【産婦人科専門医に聞く】興味はあるけど、実際どうなの?「卵子凍結」のメリット・デメリット

【産婦人科専門医に聞く】興味はあるけど、実際どうなの?「卵子凍結」のメリット・デメリット

  • ヨガジャーナルオンライン
  • 更新日:2022/01/15
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最近よく耳にする「卵子凍結」。興味はあるけれど、実際どうなの?メリットとデメリットは?そんなギモンを解消すべく、産婦人科専門医・山中智哉先生にお話を伺いました。

女性の社会進出、晩婚化が進む昨今。仕事と出産の両立や将来に迷う女性たちの間で、耳にすることが増えた「卵子凍結」。そもそも卵子凍結ってどんなもの?まだまだ情報が少なく、一歩が踏み出せないという方も多いのではないでしょうか。そこで、東京・麻布十番にある体外受精を中心とした不妊治療専門クリニック「麻布モンテアール レディースクリニック」院長で産婦人科専門医の山中智哉先生にお話を伺いました。

卵子凍結とは?

もともと「卵子凍結」は、卵巣がんや乳がんなど、何らかの癌にかかった女性が、その治療のために手術や抗がん剤治療、化学療法を行なうことによって、正常な卵巣の機能が失われる前に、将来のために健康な卵子をエスケープさせる、ということが目的ではじまりました。いまでは、しばらく結婚や出産の予定はないけど、健康な卵子を凍結しておき、将来の結婚や妊娠・出産に備えようということも目的に行う人が増えています。

「通常、1回の月経周期で排卵される卵子はひとつですが、もともとどの周期にも、育つ可能性のある卵胞が複数個あります。排卵誘発剤を用いることで、それらの卵胞も発育させることができ、育った卵胞から卵子を吸引(採卵)します。採取した卵子は、ガラス化凍結法と呼ばれる超急速冷凍法で凍結。妊娠したいタイミングで、融解した卵子に採取した精子をふりかける、またはひとつの精子を卵子の中に注入する顕微受精で、受精させます。そしてその受精卵を子宮に入れる胚移植を行います」(山中先生)

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卵子凍結のメリット・デメリット

<メリット>

▶︎若いうちの卵子を将来の妊娠のために保管しておくことができる

▶︎がんに罹患して、放射線や化学療法を受ける必要がある場合、それらの治療によって卵巣機能にダメージを受ける前に、卵子を確保することができる

▶︎キャリアなどを気にせず、ライフプランを立てやすい。将来を不安に思うことなく仕事に集中できる

「卵子も細胞の1つ。加齢により皮膚が老化してシワが増えたりたるみが気になったりするのと同じように、卵子も年齢による老化はあります。ですから、元気な卵子を凍結しておくことは将来の不安を軽減させることにもつながります。ただ年齢で判断されがちですが、不摂生をして暮らしてきた40歳と、食生活もきちんとしていて持病もない40歳では、全然違うので個人差があります。年齢を重ねることで卵子のパワーは下がるかもしれないけど、下がらない人もいます。まずは自身の体の状態を知り、それに合わせたライフプランを立てることが大切です」(山中先生)

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<デメリット>

▶︎結婚や妊娠の意識が薄くなってしまう可能性がある

▶︎凍結卵子があれば、必ず妊娠できるというわけではない

▶︎卵子凍結しているからと安心してしまう。凍結卵子に油断・期待してしまう

▶︎高額な費用がかかる

「卵子凍結は、将来の妊娠できる可能性を高めてくれるものではありますが、絶対ではありません。凍結卵子があるからといって、不摂生をして体調管理を怠ったり、期待しすぎたりしてしまわず、あくまで保険だと考えておくことも大切。デメリットだと言えるかわかりませんが、結婚後に凍結卵子で妊娠するかパートナーと話し合う必要があることも想定しておきましょう」(山中先生)

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こんな方は卵子凍結を検討してみては?

30代前半でも早発閉経や病気による卵巣機能低下など、年齢に関わらず将来の妊娠に不安がある方が増えています。

「卵巣機能が低下しているから諦めるという選択ではなく、少なくても卵子ができるうちに採って保管しておくというのも手。閉経してしまうと可能性はゼロになってしまいますが、卵子を保管しておけば、閉経してからでも子宮はホルモン剤などで環境を整えて、出産することは不可能ではない時代です。卵子凍結をしておくことで、将来の選択肢が増えることにも繋がります」(山中先生)

教えてくれたのは……山中智哉医師
医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医。現在、「麻布モンテアール レディースクリニック」にて、体外受精を中心とした不妊治療を専門に診療を行なっている。

高野瞳

編集・ライター。出版社や編集プロダクションを経て、独立。学生時代にオーガニックコスメに出合い、アロマテラピーや漢方、サスティナブルなライフスタイルなどにも関心を持つようになる。現在は、ライフスタイルや美容など幅広い分野の雑誌やwebメディアで執筆中。アロマテラピー検定1級、ルボア認定フィトアドバイザー取得。趣味は、旅行と散歩。

高野瞳

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