色鉛筆で絵を描くことを制限されたのは、表現の自由を保障した憲法に反するとして、福岡拘置所に収容中の奥本章寛死刑囚(35)が国に対し、私物の色鉛筆を使えなくした法務省訓令の改正を取り消すよう求めた訴訟で、東京地裁は25日、訴えを却下する判決を言い渡した。品田幸男裁判長は「訓令改正は訴訟で取り消せる行政庁の処分ではない」と述べた。

東京地方裁判所
宮崎市で妻子と義母を殺害したとして死刑が確定した奥本死刑囚は、同拘置所内で色鉛筆で絵を描き、絵を販売して遺族に弁償するなどしており、「絵を描くことは償いのために不可欠だ」などと主張していた。
法務省によると、以前は色鉛筆を含む鉛筆を使用できたが、2021年2月以降、制限された。同省は「保安上の課題などを検討した結果」としている。