武見敬三参院議員 感染症対策に「情報の独占をあらため、開かれた組織をつくれ」

武見敬三参院議員 感染症対策に「情報の独占をあらため、開かれた組織をつくれ」

  • AERA dot.
  • 更新日:2021/04/07
No image

参院議員 武見敬三 (c)朝日新聞社

自民党の新型コロナウイルス感染症対策本部などは3月、政府に向けて「新型コロナウイルスに係る変異株のモニタリング体制に関する緊急提言」を提出した。武見敬三参院議員は提言を取りまとめた中心メンバーの一人。現状の対策の問題点と解決策を聞いた。

【グラフ】AIが予測した英国型変異株の感染爆発

*  *  *

コロナ対策における現在の喫緊の課題は変異株を一刻も早く抑え込むことですが、現行の日本の感染症対策の仕組みでは不十分です。

現在は都道府県などに属する地衛研が変異株PCR検査を行い、感染研がウイルスの全ゲノム解析を行っていますが、スピードが足りず時間がかかりすぎている。大学など、大量のゲノム解析ができる研究機関の協力を得る必要があります。

ゲノム解析ができる大学に協力を依頼し、その結果を感染研に情報として集約する仕組みがなかったのも問題です。感染研は厚労省の直轄組織で、大学は文科省の管轄のため、縦割り行政の弊害で連携が非常に難しい。しかし、政府はこの間、目の前の課題に手いっぱいで、抜本的な制度改革は放置されてきました。

私たちが政府に緊急提言を行ったことで、ようやく動きが出ました。厚労省と文科省が合同で、都道府県や大学と連携した検査体制を築くための課長通達を出したのです。

こうした改革に加え、感染拡大防止のための「疫学調査」と、患者さんと直接向き合う「臨床研究」を一体化させた組織も必要です。そこで私たちは、感染研と、やはり厚労省所管の国立国際医療研究センターを母体とした「健康危機管理機構」という新たな独立行政法人をつくることを提案しました。しかし、厚労省はこの構想に猛反対しています。 感染研が切り離されると、厚労省のグリップが利かなくなり、ますます司令塔としての機能が脆弱になるというのが彼らの理屈ですが、総理直轄の独法にして強い権限を持たせることで、自由で適切な研究調査ができる新しい仕組みが生まれると考えています。

この4月から感染研の定員は362人から716人へと倍増しますが、いまの枠組みの中で太っていくだけでは意味がない。官民や産官学の連携は進まないでしょう。感染症に関する情報を感染研に集約することは必須ですが、情報を独占せず、きちんと開示して外部の専門家がアクセスできるようにしなければなりません。

欧米の公衆衛生部門はすべて開かれたシステムになっているのに、日本は囲い込みのシステムになっていて、情報を独占することが権限の象徴のようになってしまっている。そうした旧態依然とした発想が、世界の新しい変化に対応できなくさせているのです。

ガバナンスの仕組みを変えることが、コロナ対策のカギだと考えています。

(本誌・亀井洋志)

※週刊朝日  2021年4月16日号

亀井洋志

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加