皆さまコンニチハ、旅きのこです。
今日は屋久島旅語り・第5話をお届けします。
あなたは真っ暗な森の中を歩いたことがありますか・・・?
どうぞ最後までお楽しみ下さい。

屋久島旅の2日目。いよいよ旅のメインイベント、縄文杉トレッキングツアーの日です。
往復10時間をかけて、山深い場所で生きる推定樹齢2000年〜7200年といわれる縄文杉に会いにいきます。
出発は早朝4時。
担当のガイドさんが、車でツアー参加者全員の宿を順番に周り、迎えに来てくれる予定です。
日の出まではまだかなり時間があります。寒さと漆黒の闇に包まれながら、宿の前で待っているだけで何とも言えない緊張感が漂っていました。
エンジンの音が聞こえたかと思うと、車のヘッドライトが!その光が周りの南国植物の影を引き立たせて、それだけで冒険映画のプロローグのようでした。
ガイドさんからよくよく確認されたのは「登山弁当を確かに持ちましたか?」ということ。
縄文杉トレッキングは早朝開始、道中の山の中に売店はあるはずも無いので、各宿泊施設で出発前に2食分のお弁当を受け取るというスタイルが確立されています。
ここで受け取り忘れたら、終わりです。
(それでも忘れた人が過去にいたらしい・・)
確認が済んだら登山口へと移動。ガイドさんの車で40分ほど山道を走ったかな。その間も自己紹介をしたり、色々な話をしながら心の準備運動を。
登山口に着いたならば、間髪入れずに弁当タイム!
山中で食べると思い込んでいた私は、え!今ここで食べるんかい!と心の中でツッコミつつも、朝食分のお弁当をお腹に詰め込みます。
12月の極寒の山の待合室で朝5時に食べる弁当・・何の感想も出てこなかったっす。
からの、私は持ってきていた登山用のお菓子を、もうこの時点で嬉しそうに開けてつまみ食い。小学校の遠足なら確実に先生に怒られるやつですね。
ガイドさんから山歩きの注意事項の説明も受けて、いざ、出発です!

2022年12月1日 5:58ガイドさん1名+参加者7名のグループ
ヘッドライトを付けないと全く何も見えない完全なる闇の中を黙々と進みます。この写真のトンネルの出口をご覧ください・・ものすごい漆黒でしょ?この中を、足下のトロッコ道だけを頼りに歩くのです。
しかもね、途中に何ヶ所か橋のようになってる所とかあるんですよ!手すりなし、真下は川。これ暗闇で見えなくて逆に良かったやつです。帰って来る時に同じ場所で「えっ!?こんなとこ渡ってたのおおおヒエエエエ」となりました。

6:40 吊り橋の上から
ようやく空が明るくなってきました。
周りがどんな景色なのか一切見えないまま歩いて来ましたが、縄文の森はこんな景色なんだ!と一気に視界が広がります。
朝になれば太陽が昇るという当たり前のことが、すごく有難いことだと感じられます。古代の人が太陽を神と崇めていた気持ちがわかるわかる。
文明というものが如何に便利か。しかしそれは自然への感謝を忘れさせる装置となっているのではないか。そんなことが頭に浮かんできます。
川を見下ろすと巨石がゴロゴロと。
写真では比較対象が無いので大きさがなかなかピンと来ないと思いますが、その巨大さに心臓がバクバクしたほどです。あまりにもスケールが違いすぎる・・・

7:29
とにかくひたすらトロッコ道。
ガイドさんからの事前説明で「トロッコ道では、歩きながらよそ見をすると転倒します。写真を撮る時や木を見る時は、必ず止まってください」と言われていました。
これがまた本当にそうなる。ふっと横を見たりすると足が絡まったようになって危なかった。こんなにも歩くという動作を意識的に行うって、普段はなかなか無いかもと思いましたよ。

!
出発から1時間半が経つ頃、お猿が現れました!かわいい〜!冬毛だからなのか、ホワッホワです。
最初は二匹だけが目に入りましたが、後から続々と現れる。十匹ほどの群れでした。かわいいお猿たちの姿に、気持ちが一気に和んで、癒された〜。

渋
屋久島の森には、こんなにかっこいい自然のアートがあちらこちらに。何がどうなったらこうなるの?一体どのくらいの時間を経てこの姿になったんだろう・・森に聞いてみたいことが沢山湧いてきます。

このような丸い模様の小石を発見。なかなか珍しいような。大きな森の中で、小さな喜びに出会った時、森と少し気持ちが通じ合ったような気がして嬉しい。
私がそうしているうちに、皆んな揃っていそいそとカメラを構えはじめたと思ったら・・・
あっ!

こだま。ここにもこだまがいるのか!好きにさせておけば悪さはしない。森が豊かなしるしだ。
・・・ガイドさんが用意してくれていたのでした♪
10時間の山歩きを飽きさせない、プロの技の一つ。
でもきっと、本当にこの森にはこだまが住んでいるんだろうなぁと感じる何かがありましたよ。
実際「もののけ姫」の森のイメージを作る中で、屋久島の森を視察に訪れた宮崎駿監督チームのスタッフの一人が、森に何かがいるのを見たそうです。その方がこだまをデザインしたとか・・・。

ロマン溢れる縄文の森。まだまだ最終ゴールまでは長い道のりです。なんてったって、往復10時間ですから。
この後も見どころ満載ですが・・・
✳︎✳︎今日はここまで✳︎✳︎
次回、屋久島特有の地質に出逢います!
引き続きお楽しみください。
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