千原ジュニア・チョコプラ長田・小籔千豊ら...「ドラフトコント2022」それぞれの戦い方

千原ジュニア・チョコプラ長田・小籔千豊ら...「ドラフトコント2022」それぞれの戦い方

  • WEBザテレビジョン
  • 更新日:2022/11/25
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千原ジュニア、長田庄平、小籔千豊 / ※ザテレビジョン撮影

【写真】歴代「キングオブコント」王者も…「ドラフトコント2022」出場の芸人たち

「キングオブコント」が終わり、年末に向けて「THE W」「M-1グランプリ」とお笑いの賞レースが続く。その狭間である11月に、フジテレビで“コントのお祭り”が放送された。11月19日放送の「ドラフトコント2022」である。

「ドラフト」と「コント」両方のワクワク

5名の芸人がキャプテンとなり、若手芸人20名のなかから「一緒にコントをやりたい」と思う芸人をドラフト形式で指名。その後、1チーム5名でユニットコントを作りあげ、1カ月後に観客の前で披露する。最終的に5チームからチャンピオンを決定するという流れだ。

キャプテンは千原ジュニア、小籔千豊、春日俊彰(オードリー)、田中卓志(アンガールズ)、長田庄平(チョコレートプラネット)の5名。若手芸人のなかには、各賞レースのチャンピオンをはじめ、実力者たちがひしめく。誰と誰が一緒になっても夢の組み合わせだし、キャプテンがどんな人選をするのか期待しちゃう。まさに「ドラフト」のワクワクと、実力者による「コント」の面白さ、両方を味わえる番組なのである。

ネタが書ける、飲んだことがある……それぞれの人選

番組はキャプテン5名によるドラフトからスタート。指名を読み上げるのは、本家プロ野球のドラフト会議でもお馴染みの関野浩之……ではなく、その声真似をする松村邦洋(そっくり!)。

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春日俊彰 / ※ザテレビジョン撮影

このドラフトコント、「誰がネタを書くか」がひとつのポイントになる。今回、キャプテン5名のうち、ネタを書けないのは春日だけ。だが、春日は前回大会で水川かたまり(空気階段)をブレーンとして起用し、見事優勝を果たしているのだ。今回も「勝つコツは自分でネタを書かないこと」と胸を張る春日。2巡目にネタを書ける野田クリスタル(マヂカルラブリー)を指名し、ジャンポケ斉藤やチョコプラ松尾、ナダルといった「大砲」を揃える。

小籔は「キングオブコント2022」の優勝者・ビスケットブラザーズの原田をはじめ、全員ネタを書けるメンバーで固めた。田中は、う大(かもめんたる)、かたまりと個性的かつ強力なブレーンをそろえる。一方、ジュニアは「知らない人とコントをしたことがない」と飲み友達を中心に指名。長田は「一番かわいがっている先輩」とKAƵMA(しずる)を1位指名し、気心が知れたチームを作った。

ネタが書けるだけでなく、「仲良くものづくりができるか」という視点も感じられるドラフトは、ほとんど指名がかぶることなく終了。最後に1人余ったのは、錦鯉の長谷川。面白いのはもちろんなのだが、「味が濃すぎる(小薮)」と敬遠され、獲得することになった田中は「急に異分子が入ってくる!」と戸惑う。

1人で美術まで作る長田、野田に丸投げする春日

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長田庄平 / ※ザテレビジョン撮影

芸人たちが組み合わせをシャッフルさせてネタを披露する企画は、「ドリームマッチ」(TBS系)をはじめ他の番組でも行われてきた。だが「ドラフトコント」は、「5人でコントを作る」ことに特徴がある。

コンビやトリオで作るコントとは勝手が違い、5人全員を活かすのは難しい。ましてや“異分子”が入り込むならなおさらだ。さらに全員が売れっ子なので、そろって稽古する時間も限られている。この難題を、5つのチームそれぞれが違う手法で解決しているのが興味深かった。

チーム長田は、長田が脚本や美術イメージなどを一人で手掛け、ドラフトから2週間で完成形を作ってしまった。内容は「アジアのどっかにありそうなバラエティ番組」。登場人物全員がどこかの国のデタラメな言語を話し、なんだかよく分からないゲームに挑戦し、最後は歌でお別れする。演者には「セリフがないとこんなに緊張しないんだなって(岡野陽一)」という利点がある一方、手間がかかったのが美術セット。全チームの美術予算の半分を使い切った、テレビコントならではの豪華かつシュールな世界だった。

一方、セットは商店街の背景だけだったのがチーム春日。というか、春日は野田クリスタルにネタ作りを丸投げし、稽古も仕事で欠席したため、実質「チーム野田」である。できたコントは「商店街ロケ」。野田がADに扮し、他の4人はカンペ通りに「トゥース!」「はぁい!」「どんだけ~」「いっちゃってる!」と自身のギャグを叫ぶだけ。カオスな状況に笑いが高まってきた最後、野田は「ギャグ、それは芸人を縛り付ける呪いかもしれません」と語り、「世にも奇妙な物語」で落とす。

野田以外の4人はカンペを見て叫ぶのでセリフを覚えなくていいし、野田自身は「お前らのロケってこういうことだぞ」「説教」とギャグ芸人たちに思いの丈をぶつけた。逆境から生まれた、この番組でしか見られないコントに仕上がっていた。

“異分子”錦鯉・長谷川の有効活用!

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錦鯉・長谷川(写真左) / ※ザテレビジョン撮影

チーム田中は、ドラフト後さっそくブレーンたちと会議。大人数の舞台も手掛けるう大が脚本を書き、田中とかたまりがブラッシュアップする作戦に。「初稿でこのクオリティは信じられない」と田中がうなった脚本は、中年男性(田中)が若い彼女(かたまり)と両親(う大&アタック西本)に結婚の許しを請う設定。ありふれた設定だが、う大らしいサスペンスホラーに話が転がっていく。

“異分子”の長谷川は、終盤に「車椅子の老人」として登場。セリフはほとんどなく、車椅子を押してもらうので立ち位置を他者に任せられる。それでいて物語の重要な鍵となる役……! 50代という年齢も役にぴったりで、“異分子”を存分に使い切っていた。

ワントップのジュニア、全員野球の小薮

関西のベテランであるジュニアと小薮は、それぞれ異なるアプローチを見せる。チームジュニアは、ジュニアが約4年ぶりに新作コントを書き、ワントップでコント作りを進めた。4人の女性の雑談に三四郎・小宮がツッコみまくり、ラストは映像によって伏線を回収。実はセリフひとつ間違えられない、緻密なコントだったことに驚く。

一方のチーム小薮は、ハナコ秋山、蛙亭イワクラ、ビスブラ原田、ネルソンズ和田と、もはや全員がブレーン。全員で設定のネタ出しから入り、オンライン会議も駆使して打合せを重ねる。十分に検討を重ねてから稽古に入り、本番当日も11時半に集合して全員でランチ。子供が生まれた夫婦(小薮&イワクラ)のもとに、未来人(原田&和田)が訪れる設定は、全員の色が存分に出た内容だった。

時間の無さを工夫で回避したり、全員で正面からぶつかったり、力業で乗りきったり、それぞれ異なるやり方でできた、異なるタイプの5つのコント。優勝はチーム小薮だったが、本当に見る人によってベストが違う、甲乙つけがたい戦いだった。ネタだけでなく、芸人同士の関係性も楽しめる最高のお祭り。出演者たちは大変だろうけど、ぜひ今後も毎年やってほしいと願う次第である。

文=井上マサキ

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