あれ...これって黄疸?「母乳性黄疸って?」

あれ...これって黄疸?「母乳性黄疸って?」

  • マイナビウーマン子育て
  • 更新日:2020/11/21

新生児にはよく黄疸が見られますが、母乳を飲んでいる赤ちゃんの黄疸が長引いていたら、それは「母乳性黄疸」かもしれません。母乳性黄疸が疑われるときはどう対処すればいいのか、症状や原因とともにまとめました。

母乳性黄疸って何?

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「母乳性黄疸」はどんなものなのか、その症状と原因を紹介します。

母乳性黄疸の症状

実は新生児の黄疸は珍しいことではなく、生後1週間の間に多くの赤ちゃんに見られます。これは「生理的黄疸」と呼ばれ、一般的に生後2~3日から見られるようになり、4~5日でピークとなって、通常は1~2週間以内に消えていきます[*1, 2]。

ただ、黄疸がもっと長引くこともあります。その原因には、血液型不適合、出血、多血症、感染症、胆道閉鎖症などの病的なものもありますが、これらとは別に母乳によっておこる黄疸もあり、「母乳性黄疸」と呼ばれています。

母乳性黄疸は生後7~10日ごろから黄疸が出たり強くなったりして、生後2週間~数ヶ月にわたって続きます[*1, 2]。

母乳性黄疸の原因

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黄疸は全身の皮膚や粘膜が黄色くなること。血液中に存在する「ビリルビン」という物質が増えることで起こります。ビリルビンは赤血球が壊れるときにヘモグロビンが分解されてできるもので、肝臓で処理されて体外へ排出されます。

実は、新生児はもともと黄疸を起こしやすい状態です。その理由は大きく2つあります。ひとつは、新生児は赤血球の数が多いうえに、その分解が速く、ビリルビンが増えやすいから。2つめは、肝臓の機能が未熟で、体の中で増えたビリルビンを処理するのが追いつかないためです。成長に伴ってビリルビンの増え方が落ち着き、肝臓の機能が追い付いてくるとともに自然に治まっていきます。これらの理由があって、新生児には生理的黄疸がよく起こるのです。

一方で、母乳性黄疸は、母乳に含まれる物質が肝臓からビリルビンを排出するのを妨げることがあるために起こります。

母乳性黄疸かも? と思ったときの対処法

新生児の黄疸が続いて「もしかして母乳性黄疸かも?」と思ったら、次のように対処しましょう。

2週間以上黄疸が続いたら受診を

まず大切なことは、その黄疸が病気によるものではないことを確かめておくことです。新生児の黄疸が2週間以上続いたら、小児科を受診して相談しましょう。母乳性黄疸と診断されれば、多くは経過観察を行うことになります。詳しくは後述しますが、中には治療が必要となることもあります。

便や尿の色をチェック

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また、家庭でできることに、「赤ちゃんの便や尿の色のチェック」があります。これは、赤ちゃんの黄疸の原因となる病気に「胆道閉鎖症(※)」があるからです。

※胆道閉鎖症:胆汁が通る管(胆管)がふさがり、肝臓から腸へうまく胆汁を排泄できなくなる病気。そうであった場合は、できるだけ早い時期に手術を受ける必要がある

胆道閉鎖症の主な3つの症状は、「生後2週間以上続く黄疸」「薄い色の便(薄い黄色~白色の便)」「濃い色の尿」です。胆道閉鎖症の黄疸は、消えずに2週間以上続く場合もあれば、一度は消えたのにまた現れる場合もあり、母乳性黄疸にとてもよく似ています。ですから、黄疸以外に便や尿の色に異常が見られないか観察しておく必要があるのです。ただし尿の色に関しては家庭では判断が難しいため、便の色で判断するようにしてください。

この病気の症状は産院から退院した後に出てくるので、母子手帳の便色カードを参考に、普段から赤ちゃんの便の色をチェックするようにしましょう。もし1~3番の便色が見られたら、便を持参して小児科医の診察を受けてください[*3]。

母乳は基本的に続けてOK

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母乳にはメリットが多いので、母乳性黄疸があっても基本的には続けていいとされています。ただし、黄疸の程度が強いときには、医師から母乳の中止を指示されることもあります。

また、母乳以外に原因がないか確かめるために、2~3日間母乳をやめてミルクにして、血中のビリルビン値をチェックすることもあります。母乳性黄疸であれば、母乳を中止してミルクにすることで血中のビリルビン値が下ることが多いです。

治療・入院が必要になることも

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母乳性黄疸はたいてい自然に消えていくので、診断されたらそのまま通院しながら経過観察となることが多いようです。ですが血中のビリルビン値が高い場合、入院して検査や治療が必要となることもあります。

平成2年度の全国調査では、黄疸が続いて検査のために入院した症例481例のうち、271例が母乳性黄疸によるものでした[*4]。

赤ちゃんの体重などの状況によっても異なるため、入院となる基準ははっきり決まっているわけではありませんが、血清総ビリルビン値が20mg/dlを超えると、入院となることが多いようです[*5]。なお、入院した場合、治療では光を当ててビリルビンを分解する「光線治療」か「母乳の中止」、またはその両方を行います。

日光浴はしたほうがいいの?

赤ちゃん(新生児)の黄疸に対して行う「光線治療」では、青や緑色の特殊な光を赤ちゃんに当てます。これは、黄疸を起こすビリルビンには、光によって体外に排出されやすくなる特性があるからです。

日光にもこのような作用は多少ありますが、日光浴には紫外線による害もあります。赤ちゃんが黄疸かどうか気になったら、自己判断で日光浴をさせるのではなく、まず医師の診断を受け、その指示に従いましょう。

新生児黄疸について、くわしくは下記の記事も参照してください。

まとめ

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新生児の黄疸が続いても、母乳性黄疸であれば、健康や発達上は問題なく数ヶ月で自然に治まっていくことが多いでしょう。母乳も基本的には続けて大丈夫。ただし自己判断はせずに、黄疸が続くときは小児科を受診してくわしく調べてもらいましょう。家では便の色をチェックして、胆道閉鎖の疑いがないかは必ずチェックしましょう。母乳性黄疸でも、程度が強いときは治療や入院が必要となることがあります。医師に相談しながら対応していきましょう。

(文:佐藤華奈子/監修:大越陽一 先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]MSDマニュアル 新生児黄疸(高ビリルビン血症)
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/23-小児の健康上の問題/新生児における消化管および肝臓の異常/新生児黄疸
[*2]日産婦誌51巻6号,1999「新生児黄疸への対応」
http://fa.kyorin.co.jp/jsog/readPDF.php?file=to63/51/6/KJ00001746114.pdf
[*3]厚生労働省「胆道閉鎖症早期発見のための 便色カード活用」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/dl/kenkou-04-06.pdf
[*4]日本産婦人科学会香川地方部会雑誌「母乳育児ーその負の要因を中心にー」
http://www.med.kagawa-u.ac.jp/~perigyne/ksog/journal/pdf/bukai06.pdf
[*5]平成2年度厚生省心身障害研究「新生時期・乳児期の生活管理のあり方に関する総合研究 母乳性黄疸ー入院治療を要する症例についてー」
https://www.niph.go.jp/wadai/mhlw/1990/h0202040.pdf

この記事の監修ドクター
大越陽一先生
杏林大学医学部卒業、杏林大学医学部小児科学教室任期助教、埼玉県立小児医療センター循環器科医長を経て現在アルテミスウィメンズホスピタル小児科部長。小児科専門医

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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