イランの強硬外交 「コロナ対策とウラン濃縮」

イランの強硬外交 「コロナ対策とウラン濃縮」

  • TBS NEWS
  • 更新日:2021/01/14

「World特派員リポート」。今回は、中東・イランです。アメリカの大統領の交代が近づいている中、核開発を加速させるなど、強硬な姿勢を鮮明にしたことで緊張が高まっています。今後は、どうなるのでしょうか?須賀川記者の報告です。

イランによる強硬な外交姿勢、注目したい柱は2つあります。1つ目は、「新型コロナ対策」です。イランでは去年11月頃、1日の新規感染者数が1万4000人近くを記録。一時は医療崩壊状態だったとも伝えられています。

そんな中、最高指導者ハメネイ師は8日、欧米が開発したワクチンについて「信用できない」「他国でワクチンの効果を試そうとしている可能性もある」などとして、輸入を禁止すると発表しました。イラン市民からは、怒りとともに、あきれたという声も聞こえてきています。

「(政府は)キューバとワクチン開発すると言っている。アメリカの実験台にされたくないというのに、キューバのモルモットだったらいいのか?」(イラン市民)

「(輸入禁止について)みんな失笑している。まるでジョーク。もはや怒りを通り越した」(イラン市民)

そして、2つ目の柱は核開発をめぐる動きです。一連の対立の引き金を引いたのは、アメリカによる一方的な“核合意の離脱”と“経済制裁”でした。追い詰められたイランは先月、核開発を大幅に拡大させる法案を可決しています。

その後、年明けにはウランの濃縮度を20%に高める作業が始まりました。ウラン濃縮というのは、20%までが一番大変で、この数字が達成されれば、濃縮度90%の兵器級ウランを作る工程の9割が終わっているとされていて、20%というのは後戻り出来なくなるギリギリのラインなのです。アメリカも「核による恐喝」と厳しく批判しています。

Q.今の2点からもまさに、欧米への強硬な外交姿勢が見て取れますが、アメリカがバイデン政権になることでどう変化しそうですか?

強硬なトランプ政権よりは、多少は期待できるのですが、まだまだ先行きは不透明です。そもそも、イランがこれほど強硬な外交姿勢を取る背景には、まず、去年の11月の核科学者暗殺があります。核科学者を失ったことは、イランの開発部門にとっても痛手、かつイランから見ればテロ行為なのです。この事件は、議会にとっても、核開発拡大の法案を可決させる強い後押しにもなったわけです。

一方、国民生活を圧迫するアメリカの経済制裁解除は、イラン指導部の大きな課題になっています。バイデン政権との交渉のタイミングまでに、可能な限り有利な制裁解除を引き出したいという狙いもあるはずです。

ただ、今回の核開発の拡大は、どう転ぶか分からない非常に危険な賭けで、バイデン政権との対話に持ち込めるのかどうか、懸念が高まっているのも実情です。(14日17:59)

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