読者に未就学児〜小学校低学年のお子さんを持つ保護者の方が多い、with class mama 。Instagramのアカウントに多く寄せられた質問が「幼児期は思いっきり遊ぶといいとはいうものの、小学生のママたちに実際のところどうだったか? どんな遊びがいいのか、聞いてみたい!」というものでした。そこで、小学生2人を育てる、私えり先生が小学生ママのフォロワーさんを対象に「幼児期にやっててよかったと思う遊びはなんですか?」とアンケートをとったところ、このような結果になりました。1位:外遊び(89票)2位:作る遊び(ブロックや工作など) (53 票)3位:ごっこ遊び (18 票)4位:おもちゃ遊び (5 票)

圧倒的に外遊び人気! フォロワーさんからは「自然科学に興味を持つきっかけになった」「自分たちで考える力、話し合って友達と協力することが学べる」「瞬発的な判断能力がついた」というコメントを貰いました。さらに調査を進めるべく、今回は、認知心理学・学習心理学の専門家であり、東大院と千葉工大院に進まれた理系大学院生のお子さん2人を育てられた中牟田宴子先生に、幼児期の遊びについてお話を伺ってきました!中牟田先生はお子さんが小さい頃から忙しく働かれていましたが、ワーキングマザーでもできる「家庭での関わり」の中で、お子さんたちは、学ぶことが大好き!算数が大好き!という風に育ったのではないかとお話されてます。
外遊びをたくさんすると、幸せな人生が送れる?!
えり先生(以下、えり):外遊びが大事な理由について、中牟田先生はどう思われますか?中牟田先生:息子たちを見ていても、本当に外遊びはよかったなと思います。やはり体力がある、そして体幹が強い。体力や体幹があると、学習も遊びも集中して持続できますし、後々どんなスポーツも楽しめます。1人目の息子はアメフトで優秀選手として表彰もされたこともありますが、今はサーフィンなども楽しんでいます。今春から社会人になりますが、体を動かすリフレッシュ法を持っているのはメンタルヘルスの観点からも、とてもいいなと思っています。

もう1つ大事なのが、外遊びでは「整えられていない自然の環境の中で、不測の事態に対応する」ことがたくさん体験できることです。ボールが他の人のところに飛んでいってしまった時に、取りに行って感謝を伝えるということもあります。待ち合わせをしていた友達が来ない時に、対応を考えたりすることもあります。不測の事態が起こった時に、人に頼ったり、協力して物事を進めるという、コミュニケーションの力が育まれ、人間関係を学ぶ体験になると思います。
外遊びで人間関係を学ぶ
人間関係を、小学生の頃にたくさん失敗もしながらも学んでいくというのはこれからの時代は非常に重要です。欧米では教育現場で「学びの共同体」という考え方が浸透していて、複数人のグループで共に学ぶことが効果的だという研究結果も出ています。日本でも、東大の授業で講義の後に隣の席の人と意見をシェアし合うといった取り組みが行われていたりもします。米国IT企業においても、パフォーマンスが高いチームの研究が進んでいて、それはチームメンバーの関係性、つまり人間関係に依存することもわかってきています。

つまり、人間関係を良好に築ける力を持っているというのは、学習面からも、仕事の面からも、そして言わずもがな幸せな人生を歩むためにも非常に重要だということです。大学生になってから、社会人になってからの失敗は、なかなか取り返しがつかないこともありますが、小学生のうちは小さな失敗を許してもらいやすい環境ですよね。未就学児さん、そして小学生のうちにたくさん外遊びをして、たくさんの不測の事態に直面して、失敗するチャンスを作ってあげるといいんじゃないかと思います。
ワーママ的外遊びのコツ
えり:中牟田先生はワーママとしてお忙しかったと思うのですが、いつ外遊びをさせていましたか?
①土日にたっぷり遊ぶ
中牟田先生:平日はもちろん無理でした。その代わり、土日に大きな公園に連れていったりしてました。そういう時は、平日に子どもがご自宅にお邪魔させてもらったりしてお世話になっているママ友のお子さんも誘って、私が引率して子どもたちを一緒に遊ばせることもありました。科学館に連れていったりしたこともありますね。平日は本当にご迷惑をかけることも多かったと思うので、そこは持ちつ持たれつといいますか。平日にお邪魔する時は、ママへのちょっとしたお菓子や紅茶なども持たせたりして。子どもを育てる仲間ですからね、お互いできることを子どもたちのためにやろうとしていました。働くママの仲間を巻き込んで、一緒に引率をすることもありました。

②ママ友の子どもと遊ばせる
えり:私も子ども同士を遊ばせるのはよくやってます。子ども同士で遊ぶと、親子だけでの遊びより多様な視点が増えるので、遊びがより広がっていつもと違う刺激を感じます。子どもたちが遊んでいる様子をみていると、ゲームのルールメイクをしたり、ごっこ遊びの設定がいつもと違ったりするなと思います。年下の子がいるとルールを調整しようとしたり、年上の子がいるとお手本になってくれたり、社会性も育まれます。トラブルももちろん増えますが、それをどうやって解決しようか話すキッカケにもなりますね。モンテッソーリ教育では縦割りの異年齢保育をしますが、まさにそういう効果があると思います。
③親も一緒に遊べる遊びも取り入れる
えり:外遊びにおすすめの遊びはありますか?中牟田先生:我が家は、ビニール袋にひもを付けて作った手作りの凧で遊んだりしてましたね。他には、ボール遊び、ローラーブレード、バドミントンなどをして遊んでいました。大人も一緒に混ざって遊べるものもあるといいですね。

えり:先ほど出てきた「学びの共同体」に繋がりますが、一緒に何かを成し遂げたり、一緒に発見したり、一緒に心を動かす時間は親子関係を育むのにとても大事だと思います。「一緒に外遊び」は普段仕事で忙しい親御さんこそ少し意識したいことかもしれないですね。今回は幼児期の外遊びの大切さについて伺いました。次回は「算数が得意になるブロック遊び・工作あそび」について伺いますのでお楽しみに!お話を伺ったのは・・・中牟田宴子さん九州大学文学部哲学科認知心理学専攻卒業(所属学会:日本教育工学会)算数・数学塾を企画運営NPO法人センス・オブ・ワンダー代表理事東京大学大学院工学系研究科のゼミを担当企業にSTEAMコンテンツを企画、提供算数大好きの育て方講座https://sansusugaku.wixsite.com/home〇入門講座認知科学、学習科学の研究などを基に、あまり知られていない低学年の算数の壁の超え方をご紹介しています。〇本講座教科書の全ての単元について、学校で学ぶ前に「自分ごと」としておうちで学ぶ方法をご紹介しています。〇夏休み無人島ぐらし講座算数で学ぶ「形」の性質を現実世界の中で考え、ちょっぴり建築学の知識も学びながら無人島で生き残るために色々なものを建てていきます。夏休みの自由研究にもぴったりの講座です。
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【Profile】えり先生

小5女子、小2男子の2児の母。神戸大学卒業後、2008年リクルート入社。当時まだ珍しかった育休後のフルタイム復帰、リモートワークのフィジビリにも参加。仕事と家事育児の両立の途を率先垂範する。2018年同社退社後、日本モンテッソーリ教育綜合研究所にてモンテッソーリ教師の資格を取得。2020年モンテッソーリ教具の定期レンタルおよびオンラインサポートサービス「ビブリオテーカ」を開業、累計100家庭以上にサービスを提供。小4の娘が都内で中学受験予定Instagram:@tokyo_montessori_at_homeHP:モンテッソーリ教具の定期レンタルおよびオンラインサポート「ビブリオテーカ」
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