朝がつらい・・・。夜型人間が、朝から高いパフォーマンスを出す方法

朝がつらい・・・。夜型人間が、朝から高いパフォーマンスを出す方法

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2023/03/20

「できるビジネスパーソンの基本は早寝早起きから!」

数年前はそんなフレーズが流行ったこともありましたが、最近ではアカデミック領域の研究や働き方改革も推進され、人それぞれ最適な生活リズムを尊重する文化が浸透してきました。

そもそも私たちには「クロノタイプ」と呼ばれる、朝型・中間型・夜型という遺伝子レベルで先天的に決まっている睡眠の特性があります。それぞれメリットやデメリットもあります。

健康経営を推進する企業の従業員の方と面談をしていると「数十年、朝の怠さに悩んでいる」という方に時々出合うのですが、その方は典型的な夜型のケースが多いです。

夜型の人はいくら頑張っても身体の特性的に朝が苦手なので、朝に“スッキリ”を感じることは難しいでしょう。

一方で、逆の考え方をすれば、自分のクロノタイプを正しく理解することで、プライベートや仕事のパフォーマンスなどのQOL全般を向上させることができます。

今回は3つのタイプのメリット・デメリットおよび、夜型の人がパフォーマンスを出すための睡眠の技術についてご紹介をしたいと思います。

3つのクロノタイプの特徴は

◆朝型のメリットとデメリット

朝型の人は文字通り、早寝早起きが得意です。集中力や判断力が必要とされる仕事は、朝一または午前中にこなすことが理想とされます。

1日の前半にパフォーマンスのピークがくるという特性を理解して、スケジュールを組むと仕事の質があがります。一方、デメリットとしては夜更しなどで一度リズムを崩してしまうと、もとの正常なリズムに戻すまで数日時間を要してしまうという事。

また、時差ボケに弱いという特徴があります。例えば、アスリートで朝型の方は(開催地にもよりますが)現地に遅くとも1週間以上前に入り、その土地のリズムに体内時計を調整して本番にピーキングすることが重要になります。

◆夜型のメリットとデメリット

夜型の人は、時差ボケに強く、夜更しをしても直ぐにもとのリズムに戻しやすいというメリットがあります。

ただ、眠くなる時間帯が必然的に遅いので、早朝から出勤する必要のある企業で働かれている方は、慢性的な睡眠不足になりがちというデメリットがあります。

慢性的な睡眠不足は、集中力の低下や昼間の眠気を催します。仮にそれが運転を伴う仕事の場合などは、他人の命を奪いかねない悲惨な事故の原因になるので注意が必要です。

◆中間型のメリットとデメリット

中間型の人は、朝型・夜型どちらにでも比較的器用に調整しやすいというメリットはあるのですが、一方で身体にかかっている負荷を感じにくい・認識しにくいというデメリットがあります。

それゆえ、気づいた時には手遅れ、最悪のケースは過労死という労災につながるケースもあるのです。

ここまで3タイプのメリットとデメリットを説明しましたが、決してどれが良い悪いというものではありません。個人が持っている特性ですので、それを個人および理想的には会社側が理解することで、生産性の高い仕事とチームワークが実現できます。

夜型でも朝から高いパフォーマンスを出すには

最後に、朝から出勤する必要のある夜型の方が、午前中から高いパフォーマンスを出すために、気をつけるべきポイントをご紹介します。

私自身も若干夜型の特性なのですが、自分の特性を正しく理解しているからこそ実施している工夫がありますので、是非参考にしていただければ幸いです。

1.    午前中にたくさん光を浴びる
午前中にたくさん光を浴びることで、体内時計を前にずらすことができます。その結果、夜はいつもより早いタイミングで眠気を感じることができます。

ちなみに、太陽の光を浴びるという習慣は、夜型の人だけでなく朝型と中間型の人にもとても大切な習慣です。太陽光の刺激が目の網膜を通り脳の視交叉上核に届いて体内時計(中枢時計)がリセットされるという仕組みがあります。

2.    朝食をとり血糖値をあげる
1つ目の朝に太陽光を浴びる習慣は中枢時計を整える上で大切な習慣でしたが、同時に私たちの身体の内臓にも体内時計が存在します。これを末梢時計といいます。

これを整えるためには、血糖値をあげることが有効です。できる限り朝食は毎日とることを心がけましょう。朝食にコーヒーを飲むのも効果的です。

ただ、カフェインは眠気の原因そのものを解消する効果はありません。眠気を催す物質が脳に作用するのをブロックしているだけですので、本質的に眠気を解消するためには「眠る」のが一番の方法です。

3.    朝、少し熱めのシャワーを浴びる
これも毎日私がやっている習慣です。朝はどうしても脳も身体もぼんやりとしていますが、人工的に体温をあげることにより交感神経が優位になり一気に目を覚ますことができます。その結果、午前中から高いパフォーマンスで仕事をすることができます。

繰り返しになりますが、このように、自分のクロノタイプを正しく理解すれば、圧倒的にQOLを上げてパフォーマンスを向上させることができます。睡眠は技術ですので、誰でも上達させることができるのです。

皆さんも自分の特性を理解して充実した日々を過ごされてみてはいかがでしょうか?

Have a nice Sleep!

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