新興国の外貨不足対策を強化 コロナ回復局面のドル流出に備え 日中韓ASEAN

  • 産経ニュース
  • 更新日:2021/05/03

日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)が通貨交換協定を強化するのは、米国への資金流出で経済が混乱するのを防ぎたい思惑が背景にある。今後の新型コロナウイルス禍からの回復局面では流出が加速する懸念があり、円や人民元の融通も可能にするなど利便性の向上を急ぐ。ただ、人民元の存在感が高まれば不透明な投融資が多い中国の影響力も強まる課題がある。

国際社会では現在、米国経済の急回復で米金利の上昇とドル高が進み、新興国への投資資金がより有利な米国に流出すると懸念されている。ワクチンの普及遅れや変異株の拡大で落ち込んだ経済を立て直せない国ではドル不足による金融危機が連鎖しかねず、世界経済に打撃を与えかねない。

こうした事態を防ぐ国際金融の安全網が通貨交換協定だ。多国間で外貨を融通し合い、支払いに支障が出るのを防ぐ。今回の機能強化では円や人民元などの利用に加え、国際通貨基金(IMF)に救済申請をせずに資金融通が受けられる枠を従来の3割から4割に広げ、柔軟に危機を鎮火できるようにした。3日の財務相・中央銀行総裁会議でも「使いやすい制度を目指すべきだ」と各国から歓迎の声が相次いだ。

一方、協定拡充は円の利用促進につながる効果もある。令和2年上期の日本からアジア向け輸出の円建て決済は47・1%に達した。

ただ、人民元も危機時の融通通貨になることで、巨大経済圏構想「一帯一路」を通じ影響力を強める中国も利益を得かねない。麻生太郎財務相は3日の記者会見で、中国が“債務のわな”で途上国支援の資金を自国への返済として吸い上げるなど「これまでの国際金融でありえなかったことが次々と起きる」と憤りをみせた。協定拡充では使い勝手と透明性の確保を両立させられるかも問われる。(永田岳彦)

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