米大統領選も原因に? 心臓発作とストレスの関連性を確認

米大統領選も原因に? 心臓発作とストレスの関連性を確認

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2020/10/18
No image

米国で2016年に行われた大統領選挙の投票日の次の2日間に、脳卒中や心臓発作といった心血管疾患(CVD)で入院した患者の数は、前週の同じ曜日の2日間と比べ、ほぼ2倍に増加していたという。

米国の統合医療システム(病院・健康保険サービス)大手、カイザーパーマネンテの研究チームは先ごろ、社会政治的ストレスと急性心疾患の関連性について行った調査結果を発表した。

米科学アカデミー紀要に掲載された論文によれば、カイザーパーマネンテが南カリフォルニア地域の加入者およそ460万人に関するデータを分析したところ、投票日の翌日からの2日間に脳卒中、心臓発作、胸痛、不安定狭心症の診断を受け、入院した成人患者は94人。前週の同じ曜日の58人から大幅に増加していた。入院患者は性別や年齢、人種に関わらず同様に増えていたという。

過去の研究結果でも、地震やテロ攻撃、スポーツイベントといった大きな出来事の直後には、心臓発作や脳卒中のリスクが高まる恐れがあるとの見方が示されている。

たとえば、9.11米同時多発攻撃の後の2か月間には、ブルックリンある病院に心臓発作で入院した人の数が35%増加。また、この事件から3年間で、心血管疾患の発生率は53%上昇した。

感情は身体に影響
心臓発作などを引き起こすのは、大勢に同時に影響を及ぼす出来事だけではない。個人が日常生活のなかで経験するストレスも、心臓発作や脳卒中のリスクの増加に関連している。

米国では成人の大多数が現在、「政治情勢は大きなストレス要因だ」と捉えている。アメリカ心理学会が今年7月に発表した調査結果では、民主党支持者の77%、共和党支持者の62%がそのように回答した。

また、オンライン科学誌プロスワンには昨年、ストレスが個人にどれほど大きな打撃を及ぼし得るかについての研究結果が発表されている。たとえば、政治問題が原因で眠れない、倦怠感がある、うつ病になる、といった状態を報告している人は、5人に1人にのぼるという。また、11%以上が、「政治は(たとえわずかでも)身体的健康に悪影響を及ぼしている」と答えていた。

過去の別の研究結果でも、「エレクションレイジ(election rage、選挙による逆上)」が心臓発作を引き起こす原因になることが示されている。2016年に発表されたこの研究結果は、52カ国で報告された1万2000以上の心臓発作の症例についてレビューを行ったもので、初めて心臓発作を起こした原因が、ストレスによる感情の乱れである場合が多いことを明らかにしている。

研究者らによれば、怒ることや感情が乱れることは、血圧や心拍数の上昇につながる。それによって起きる血流の変化によって、心臓への血液の供給量が減少し、発作につながるとされている。

また、感情と心臓発作のリスクの関連性は、肥満や過体重、高血圧、糖尿病といったその他の心臓発作の危険因子の有無とは関係がないとみられている。

高まるストレス、どう対応すべき?
選挙がなぜそれほどのストレスや感情の乱れを引き起こす原因となるのかについて、ニュヨーク大学ランゴーン医療センターのマーク・シーグル教授はUSAトゥデイ紙に対し、次のように説明する。

「問題のひとつは、テクノロジーだ。私たちは絶えず、ケーブルニュースやインターネット、ソーシャルメディアを通じて発信される大量の最新情報にさらされている」

それに加えて現在、私たちは新型コロナウイルスのパンデミックという別のストレスも抱えている。当然ながら、このストレスもまた、心臓発作と脳卒中の関連死を増加させている。

カイザーの研究者は重要なこととして、ストレスが健康状態に変化をもたらす可能性があると認識しておくこと、医療従事者が患者に運動やヨガ、瞑想、呼吸法といったウェルネスを維持するための方法を取り入れることを奨励し、ストレスへの対応を支援することを挙げている。

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加