日外国人旅行消費額は5952億円で、2019年の同期比50.9%減となりました。
同時期には海外からの個人旅行の受け入れや円安の影響もあったことから、訪日外国人の消費額が徐々に回復したことが見てとれます。今回は観光庁の最新データから訪日外国人の消費動向についてご紹介します。
国籍・地域別の消費額が最も大きいのは?
図表1の「国籍・地域別 訪日外国人旅行消費額と構成比」によると、2022年10~12月期の訪日外国人旅行消費額は5952億円(2019年同期比50.9%減)と推計されます。
国籍・地域別で最も大きいのは、韓国の1075億円(構成比18.1%)、次いで香港745億円(同12.5%)、米国689億円(同11.6%)、台湾612億円(同10.3%)の順となりました。

画像出所:観光庁
国別・地域別 訪日外国人旅行消費額と構成比
2022年10-12月期 (1次速報) 訪日外国人旅行消費額 5952億円
韓国 1075億円 18.1%
香港 754億円 12.5%
米国 689億円 11.6%
台湾 612億円 10.3%
その他 468億円 7.9%
中国 461億円 7.7%
タイ 324億円 5.4%
シンガポール 301億円 5.1%
オーストラリア 233億円 3.9%
ベトナム 201億円 3.4%
マレーシア 127億円 2.1%
インドネシア 122億円 2.1%
英国 107億円 1.8%
フィリピン 107億円 1.8%
フランス 94億円 1.6%
カナダ 83億円 1.4%
ドイツ 65億円 1.1%
インド 49億円 0.8%
イタリア 38億円 0.6%
スペイン 27億円 0.6%
ロシア 22億円 0.6%
【インバウンド】データで公開。観光庁が2023年訪日外国人の消費動向調査を発表(画像出所:観光庁)
費目別にみる訪日外国人の旅行消費額
また訪日外国人の旅行消費額を項目別で見ると、宿泊費が33.8%と最も多く、次いで買物代(29.3%)、飲食費(21.8%)の順に。2019年同期と比べると宿泊費の構成比が増加したことが分かります。

画像出所:観光庁
訪日外国人旅行消費額の費目別構成比
2022年10月~12月期(1次速報)
宿泊費 2014億円 33.8%
買物代 1743億円 29.3%
飲食費 1297億円 21.8%
交通費 641億円 10.8%
娯楽等サービス費 256億円 4.3%
その他 1億円 0.0%
訪日外国人1人当たりの旅行支出について
訪日外国人(一般客)1人当たりの旅行支出は21万2332円で、2019年同期比で24.6%増となりました。

画像出所:観光庁
訪日外国人1人当たり旅行支出と訪日外国人旅行消費額
a.1人当たり旅行支出
全国籍・地域(一般客)21万2332円 2019年比+24.6%
b.訪日外国人旅行者数
全国籍・地域(一般客) 280.3万人 2019年比-60.1%
クルーズ客 0.0人 2019年比-100.0%
全体 280.3万人 2019年比-62.4%
a×b 訪日外国人旅行消費額
全国籍・地域(一般客)5952億円 2019年比-50.2%
クルーズ客 0.0円 2019年比-100.0%
全体 5952億円 2019年比-50.9%
また1人当たりの旅行支出を費目別に見ると、宿泊費が7万1850円と最も高く、次いで買物代(6万2191円)、飲食費(4万6257円)の順になりました。平均泊数は入国日と出国日から算出しており11.5日となっています。

画像出所:観光局
訪日外国人1人当たり旅行支出(円/人)
全国籍・地域(一般客)
宿泊費 71850円
買物代 62191円
飲食費 46257円
交通費 22863円
娯楽サービス費 9150円
その他 22円
総額 21万2332円 2019年比+24.6%
さらに一般客のうち観光・レジャー目的で日本を訪れた外国人の1人当たりの旅行支出は20万円(2019年同期比20.0%増)と推計されます。
費目別に見ると、宿泊費が6万2930円と最も高く、次いで買物代(6万2336円)、飲食費(4万5558円)の順になりました。平均泊数は入国日と出国日から算出しており6泊となっています。

画像出所:観光庁
訪日外国人1人当たり費目別旅行支出(観光・レジャー目的)
全国籍・地域(一般客)
宿泊費 62930円
買物代 62336円
飲食費 45558円
交通費 22315円
娯楽サービス費 6902円
その他 22円
総額 20万0062円 2019年比+20.0%
2023年はインバウンド需要が本格回復か
2022年10月~12月は訪日韓国人を中心に消費が徐々に回復してきたことが分かりました。2023年以降はインバウンド需要が本格的に回復する兆しを見せており、今後さらに訪日外国人の消費が増えていくのではないでしょうか。
参考資料
【訪日外国人消費動向調査】 2022年10-12月期の全国調査結果(1次速報)の概要(観光庁)
LIMO編集部