統合失調症のAI早期診断プログラム 5年以内の実用化を目指す【コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー】

統合失調症のAI早期診断プログラム 5年以内の実用化を目指す【コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー】

  • 日刊ゲンダイヘルスケア
  • 更新日:2021/11/25
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患者に納得してもらうのに時間がかかる(写真はイメージ)

【コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー】#32

100人に1人弱が発症するとされる「統合失調症」。発症から治療を開始するまでの時間が短いほど、よりよく回復するといわれている。

しかし、その早期発見がなかなか難しい。他の精神疾患にも言えることだが、統合失調症は医師が症状と経過をみることにより診断され、客観的な検査などによる診断法が確立されていないからだ。

たとえ診断されたとしても、統合失調症は「幻覚」や「妄想」を信じ込み、患者自身が病気だと思っていないことが多い。客観的な検査値などのデータが示せないため、治療の必要性を患者に納得してもらうのに時間がかかるのだ。

そんな問題を改善しようと開発が進められているのが、「AI(人工知能)を活用した統合失調症の早期診断プログラム」。日本医療研究開発機構の今年度の「医工連携・人工知能実装研究事業」に採択されている。

どんな医療機器プログラムを目指しているのか。研究開発代表者である国立精神・神経医療研究センター・精神保健研究所の橋本亮太部長(大阪大学招聘教授)が言う。

「統合失調症の疑いは、『認知機能』のテストや『眼球運動』を調べることによって、ある程度は判別することが可能です。これらのデータを1000例単位でAIに学習させて、その解析結果を診断の補助に役立たせるのです。このプログラムは研究レベルではすでに完成していて、いまは臨床現場の医療スタッフが簡単に使えるように実用化研究を進めている段階です」

簡単に言えば、プログラムをタブレットなどの端末に落とし込み、患者に画面上の質問に答えてもらったり、画像や動画を見てもらい眼球運動の特徴をとらえたりして、それをAIが解析するといった仕組みだ。

統合失調症を判別する眼球運動の特徴は、橋本部長が大阪大学准教授時代に京都大学グループとの共同研究で発見したもの。

2014年当時の発表では、この方法を用いると統合失調症患者と健常者を88%以上で判別できるとしている。

「多くの医療スタッフの人たちに簡単に使ってもらえるレベルのシステムにすると、研究レベルのものよりも精度は落ちると思います。しかし、それはプログラムを工夫することでカバーできると考えています。将来的には、医療現場だけでなく心の健康相談の窓口になっている保健所などの施設でも使ってもらえる医療機器にしたいと思っています」

5年以内の薬事申請を目指しているという。

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