「”来いよ来いよ”と思っていた」磐田U-18の大型CB鈴木海音がJデビュー戦で見せた、強靭な精神力と驚愕のポテンシャル

「”来いよ来いよ”と思っていた」磐田U-18の大型CB鈴木海音がJデビュー戦で見せた、強靭な精神力と驚愕のポテンシャル

  • サッカーダイジェストWeb
  • 更新日:2020/09/17
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鈴木は約半年ぶりに磐田U-18の試合に参加。質の高いビルドアップで完封に貢献した。写真:森田将義

182センチの大型センターバックで、昨年はU-17日本代表の一員として2019 FIFA U-17ワールドカップに出場。ジュビロ磐田の将来を担う選手として期待されるのがDF鈴木海音(3年)だ。

4月にプロ契約を交わし、8月には2種登録選手としてJ2の舞台を経験しているだけあり、高校生に混ざるとプレーの質は明らかに違う。

約半年ぶりにU-18の一員として試合に挑んだスーパープリンスリーグ東海・第2節の富士市立高戦では、世登泰二監督に「目に見えない安心感がある。ちょっと怖いかなと思う局面でも彼が来た時には盤石の守備をして、格の違いを見せてくれた。プレーでどうこうじゃなく、更に安心感のある雰囲気を持ったDFになっていた」と言わしめるプレーを披露し、3-0の完封勝利に貢献。小学校からのチームメイトであるFW池端今汰も「海音がいると安心できる。相手に攻められても、”海音がいるから大丈夫”と思えた」と口にした。

「(富士市立戦は)ガチンコ勝負の公式戦。3年間ずっとやってきた仲間たちと残り少ない試合を戦えるということでワクワクした気持ちが強かった。自分はトップチームでプレーしているので、チームを引っ張ろうという気持ちとともに、経験を声で伝えられた良いなと思っていた」(鈴木)
ドリブルとパスを前面に押し出す相手に簡単にかわされないよう、安易に飛び込まずに冷静に対処。チームメイトがかわされても、素早いカバーリングでシュートすらも打たせない。

目に留まったのはビルドアップの向上だ。高校に入るまではボール扱いを苦手としていたが、世代別代表を経験するうちに相手を見る力が高まり、最終ラインでボールを持っても落ち着いてプレーできるようになった。

これまでは一度プレーを決めると、相手が対応してきても判断を変えることができず、ボールを失う場面が少なくなかったが、この日は相手の出方を見て、サイドと中央のパスコースを上手く選択。相手の背後が空けば、精度の高いロングフィードを繰り出すなど自陣から攻撃を司った。

2月以降はトップチームでの活動に専念していたが、出場機会を得るため今節は急きょU-18に帯同。前日に練習を1時間こなすだけのぶっつけ本番で試合に挑んだが、「なんの違和感もなくやっていた。パッと入っていけるパーソナルな所も素晴らしい。輪の中に自然体でスッと入っていける所は改めて凄いと思った」(世登監督)点も注目に値する。

「しっかりしている所はしっかりしているけど、周りに溶け込むのが上手い」と証言するのは、池端。寮で柔軟剤だけを入れて洗濯するなど、ピッチ外では少し天然な部分もあるが、そうしたツッコミどころがあるから、周りも気兼ねなく鈴木と接することができるのかもしれない。 プロデビュー戦となった8月19日のFC町田ゼルビア戦でも、彼の精神的な強みを感じさせた。

「前日は緊張していたけど、当日にいきなりスタメンと言われたのでいざ試合になると緊張は一切なかった。周りの選手も声を掛けてくれたので、人生に一度きりしかないデビュー戦を楽しめることができて良かった」

Jの舞台に慣れていないため、町田の選手から「45番の所にボールが出たら奪いに行け!」との指示が飛んでいるのが何度も聞こえたが、「”来いよ、来いよ”と思っていた。気持ちの部分で負けなかったのは大きい」。
ハーフタイムに交代し、デビュー戦は45分のみで終わったが、「プロはレベルが高い。毎日の練習だけでも刺激的。トップの人たちは一つひとつのプレーが丁寧でクオリティーが高い。自分に足りないのは何かというのを毎日考えながら、サッカーができているので、この半年で凄く成長したと思っている」と前を向く。

心身ともにプロでも活躍できるだけのポテンシャルを持った選手であるのは、間違いない。彼がサックスブルーの象徴と呼ばれる日はそう遠くないはずだ。

取材・文●森田将義(サッカーライター)

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